由井 紀行 院長の独自取材記事
よしい歯科医院
(柏市/柏の葉キャンパス駅)
最終更新日:2026/04/13
柏駅西口から東武バスに乗り、キャタピラー東日本前停留所で下車。大通りから1本入った落ち着いた住宅地に「よしい歯科医院」はある。ライトグリーンの外観が目印で、院内はヨーロピアンスタイルの家具が並ぶ明るい空間。待合室の窓からは花や植物、動物のオブジェを眺めることができる。院長を務めるのは、1991年の開業当初からインプラント治療に取り組んできた由井紀行先生。インプラント治療のためのオペ室を持つ歯科医院がまだ少なかった時代からその環境を整え、研鑽を重ねてきた。「一生ご自分の歯で食べていけるようにして差し上げたい」という言葉の中に、患者への深い思いやりがにじむ。歯周病治療を土台とし、先を見据えた治療を貫く由井院長に、35年の歩みと診療への思いを聞いた。
(取材日2026年3月25日)
インプラント治療に先駆的に取り組んだ35年
すてきな院内ですね。オペ室もあると伺っています。

院内のインテリアは妻がコーディネートしたものです。妻はインテリア関係の仕事をしておりまして、その知識や審美眼が生かされた空間になっています。診療室は半個室にして、患者さんが気兼ねなく治療を受けられるように配慮しました。設備面で最もこだわったのはインプラント治療専用のオペ室です。当院を開業した1991年当時、インプラント治療のためのオペ室を持つ歯科医院はまだ珍しい時代でした。しかし、当院はインプラント治療を診療の柱に据えていたからこそ、開業の時点で専用の環境を整えておく必要があったのです。ほかにも、虫歯や歯周病の治療など、さまざまな主訴に対応しています。今では3世代にわたって通ってくださるご家族もいらっしゃいますよ。
そうした設備を開業当初からそろえた背景には、どんなことがあったのでしょうか?
開業する前に勤務していた歯科医院でインプラント治療に携わったことがきっかけです。当時はインプラント治療を手がける歯科医師がほとんどいませんでしたが、これは将来必ず普及するだろうと考え、開業と同時に本格的に取り組み始めました。歯のホワイトニングも同様です。まだ日本では「ホワイトニング」という言葉すら一般的でなかった時代から施術していました。こうした先駆的な取り組みの根底にあったのは、患者さんの口の中をきれいに保ちたいという純粋な思いです。ニーズがあるからやるのではなく、患者さんにとって本当に良いと思える治療を届けたいという気持ちが先にありました。先を見据えて動くという姿勢は、開業した当初から今に至るまで変わっていません。
長年、インプラント治療に取り組まれてきたのですね。

ええ。歯科医師になってから、日々の診療と並行してインプラント治療の勉強にも力を入れていました。当時忙しくなかったのかと聞かれることもありますが、正直なところ忙しいとは感じませんでしたね。それくらい夢中だったのでしょう。インプラント治療の材料や技術は年々進歩していきますから、新しい知識を取り入れていく姿勢は今も変わりません。これまでの診療を振り返ると、一人でも多くの患者さんの歯を守りたいという思いで走り続けてきました。地域の皆さんの歯を守ることに、多少なりとも貢献できたのではないかという思いはありますね。
口の中の土台を整え、長持ちする治療を
治療の方針として、先生が特に重視されていることは何でしょうか。

私は、歯科治療のベースは歯周病治療だと考えています。昔は歯周病を放置したまま虫歯の治療だけを行うケースも少なくありませんでした。しかし、いくら虫歯を治しても歯周病で歯がグラグラになってしまっては意味がありません。わかりやすく言えば、農業をする時に畑をしっかり耕してから苗を植えるのと同じこと。まず口の中の土台をきちんと整えることが大切なのです。具体的には歯周ポケットを浅く保つための治療を丁寧に行い、歯周病の改善を図った上でかぶせ物をつけるなどの処置に進みます。この順序を飛ばしてしまうとかぶせ物も長持ちしませんから、ここは絶対に譲れません。虫歯治療であってもインプラント治療であっても、歯周病の管理を並行して進めるのが当院の基本姿勢です。
インプラント治療では、具体的にどのような点を大切にされていますか?
そもそもインプラント治療は、入れ歯が安定しない方や嘔吐反射があって入れ歯が入れられない方がしっかり噛めるように発展してきた治療です。最近では健康な隣の歯を削ってブリッジにしたくないという理由で選ばれる方も増えました。治療において最も大切なのは、歯科医師の技量と知識だと考えています。例えば骨が足りない方の場合、以前は「インプラント治療はできません」で終わっていました。しかし、現在は骨補填材という材料を用いて骨を造成し、その上でインプラント治療を行うことができます。また、歯を抜いた瞬間から骨は少しずつ吸収されていきますので、抜歯と同時にインプラントを入れて骨の減少を防ぐ方法も取り入れています。患者さん一人ひとりのお口の状態に合わせて適切な方法を選ぶことが、良い結果につながると思っています。
クリニックの強みはどんなところにあるとお考えでしょう。

治療計画を重視していることですね。痛いところだけを治すのではなく、その治療を長持ちさせるにはどうすれば良いかを考えた上で、口の中全体を見ながら計画を立てるのです。例えば、歯が1本抜けた方が相談に来られたとき、私はまず抜けた原因を探ります。原因が歯周病であれば、その1本だけの問題ではなく口の中全体に歯周病が広がっている可能性が高い。そこにインプラントを1本入れても、隣の歯がまた駄目になれば再びインプラントが必要になってしまいます。それよりも、残っている歯を守るほうがその方のためになる場合もあるのです。自分が手がけた治療を二度とやり直すことがない、それが私の理想でもあるので、一つ一つの治療に全力を注いでいます。
一生、自分の歯で食べていくために
定期検診やメンテナンスではどんなことを重視されていますか?

定期検診では、歯周病が進行していないかを前回の状態と比較しながら丁寧にチェックします。もう一つ欠かせないのが噛み合わせの確認です。噛み合わせに不具合があると、ご自身の歯はもちろんインプラントの寿命にも大きく影響しますから、見落とすわけにはいきません。歯ぎしりによるダメージは急に現れるものではなく、必ず前兆があります。その兆候の段階で手を打てば、歯を失うリスクを減らすことが期待できるので、定期検診が必要です。車に例えるなら2年に1回の車検を行うのと同じで、壊れてからでは手遅れになります。長年の臨床経験があるからこそ、この方は将来こうなるだろうという見通しを立てた上で先回りした対応ができる。それが定期検診を大切にしている理由です。
患者さんと接する際に、大切にされていることを教えてください。
私は患者さんへの説明で専門用語は使いません。歯周病治療の大切さや定期検診の意味をお伝えするときも、身近なものに例えてお話しするようにしています。そうすると皆さんすっと納得してくださるのです。スタッフも患者さんに対してとても丁寧に接してくれていますね。治療の前にはこれから行う内容をきちんと説明しますし、お体が不自由な方がいらっしゃれば診療台まで付き添って案内します。こうした対応は私が特別に指示したものではなく、ベテランのスタッフたちが長年の経験から自発的に続けてくれていることです。長く通ってくださっている患者さんとは顔なじみの関係ですので、ちょっとした変化にも気づきやすい。そうした人と人とのつながりが、当院の信頼の土台になっていると感じます。
最後に、読者へのメッセージをお願いいたします。

私が最も大切にしているのは、その方が一生自分の歯で食べていけるようにすることです。痛いところだけを治して終わりではなく、将来を見据えた治療をしっかり行いたいと考えています。ほかの歯科医院で治療が難しいと言われた方であっても、ぜひ一度ご相談いただきたいですね。私は難しいケースほどやりがいを感じますし、これまで培ってきた経験や技術を生かせる場面だと思っています。しばらく歯科医院から足が遠のいている方にも、ぜひお越しいただきたいです。口の中の状態を整えることで、毎日の食事をより楽しんでいただきたいと考えています。なるべく自分の歯でなんでも食べられる状態を保つこと、それが私の考える歯科治療の一番の目的です。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント治療/25万3000円~、骨造成/5万5000円~、ホワイトニング/2万2000円~

