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登倉 博子 院長の独自取材記事

ヒロコデンタルケア

(世田谷区/二子玉川駅)

最終更新日:2023/04/13

登倉博子院長 ヒロコデンタルケア main

二子玉川駅から徒歩5分、華やかににぎわうエリアから少し離れた通りにある「ヒロコデンタルケア」。院長の登倉博子先生が2006年に開業したクリニックだ。子どもから高齢者まで幅広い診療を行っており、すべての治療において咬み合わせや顎機能を考慮し、不調の原因を突き止めた上で治療計画を立てるのが同院の特徴だ。登倉院長は、自身が患者として歯を治療した経験をきっかけに、トラブルの原因となった咬み合わせ治療について探求を開始。 歯学の各分野を総合的につなげる歯科医療の発展に向けた活動も展開してきた。口腔機能、そして咬み合わせ治療の探求に情熱を注ぐ登倉先生に話を聞いた。

(取材日2022年6月27日)

全体からトラブルの原因を探る 

先生の診療方針についてお教えください。

登倉博子院長 ヒロコデンタルケア1

すべての治療に対し、一部位の現症や症状だけを見るのではなく、お口の中で起こるトラブルの原因を包括的に調べて再発を防止する原因療法や、未然に防ぐ予防に力を入れています。例えるなら、西洋医学のみならず東洋医学を融合させるイメージですね。お口の機能全体のどこに問題があり、なぜ症状が起きているのか。それを考えずに一部位のみ治し、また同様の症状と治療を繰り返す、という事態を望む人はいないと思います。お口の機能を考える上で欠かすことができない観点が「咬み合わせ機能」です。私は過去に治療後にトラブルに見舞われた経験があります。治療から数年後たって顎関節症や歯の破折や口の粘膜や舌などにトラブルが発生したのですが、その原因が咬み合わせでした。この出来事を機に「咬み合わせって何だろう」「口の機能、役割って何だろう」と疑問を抱き、歯科医師として、一患者として納得できる答えを求め、長年探求を続けて今日に至ります。

先生の咬み合わせ治療の考え方について教えてください。

上の歯と下の歯がカチッと咬み合い、きちんと食べ物を咬むことができる。このことはとても大切なことですが、それだけでなく「顎関節と上下の歯の位置関係や運動の調和」が重要だと私は考えています。一つの例が、睡眠中の歯ぎしりです。人は寝ている間に歯ぎしりをしていますので、歯にひびが入ったり割れたり、また歯を支える骨も破壊されたりすることがあります。歯にひびや破壊のある箇所は細菌が侵入しやすくなるため、虫歯や歯周病の原因にもなります。咬み合わせに問題がある場合、単に、壊れた歯や虫歯の修復治療や、歯周炎の治療を行っても、トラブルを繰り返すリスクがあります。そのことを認識していただき、できるだけ原因を探って取り除く治療をすることが大切だと思っています。睡眠中も顎関節や歯や骨に過剰な力の負荷がかからないバランスの良い咬み合わせ、お口本来の機能を取り戻すことをゴールとして日々の診療に取り組んでいます。

そもそも、咬み合わせが悪くなってしまう原因は何なのでしょうか。

咬み合わせは遺伝の要因ももちろんありますが、赤ちゃん時代から15歳くらいまでのお口の使い方がとても重要な要因となります。特に幼少期の姿勢や指しゃぶりなどの習癖、飲食の仕方の影響は大きいです。顎関節、骨、歯、舌、口唇、歯への力のかかり方は、歯列形成に強く影響します。顎の位置や形、歯並びは、おおむね15~16歳頃には決まってきます。当院では赤ちゃんの抱き方、哺乳瓶の選び方や飲ませ方、離乳食の与え方など、お口の筋肉を鍛える生活習慣をアドバイスしています。子どもたちの顎や歯が正しい位置にある状態に成長させてあげたいので、ぜひ赤ちゃん時代からご受診いただきたいです。早ければ早いほど、できるアプローチは多くなります。

クリニックの咬み合わせ治療の概要についてお聞かせください。

登倉博子院長 ヒロコデンタルケア2

まず専用の検査機器を使用し、お口やお口周辺の動きをチェックします。顔の骨格、咬み合わせの状態、顎の位置と上下左右の動き方、発音、歯ぎしりの状態なども診察します。咬み合わせは、ただカチカチ咬めればよし、というわけにはいきません。口唇、舌、歯、骨、顎関節などが機能的にバランスの取れていることが大切で、それに近づくようアプローチします。状態によって手段は異なり、マウスピースやワイヤー装置による矯正やCAD/CAM冠システムなどによる仮歯や補綴治療、またこれらを組み合わせるなど、さまざまな方法を用います。大人はすでにお口の成長が止まっているので、限界はありますが「本来あるべきところにできるだけ近づけること」が目標です。大人にとっては改善と維持ですが、子どもにとっては予防的な側面が大きく、定期的な観察の上でお口の適切な使い方を習慣づける生活指導を行い、必要に応じてより専門的な咬合誘導をご提案します。

行動原理は「探求心」

咬み合わせ治療に関心を持った時のことをお聞かせください。

登倉博子院長 ヒロコデンタルケア3

過去の治療経験の影響は大きいですね。歯学を問わずどの分野でも同じかと思いますが、治療方法にはさまざまな考え方があります。治療を受けていた学生時代の私は深い知識を持っていなかったため、勧められた治療をそのまま受け、数年後に治療した歯が壊れる、顎関節症になるなど、さまざまなトラブルが起こってしまいました。この時から、自分が納得できる治療の探求が始まり、それを追い求めて勉強を重ねました。たくさんの勉強会に参加し、いろんな先生の指導を受けても、なかなか納得できる治療方法には出会えませんでした。その末にようやく「自分が納得できるコンセプトと治療法」に出会い、それを発展させたものが当院の診療スタイルなんです。

先生のお考えについて、さまざまな方法で発信されているのですね。

子どもの頃の遊び方の影響だと思います。物語を読むだけじゃなく、物語を考えて作り出すことが大好きでした。物語を紡ぐように、歯学を学ぶ上でも、学びをヒントにほかの学びを発展させたり、アイデアを生み出したりしています。口腔機能を高めるための運動を患者さまに伝えるため、お口のオリジナルのストレッチや筋トレ体操などを考えて発信したりしています。情報は、SNSや手描きのイラストを添えたパンフレットなどを活用して発信しています。考えたり探求したりすることは楽しいですね。

抜歯を極力控える矯正も行っているそうですね。

登倉博子院長 ヒロコデンタルケア4

はい、口腔機能の向上を目的とした矯正を行っています。審美性に重きを置く矯正とはアプローチがかなり異なるかと思います。当院では、現状の顎関節・歯の3次元的位置、顎の運動路、咀嚼や飲み込み、発音などを調べた上で、機能的にマッチした咬み合わせができる顎の位置、歯列に近づけていく手法です。抜歯は極力控えます。というのも、顎の位置と歯並びを、機能にマッチした本来あるべき姿に近づけることで、抜歯をしなくても、自然と健康的で美しい口元をめざすことは十分可能だと考えているからです。

予防の大切さを伝えたい

先生はどんな時にお仕事の喜びを感じますか?

登倉博子院長 ヒロコデンタルケア5

患者さまに当院の治療コンセプトや予防法が伝わり、理解していただけたと感じた時はとてもうれしいです。「お口の機能、咬み合わせ機能は、お口の健康にとって大切であること、そしてお口の健康は全身の健康につながっている」ということを、クリニック内外で地道に伝えていきたいです。

先生のプライベートについてお聞かせください。

千葉県館山市の出身です。代々続く医師の家系に生まれ、自然に医療の道に進みました。学生時代は剣道に熱中していました。心身ともに剣道で培われたものは大きいと感じています。また、アウトドアが大好きです。子どもが小さいうちは頻繁にキャンプに行っていました。最近は歯科関係の仕事が忙しく、かつてのようには出かけられていませんが、また行きたいですね。

今後の目標をお聞かせください。

登倉博子院長 ヒロコデンタルケア6

日本人はトラブルの起こった歯の治療を受けているにもかかわらず、最終的に歯がなくなる国民であるというデータが出ています。お口の中には、自分では気づきにくいことがたくさんあります。症状がなくても、定期的に検診を受けていただき、継続して予防、管理をしていただきたいです。お子さんのお口の機能、咬み合わせ予防、虫歯予防は、生涯につながる大切な予防です。そして生涯にわたり、お口の機能、機能にマッチした咬み合わせは、「お口の健康にとっても全身の健康にとっても重要です。自分の探求が、少しでも社会に貢献できるよう、これからも探求を続けていこうと思います。患者さまのお口の健康維持のサポートができるよう精進しておりますので、赤ちゃんからご高齢の方まで、ご自身やご家族、お子さま方のご来院を心よりお待ちしております。

自由診療費用の目安

自由診療とは

歯列矯正/10万円~、マウスピース型装置を用いた矯正/10万円~、インプラント治療/30万円~、小児の咬合誘導/2万円~、セラミックの修復物/3万円~

※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。

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