神山 通孝 院長の独自取材記事
神山歯科医院
(府中市/府中駅)
最終更新日:2025/06/10

府中駅から徒歩7分、府中本町駅から徒歩8分と便利な立地にある「神山歯科医院」。先代である父から同院を引き継いだ神山通孝(こうやま・みちたか)院長は日本歯科大学を卒業後、日本歯科大学附属病院の総合診療科で9年間研鑽を積んできた。一般歯科のほか、入れ歯やセラミックなどの補綴治療を得意とし、「なかなか合わなくて」と長年悩みを抱える患者にも寄り添い診療を行う。対応している歯科医院が少ないという口腔アレルギー症候群にも対応している。現在も母校で講師も務める神山院長は、聞き出す力が巧みで話上手。「歯科医院に苦手意識がある人でも、お話しすると心を開いてくださる方が多いです」というのも納得の優しい雰囲気を持つ神山院長に、同院の歴史や診療のことなどを語ってもらった。
(取材日2025年4月14日)
歴史の長い歯科医院を進化させる3代目院長
こちらは、半世紀以上の歴史がある歯科医院と伺いました。

当院は私の祖父が戦後すぐに開業したと聞いています。曾祖父の代は助産院をしていたそうです。ですので、開業してから70年近くたっているでしょうか。その後、父が引き継いで院長となり、私もその診療ノウハウを学びたいと思い、2016年よりこちらでの勤務を始めました。一昨年、父が亡くなり、私が当院を継承して診療の全般を担っています。私は生まれてから結婚するまで30年以上この土地で過ごし、この辺りには親しみがあります。これからも地域に寄り添いながら診療を続けていきたいと思います。
先生が歯科医師をめざされたきっかけや、これまでのご経歴を教えてください。
歯科医師である父が、患者さんに感謝されているのを間近で見ていて、その姿には憧れていたのですが、一方で、教えることが好きだったので教師になりたいという夢もありました。大学に進む時にも悩み、卒業後に大学に残って学生に教えることもできるかな、と考え歯学部に進むことにしたのです。2006年に日本歯科大学を卒業し、研修医期間を終えた後は、日本歯科大学附属病院の総合診療科に勤務しました。総合診療科は幅広い診療を行う科ですから、おのずとさまざまな治療の経験を積むことができました。中でも補綴診療のチームに入り、入れ歯などの補綴治療や保存修復の治療を専門としてきました。2016年から当院での勤務を始めましたが、現在も臨床講師という立場で、大学で学生たちに保存診療について教え、実習も指導をしています。また、父の弟が国分寺で同じ名前の歯科医院を開業していて、そこに手伝いに行くこともあります。
現在はどのような診療に対応していますか?

一般歯科をはじめ、予防歯科、入れ歯治療、セラミック治療など幅広いご相談に対応しています。特に入れ歯治療は得意としている分野でもあり、「使っている入れ歯が合わない」といったご相談にいらっしゃる患者さんもいます。同様に、専門である保存修復の経験を生かし、虫歯で欠損した部分の修復も行います。前歯などの目立つ場所の治療もぜひご相談ください。ただ、修復するにしても結局はプラークコントロールが大切になります。当院では、父の代から予防歯科を重視しています。そういった歴史もあって、歯科衛生士による歯磨き指導も丁寧に行っています。
長く使える入れ歯にするためにはアフターケアが重要
予防に意識を向けている患者さんが多いのですね。

父は本当に厳しくて(笑)、「磨けていなかったら治療しない」というスタンスでしたので、長く通われている患者さんもわかっているようです。もちろん現在は優しく伝えていますので、ご安心ください。歯磨き指導では、年齢とともに歯茎が下がって磨きにくい部分が出てきますから、歯ブラシと補助器具の併用も勧めています。歯間ブラシを使っている方も、サイズが合っておらず、ただ通しているだけというケースもありますので、磨き方を振り返りながら、適切な器具の提案もしています。引き継いですぐはご年配の方が多かったのですが、夜9時まで診療していることもあってか、今は30~60代の方々や、そのお子さん世代も増えました。歯の磨き方も含めて、子どもたちのこれからの予防に関してもサポートしていきたいと思っています。
先生が得意とする入れ歯治療を行う上で、大切にしていることは?
入れ歯はアフターケアが重要で、それを患者さんにご理解いただくことをまず大切にしています。入れ歯が合わないという方は、作ったきり歯科医院に行っていなかったり、歯科医師から説明がなかったりするケースが多いんです。入れ歯は、人それぞれ力の入れ具合によって当たりどころが異なり、食事、会話、飲み込みという生活の中での動作を受け、長く使えるように微調整をしていきます。つまり、一度も微調整をしていないと、痛みや噛みにくさなどの不具合が出てしまうのです。アフターケアが必要なことを知らない患者さんがとても多く、当院では患者さんの協力を得られるようにきちんと説明をして、アフターケアに来ていただいています。
入れ歯治療に注力するようになったのには、何かきっかけがあったのでしょうか?

当院で力を入れるようになったのは、引き継いだ際にご高齢の方が多かったからなのですが、もともとは大学で勤務していた時に、入れ歯を得意とする歯科医師が少なかったことがきっかけです。入れ歯は他の治療に比べ、歯茎や舌、口周りの機能など考慮するところが多岐にわたるため、難しい分野です。幅広い治療に対応する総合診療科に籍を置いていましたので、そんな入れ歯治療を依頼されることが多く、その結果、たくさんの経験を積んで得意分野となりました。今でも難しいと感じる部分はありますが、日々頑張って診療にあたっています。
丁寧な対話で、歯科医院が苦手な人も長く通える場所に
口腔内の金属アレルギーの診察も行うと伺いました。

はい、口腔内の金属アレルギーというのは、体が詰め物などに使った金属に反応してしまい、口の中だけでなく、手足などの皮膚に症状を引き起こすものです。自分で「金属アレルギーではないか?」と思って、可能性だけで金属をセラミックに替えてしまう方もいるのですが、検査してみると金属アレルギーではない場合も案外多いのです。アレルギーの詳細な検査は大学病院に紹介させていただくことになります。なぜ大学病院での検査を紹介するかというと、接着に使うレジンなどを含め、歯科で使う材料にまで考慮した項目の検査ができるからなんです。結果が出るのに1週間くらいかかるものもあります。長引く口腔内の症状や、口の中だけでなく、手足や首などの皮膚症状が続いている場合は、受診していただきたいです。
クリニックのリニューアルも考えられているそうですね。
まずは機器類を新しくして、より快適に診療できるようにしたいですね。診査診断の助けになる機器を増やしていけたらと思っていますが、オーラルフレイルという口腔機能低下の診断ができる機械も導入したいですね。当院で力を入れる義歯も口腔機能の向上に有用な治療法ですが、新しい機械での診断も取り入れて、よりわかりやすく精密に診療が提供できるようにしたいと考えています。父が亡くなってから落ち着く暇がなかったのですが、やっといろいろと考えらえるようになりましたので、今年中にも取りかかれたらと思います。
最後に読者へのメッセージをお願いします。

夜遅くまで診療しているため、仕事が終わりの方や、時間がなかなか合わずに歯科医院に行けてなかった方など、働き盛り世代の受診が増えました。当院の雰囲気を落ち着くと言ってくださる方も多く、そういった良さを生かしながら、患者さんに長く関わっていける歯科医院になっていきたいと思っています。感謝のお言葉をいただけると、この道を選んで良かったなと感じます。きちんと治療をして、予防歯科にも取り組めるように、スタッフとも協力して患者さんとコミュニケーションを取っています。非常勤の女性歯科医師も、現在週3日勤務しています。歯科医院に苦手意識がある人でも、お話しすると心を開いてくださる方が多いですし、しっかり治療するための技術も持っていると自負していますので、怖がらずに一度門をたたいてみてください。
自由診療費用の目安
自由診療とはジルコニアクラウン/8万5000円~、ジルコニア前歯/9万円~、セラミックインレー/5万5000円~、ジルコニアインレー/6万5000円~、ノンクラスプデンチャー/20万円~(種類や歯数によって異なる)