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鎌田 啓太 副院長の独自取材記事

鎌田歯科医院

(横須賀市/京急久里浜駅)

最終更新日:2024/04/18

鎌田啓太副院長 鎌田歯科医院 main

京急久里浜駅から徒歩約5分の場所にある、明るいグリーンの案内板が目印の「鎌田歯科医院」。1981年の開業後、1985年に久里浜5丁目に場所を移し、35年間診療を行った後、2021年8月に現在の場所に移転開院した。現在は鎌田幸子院長と、息子である鎌田啓太副院長の2人体制で、地域への貢献をめざしている。開業以来大切にしているのは、患者との会話を重視する診療スタイル。人と人との関係性を重視する一方で、今後に向けて先進の情報をキャッチしながらデジタル化も図っているという。取材では、同院の特徴や2人の役割、患者への思いなどについて詳しく聞いた。

(取材日2024年3月21日)

患者が抱える悩みを自分事として捉えて解決をめざす

初めに、こちらの歯科医院についてご紹介ください。

鎌田啓太副院長 鎌田歯科医院1

当院の開院は1981年で、2021年8月にこの地に移転しました。現在、診察は主に私が担当しています。歯科医院を運営するには、患者さんとの円滑なコミュニケーションが大切です。現在その大役を担うのが、長年にわたりこの地域の患者さんと接してきた院長です。院長と旧知の患者さんが来院された際は、会話が盛り上がっている様子がよく見られますね。当院で大切にしていることの一つは、患者さんと歯科医院側で齟齬が生じないよう、共通の認識を持つことです。そのため、多くの場合、初診では検査を行ってから患者さんのお話を丁寧にお聞きして、ご要望を細かく確認することをメインにしています。そして、緊急対応を要する場合を除いて、通常は2回目から治療を開始します。なので、「一回目に治療を終わらせてほしい」という方には向いていないかもしれません。

現在の患者層や、患者さんと接する際に大切にされていることについてもお聞かせください。

ご高齢の方を中心に、患者さんの多くが家族ぐるみで当院を利用してくれています。近くに幼稚園があるので「子どもを診てほしい」と親御さんが連れてくることもあれば、その逆のこともあります。老若男女を問わず患者さんと接する際に常に心がけているのは、患者さんが抱えるお悩みを自分事として捉えることです。また、当院で治療を完結するべきか、あるいは別の医療機関の力を借りて対応するべきかを見極めることも大事にしています。当院は、必要に応じて横須賀共済病院などと連携を行っています。持病の治療との兼ね合いなどで歯科医院の受診を躊躇されている方も、安心してご来院いただければと思っています。

これまでの勤務経験は、どのように現在の診療に生かされていますか?

鎌田啓太副院長 鎌田歯科医院2

私は大学卒業後、杏林大学医学部付属病院に勤務したのですが、当時の患者さんから「自分にとって望ましい治療内容を具体的に提示してほしい」と言われたことがあります。それだけでなく、「自分はこういう状態になりたい」と率直な思いを伝えてくれる患者さんも多くいらっしゃいました。そのような患者さんの声から学びを得て、独自のスタイルを構築したのです。具体的には、最初に検査を行うとともに、患者さんのご要望をヒアリングします。そして、その情報から治療メニュー表を作成し、それをもとに患者さんと検討を重ねて、治療内容を決定するという流れです。患者さんに後悔していただきたくないので、患者さんに納得して治療を選択していただきたいと思っていますし、今でもそのスタイルを継続していますね。ですから、メニュー表を作成するためのヒアリングと検査を重要視しています。

患者との会話を大切に、心が通じ合える関係性を築く

クリニックで何か工夫されていることはありますか。

鎌田啓太副院長 鎌田歯科医院3

一つは診療時間です。平日のうち2日は9時から17時、もう2日は9時から18時の時間帯で診療を行っています。昨今、忙しい方でも通院しやすいようにと休診日なしや21時までの診療を行う歯科医院も増えていますが、当院では、私たちが患者さんに無理なく適切な治療を提供できる時間帯に設定しました。理由は、私が一つ一つの診療を丁寧に遂行できる時間帯であること。また、遅い時間に外科的処置を行うと、帰宅後の夜間や深夜にトラブルが生じた際、救急病院に対応を求めることになりますが、当院ではトラブル時においても、責任あるフォローを行いたいと思っているためです。さらに、スタッフに心地良く勤務してもらうためには、プライベートな時間を確保してもらうことが大切だと考えました。これは、患者さんへの温かで思いやりのあるコミュニケーションにもつながると考えています。

現在力を入れていることを教えてください。

難易度の高い症例を扱う歯科医院にとって、総合病院との緊密な連携はとても重要です。当院は横須賀共済病院との連携が取れる環境にあり、患者さんに適切な医療を提供できるところも強みと言えるのではないでしょうか。例えば、長年骨粗しょう症のお薬を服薬する患者さんの中には、歯科治療後になかなか炎症が治まらないケースも。そうした症例の場合は、必要に応じて同病院の歯科口腔外科と連携を図ります。現在、私は毎週木曜は同病院へ出向き、さまざまな医療現場に立ち会わせてもらいながら、さらなる研鑽を積むよう努めております。こういった経験がクリニックの診療につながるので、今後も近隣の病院との密な関係性を強化していきたいですね。

診察を行う際、大切にしているのはどのようなことでしょうか。

鎌田啓太副院長 鎌田歯科医院4

大学病院時代は患者さんの話にゆっくり耳を傾けることができませんでした。けれど、当院で診療を行うようになり、歯科医師の仕事は患者さんの人生に介入させてもらうことだと気づいたんです。ですので、十分な会話を大切にしながら診療しております。むしろ雑談ばかりしているかもしれないですね。幸子院長からは、「患者さんを身内と思い接してほしい」と言われており、できるだけ心が通じ合える関係性を築けるよう心がけています。幸子院長は、治療前に患者さんと世間話でよく盛り上がっている姿が印象的で、きっと歯科医師を趣味の一部のように捉えているんだと思います。この会話があるからこそ、患者さんの本当の悩みや求める治療を齟齬なく理解できると考えています。自分ももう「ただ治療して、はい終わり」といったこなすような診療はできなくなってしまいましたね。地域に密着した歯科医院として、このスタンスは今後も大切にしていきたいです。

デジタル化を推進し、新たな形へアップデートを図る

患者さんに何かお伝えしたいことはありますか?

鎌田啓太副院長 鎌田歯科医院5

当院では、患者さんにご満足いただけるよう、精度の高い治療を実現するために精進しております。患者さんと相互理解を図るために必要なのは、患者さんに私の説明を理解していただき、ご自身の口腔状態を適切に把握いただくこと。それを実現するにはデジタル機器の活用が不可欠であると感じ、口腔内カメラと顕微鏡の機能を備えるデジタルマイクロスコープを導入しています。また、歯科用CTを併用することで、患者さんにわかりやすく状況をお伝えできるようになりました。一方で、院内のデジタル化を進めたことにより、説明に要する時間が増加しました。これが一因で、現在予約を入れにくい状況が続いており、患者さんにご迷惑をおかけしていることを心苦しく感じています。今後はその改善を図りたいと考えています。

他に患者さんに知っておいてほしいことはありますか。

医療機関として歯科だけが医科から独立していますが、歯や歯茎も体の一部ですから、本来は口腔内と体の関係性を意識した治療が必要です。例えば、口腔内の状態と糖尿病の因果関係です。歯科医師と内科医師の連携が進められているというニュースを、耳にされた方もいらっしゃるのではないでしょうか。また、歯科における外科的治療部位が副鼻腔に近いことから、耳鼻咽喉科との情報共有も注目されるところです。そういった関係から、患者さんにも歯を体の一部として総合的に捉えてもらうのが良いのかなと思っています。

最後に、今後の展望についてお聞きします。

鎌田啓太副院長 鎌田歯科医院6

当院は、「か強診(かかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所)」の基準を満たす歯科医院です。今後「か強診」の基準は改定される予定ですが、当院も新たな基準に従ってアップデートを続ける所存です。当院は開業以来、患者さんとの会話を重視するスタイルを貫いています。この昭和の良き時代をほうふつとさせる要素を残しつつ、デジタル化も適宜進めていきたいですね。めざすところは、これまでの当院の良さを現代版にアレンジした半デジタル化状態です。いずれにおいても、患者さんの歯をできるだけ長く残し、ご自分の歯で食べることを楽しめる口腔環境づくりに尽力してまいります。

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