杉山 義祥 理事長、杉山 功祐 院長の独自取材記事
杉山歯科医院
(横須賀市/馬堀海岸駅)
最終更新日:2026/04/09
1979年に開業した「杉山歯科医院」は口腔と全身の健康の関係性に早くから着目。「『生かす医療から 生きる医療へ』最後まで自分のお口で食べよう。」の診療方針のもと、将来も自分の歯で噛めるように歯周病治療や予防歯科に力を入れる。歯周病安定期治療(SPT)にも取り組んでおり、「日本の平均寿命と健康寿命の差がもっと縮まるよう歯科の立場から貢献したい」と理事長の杉山義祥(よしあき)先生は話す。また、院長の杉山功祐(こうすけ)先生は「最期まで食事をおいしく食べられて、いい人生だったと思ってほしい」とQOLの向上にも努めている。同院の特徴や地域医療の取り組み、スポーツ歯科などについて詳しく聞いた。
(取材日2025年11月11日)
「生かす医療から 生きる医療へ」健康寿命延伸を重視
クリニックの診療方針について教えてください。

【義祥理事長】日本人の平均寿命は世界でもトップですが、健康寿命と平均寿命には大きな開きがあります。この健康寿命の延伸に歯科の立場から貢献したいと考え、「『生かす医療から 生きる医療へ』最後まで自分のお口で食べよう。」を診療方針としています。自分の口で最後まで食事ができることは全身の健康につながると思いますし、そのために当院では歯周病や予防歯科を中心に、現在は歯周病安定期治療にも力を入れています。
【功祐院長】以前から父は「口の中から全身の健康を診るのが当たり前の時代が来る」との考えを持っていました。私もそれを引き継いで、噛み合わせと姿勢の関係、口腔機能の衰えが「フレイル」と呼ばれる全身の虚弱に及ぼす影響などを考慮して診療にあたっています。
歯科医療を通じた全身の健康への貢献も目標なのですね。
【義祥理事長】口腔内の筋力低下などで口腔機能が衰えると、食環境の悪化や生活機能の障害などが起きやすくなるといわれています。反対にしっかり噛むことは脳に良い刺激を与え、認知症や物忘れの予防にもつながるとされ、全身の健康を支えてくれると考えられています。そのため当院では、舌の運動能力、口腔内の水分量や骨密度などのチェックも取り入れ、口腔機能だけでなく運動機能の低下の早期発見や防止に役立てています。
【功祐院長】当院が高齢の患者さん向けに「元気で長生きの会」というグループ活動を主催し、運動の機会を提供しているのも、口の中と全身の健康との関連を重視しているからです。安全に運動できるよう、2025年に当院と隣接する体育館も開設しました。
睡眠時無呼吸症候群の簡易検査も可能だと伺いました。

【義祥理事長】睡眠時無呼吸症候群では睡眠の質が低下し、睡眠時間は長くても体がしっかり休めず、睡眠不足の状態が続きます。そのため日中に突然眠気に襲われたり、車の運転や仕事など私生活に支障が出たりするのです。治療には呼吸器内科の受診が必要ですが、当院でもご自宅でできる簡易検査は実施可能です。検査で睡眠時無呼吸症候群が疑われた方は適切な医療機関と連携して対応を進めます。
【功祐院長】睡眠時無呼吸症候群は糖尿病のような生活習慣病、脳卒中や心筋梗塞などのリスクが高まるとされています。口腔内を診て疑わしい方には呼吸器内科を紹介します。ご家族から大きないびき、呼吸の乱れなどを心配された方は一度ご相談ください。
予防とメンテナンス重視の治療で地域の健康を支える
注力されている歯周病安定期治療とはどんな治療ですか。

【功祐院長】定期検診やメンテナンス治療の考え方をもう一歩進め、定期的に行う歯周病治療を意味します。虫歯や歯周病の治療を終えた患者さんが対象で、保険適用となりました。患者さん自身の歯を多く残すために有用だと考え、当院でも力を入れています。歯周病安定期治療のために、個室のユニット1台と半個室のユニット2台、特殊な微粒子でクリーニングを行える医療機器を用意しました。継続して受けていただくことで、口腔内の良好な状態を長期間維持することが期待でき、それによって全身の健康につなげたいと考えています。長く当院に通い続けてくださる患者さんが多いことから、当院では少しの変化にも早く気づけるよう歯科衛生士が担当制で患者さんを受け持ち、定期的に管理するメンテナンスを中心にしています。
スポーツ用マウスガードやナイトガードの作製にも対応されています。
【義祥理事長】スポーツ用マウスガードは、歯や顎、頭蓋骨、脳などへの外傷の予防につながるだけでなく、噛み合わせの安定にもつながり、ひいては筋力、平衡感覚に好影響を与える可能性が期待できると考えています。一方、就寝時に装着するナイトガードは、歯ぎしりや食いしばりから歯を守るためのものです。ストレスなどからくる食いしばりや歯ぎしりは、歯を損傷させるだけでなく、睡眠の質を下げることにつながることから、当院では素材を工夫し、眠りを妨げず適切に噛みしめることができるよう適度な硬さのナイトガードの作製に努めています。痛みの改善を図ることが、ひいては睡眠・生活の質の向上にもつながると考えています。
訪問診療にはどのように取り組まれていますか。

【義祥理事長】当院に定期検診で通ってくださる高齢の患者さんは多いのですが、年齢や病気によって通院が難しくなった時には、私が患者さんのもとに出向いています。長年お付き合いしてきた患者さんなので、私が行くだけできっと喜んでくれると思うんです。訪問診療でも、歯科医院で行うのと同じような治療が行える設備を用意していますので、安心して治療を受けていただきたいですね。
【功祐院長】歯に口腔ケアが行き届かないと、食べる物が限られて食事もあまり楽しめなくなります。さらに孤食の問題も加わって、食べる意欲自体も低下してしまうと十分な栄養が摂取できずにフレイルへと進んでしまいます。訪問診療はそうした状況の予防や改善にもつながると考えています。
心の通う診療で地域に恩返し
2023年に院長を継承した感想をお聞かせください。

【功祐院長】私は子どもの頃から大勢の患者さんに感謝される父の背中を見て育ち、早くから歯科医師をめざしていました。歯科は口の中を診るミクロな視点が重要視されがちですが、父は患者さんを診る時、まず患者さんの顔を診て、姿勢や全身の様子を診て、口の中を診るというマクロの視点とミクロの視点を持って治療に臨んでいます。これまで父が培ってきた知見や歯科医療を学びつつも、何か一つ父を超えられるものを身につけられればと、日々研鑽を重ねています。
【義祥理事長】私も歯科医師になって40年以上たち、進歩の早い歯科の世界では功祐先生のほうが詳しい分野もあって、力を借りる場面が増えたことで院長を譲ろうと決めました。功祐先生は学生時代から週に1度は当院で診療し、院長就任後も当院のモットーをしっかり受け継いでもらえました。
診療の際に心がけていることを教えてください。
【功祐院長】大学では細菌に感染した神経をマイクロスコープで精密に除去する根管治療が専門の科に所属していましたが、神経を除去すると歯が弱くなる可能性は否めません。そのため当院では神経を抜かずに温存するための治療法をご提案し、さらに治療が必要なときに根管治療を検討するようにしています。大学病院では、すでに症状が深刻になった方を見てきました。当院で定期検診に取り組み、予防や早期発見に力を入れることで、神経を抜くことが必要な状態にさせないように力を尽くしています。また原因不明の不調が歯ぎしりや食いしばりによるケースもあるため、患者さん一人ひとりの話をよく聞き、何にお困りなのか主訴を見極めて、問題改善に向けてその方に合ったご提案するよう心がけています。
地域の皆さんにメッセージをお願いします。

【功祐院長】当院を受診されている患者さんに「最期まで好きな物を食べられて、いい人生だった」と思っていただくことが目標です。歯科医療を通じて皆さんの健康をサポートし、地域に恩返しができればと思っていますので、ご自身では些細なことと思われても遠慮なくご相談ください。
【義祥理事長】当院では、「『生かす医療から 生きる医療へ』最後まで自分のお口で食べよう。」という思いのもと、お口の健康を通じて、患者さんにより豊かで、より質の高い生活を提供できればと考えています。親子2代で多角的、かつ長期的に地域の皆さんの健康を口腔内から守っていきたいですね。これからも地域の皆さんの健康づくりをサポートできるよう、院長やスタッフとともに信頼される歯科医院づくりに努めてまいります。
自由診療費用の目安
自由診療とはエアフローを用いたクリーニング/3850円、スポーツ用マウスガード作製/1万2100円~(子ども6600円~)、マイクロスコープを用いた根管治療(1回につき)/1210円、ホワイトニング/2万6620円~、インプラント治療/33万円~

