野口聖一院長の独自取材記事

のぐちデンタルクリニック

(川崎市宮前区／宮崎台駅)

最終更新日：2021/10/12

宮崎台駅から徒歩2分に位置する「のぐちデンタルクリニック」。20年ほど藤が丘で歯科医院を営んでいた野口聖一院長が、2021年に移転開業したばかりのクリニックだ。小児歯科、歯周病診療、審美歯科まで幅広く対応する同院は、スーパーや幼稚園にはさまれたスポーツクラブの入るビルの1階にあり、院内はバリアフリーでキッズルームも備える。スポーツを楽しむ人に対して、口腔内の保護に役立つマウスガードを作製したり、審美面に配慮した入れ歯の作製を行ったりするなど、患者のニーズに積極的に応えている。幅広い世代の歯の健康を支える地域のかかりつけ医をめざす野口院長にさまざまな話を聞いた。

（取材日2021年6月23日）

宮崎台駅前で開業。新たなスタートを切ったばかり
マウスガード作製や小児歯科で多様なニーズに応える
一生歯の健康を守るためオールラウンドな治療を提供

宮崎台駅前で開業。新たなスタートを切ったばかり

もともと歯科医師を志された理由は何だったのでしょうか？

実は、高校時代は薬剤師になりたいと思っていました。自分の性格から考えて会社員は向いていないような気がしたので（笑）、薬剤師の国家資格を得て手に職をつけて独立したいと考えていました。ところが、大学受験の時、第一志望は薬学部ではなく念のため受験した歯学部しか合格できなかったので、気持ちを切り替えて歯学部に進みました。でも今となっては自分に向いている仕事と感じることが多く、良かったと思っています。

藤が丘から宮崎台へと移転されましたが、こちらの印象はいかがでしょうか？

移転先となった新築ビルと、ビルの隣にある幼稚園はともに親族が経営していますので、もともと私にとって宮崎台は親しみがある地域でした。その幼稚園でも以前から歯科検診を担当していた縁もあり、建物の建て直しという良いタイミングで、移転を決めました。当院の周辺で言えば、藤が丘より宮崎台のほうが人の流れが活発な印象を持っています。藤が丘は高校時代から住んでいたいわば地元でしたので、友人や古くから知っている方が多く、長く住んでいる方も多い場所でした。また健康に対する意識が高く、定期検診やメンテナンスに来られる方も多かったです。一方、宮崎台は若い世代や、小さな子どもたちも多いなと感じています。お子さんを連れて来られるご家族など、今後、広い世代の方に利用していただきたいと思っているところです。

移転前の患者さんも通われているそうですね。

ありがたいことに、継続して通っていただいている患者さんもおられますね。ここは宮崎台駅に近いだけでなく、ビルの1階なので、通っていただく立地としても便利なのではと感じています。

特に力を注いでいる診療分野についてお聞かせください。

できるだけ患者さん自身の歯を残す治療をしたいので、特に入れ歯やブリッジなどの技術を用いて、失った歯の機能を取り戻すための補綴歯科と、歯周病の予防に注力しています。現在は歯周病で歯を失うケースが増えてきましたので、おのずと歯周病の予防や治療に力を入れるようになりました。また、歯を失った方の入れ歯治療にも注力しています。特に女性患者さんからは、金具の見えにくい入れ歯のニーズが高いですね。なかなか入れ歯が合わないと悩む方に喜んでいただけることが、やりがいにもつながっています。

マウスガード作製や小児歯科で多様なニーズに応える

マウスガードの作製も行っているそうですね。

歯の噛み合わせは、スポーツ時のパフォーマンスにも大きく影響を与えることが知られています。誰でも重い荷物を持ち上げたりする時に、奥歯をグッと噛み締めるという経験があると思いますが、噛み合わせのバランスが悪いと、力を発揮できないことがあります。そういった場合に、マウスガードがサポート役として有用なのです。マウスガードは市販品もありますが、専門知識を持った歯科医師が作るマウスガードは、精密に型を採って作る、一人ひとりに合わせたオリジナルのものなので、着け心地も使用感も違うと思います。またマウスガード作製時には、口腔衛生の検診や歯の治療も併せて行うので、健康管理にも役立つんですよ。

小児歯科ではどのような点を重視されていますか？

お子さんが慣れるまでは様子を見て、嫌がる治療を無理に行わないようにしています。歯科嫌いにさせてしまっては、元も子もありませんからね。自分の子どものように接することを心がけています。幼稚園の嘱託歯科医も引き受けていますが、予防が行き届き、子どもの虫歯は本当に少なくなりました。その一方、噛み合わせや歯並びの悪さは目立つ印象ですね。当院でも移転前からお付き合いのある矯正専門の歯科医師をご紹介し、連携しながら診ていくことができます。お子さんの歯並びに不安を抱く親御さんも多いので、今後は小児歯科の治療に厚みを持たせていこうと考えているところです。

小児歯科以外でも、患者さんと接するときに心がけていることはありますか？

患者さんのお話や要望されることをよく聞き、一方的に治療を押しつけるようなことはせず、選択肢を提示することですね。事前にインターネットなどで知識をつけてこられる患者さんも増えてきたので、治療のご説明の仕方などはケースバイケースですが、患者さんと一緒に最善の治療法を見つけていきたいと考えています。そして、長い目で将来を見据えた治療を行うことで、できる限り歯を抜いたり削ったりせずに済む方法をご提案しています。

今、歯科医師として気になる傾向などはありますか？

高齢化の中で、口腔機能の低下、オーラルフレイルが注目されています。定期的にメンテナンスに来られる方やしっかり噛んで食べられる方は年を取ってもお元気な方が多いように感じます。オーラルフレイル予防のために、お口の手入れや口腔ケアは重要です。歯周病が進み、歯がグラグラ動き始めてから「もっとちゃんと歯の手入れをしておけばよかった」と後悔される方が多くいます。定期的な通院は大変ですが、ぜひ将来のために来ていただきたいですね。それがご本人はもちろん、ご家族のためでもあり、医療費の軽減にもつながると思います。

一生歯の健康を守るためオールラウンドな治療を提供

プライベートではどのように過ごされていますか？

仕事場はオン、自宅はオフの状態ですが、自宅には家族もいるので、唯一、完全に一人になる時間が取れるのは行き帰りの車の中です。一番のリラックスタイムですね。いろいろなことを考えながら、自分のスイッチのオンとオフを意識的に切り替えています。また、藤が丘での開業時に小さかった子どもも、受験を控える高校生となりました。いずれ後を継いでくれたらいいなと密かに思いながら、父親として背中を見せるために気を引き締めようと思っているところです。

今後の展望についてお聞かせください。

まだ移転開業したばかりなので、オールラウンドに、患者さんそれぞれの要望に適した治療をご提供できるよう治療の幅を広げていきたいですね。特に患者さんの中でも子どもが多いので、いずれは近隣の矯正歯科との連携も視野に入れています。またマウスガード作製などは、上階にあるスポーツクラブとの連携も念頭に置き、近隣の大学の先生とのつながりも大切にして、積み重ねてきたものを生かしていきたいと考えています。いずれにしても、患者さん一人ひとりにじっくりと時間をかけた丁寧な診療をしたいと思っています。

歯の健康を保つためのアドバイスをお願いします。

毎食後のブラッシングが理想的ですが、1日3回はなかなか難しいですよね。でも1日1回だけでも、重点的にデンタルフロスや歯間ブラシを使った丁寧なブラッシングをしていただくと、虫歯や歯周病になるリスクが下がるでしょう。お子さんの歯も1日1回はチェックをして仕上げ磨きをしてください。また、日常的に口呼吸をしているお子さんは、口腔内の乾燥で虫歯のリスクが高まりやすく、その他の病気を招く要因になり得るともいわれています。お子さんが口呼吸をしていないか、気をつけてみてください。

最後に読者へのメッセージをお願いします。

今後はさらに患者さんから頂くさまざまなニーズに合わせて柔軟に治療を行っていきたいと考えています。今は子どもの患者さんが多いのですが、一生にわたる歯の健康という視点で考えると、親御さんにあたる30代40代は大事な時期です。最低でも半年に一度受診いただくと、将来、後悔しなくて済むと思います。仕事や子育てに忙しい年代ですが、実は歯の健康を守るために大切な時期だと意識してください。お子さんと一緒にご自分のケアもしていただけるよう、一緒に予約を取って来院していただきたいですね。