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染谷 貴志 院長の独自取材記事

そめや内科クリニック

(川崎市高津区/梶が谷駅)

最終更新日:2026/06/05

染谷貴志院長 そめや内科クリニック main

川崎市高津区で20年にわたり地域医療を支えてきた「そめや内科クリニック」。風邪や生活習慣病などの内科診療、専門性を生かした肝臓疾患の診療、さらには訪問診療まで、幅広く対応している。近年は「最期まで責任を持って患者を診たい」という想いから、24時間365日体制の訪問診療にも注力。地域のクリニック同士が連携しながら患者を支える仕組みづくりにも取り組んでいる。診療だけでなく、スタッフが働きやすい環境整備や医療DX、予防医療の発信にも力を入れる染谷貴志院長に、2006年の開院から21年目を迎えた今の想いを聞いた。

(取材日2026年5月18日)

最期まで責任を持って患者と向き合いたい

開院20年の節目を迎えられました。現在、特に力を入れていることを教えてください。

染谷貴志院長 そめや内科クリニック1

20年たっても、診療の根本的な考え方はあまり変わっていません。ただ、この数年で大きく変わったのは訪問診療を本格的に始めたことですね。現在は一般居宅の患者さんを中心に、24時間365日体制で診ています。長年外来に通ってくださっていた患者さんが、高齢や病気で通院できなくなった際に、訪問診療の専門クリニックへ切り替えることに、以前から少し違和感があったんです。ずっと診てきた患者さんだからこそ、最期まで責任を持って診たい。その想いが一番大きかったですね。一方で、訪問診療は外来とは制度も運営も異なり、地域のクリニックにとってはハードルが高い分野でもあります。そこで、自院だけで完結するのではなく、地域の先生方とも連携しながら体制を整えていきました。以前から交流のあった訪問診療が専門の医師にも相談し、地域全体で支えられる仕組みづくりを進めてきました。

訪問診療に取り組む背景には、海外でのご経験もあったそうですね。

訪問診療を専門にされている先生方と一緒に、カンボジアで医療支援活動に参加したことがありました。医療が十分に行き届いていない地域の学校などに赴いた際、病気が見つかっても、治療費を工面するために家の牛を売らなければいけないような現実を目の当たりにしたんです。その経験は、自分の中でかなり大きかったですね。そこで出会った先生方と親しくなり、日本に戻ってからも訪問診療について相談できる関係が続きました。さらに事務長も加わり、クリニックとしてのマンパワーも整ってきたことで、地域のクリニックが無理なく訪問診療に関わることができる仕組みをつくれないか、と考えるようになったんです。実際、地域のクリニックの先生方が当院の非常勤医師として参加し、それまで外来で診ていた患者さんをそのまま訪問診療でも支える体制が形になってきました。こういったプラットフォームができたことは大きな成果です。

そもそも、開業を決意された理由は何だったのでしょうか。

染谷貴志院長 そめや内科クリニック2

勤務医時代は、虎の門病院で肝臓疾患を中心に診療していました。さまざまな症例や知見が集まる環境で、とてもやりがいがありましたね。ただ、自分が医師として本当に取り組みたかったのは、患者さん自身との関わりだったんです。母校の大学では「病気ではなく人を診なさい」と教わってきました。ところが専門性を深めていくと、他の科目についてのスキルは上がる機会が減ります。もちろん専門医療は大事ですが、一般診療のスキルがしっかりあるうちに地域へ出たいと思いました。開業後は、風邪から生活習慣病まで幅広く診る一方で、肝臓疾患については専門性も維持してきました。地域のかかりつけ医でありながら、必要に応じて専門的な相談にも応えられる存在でありたいと思っています。

診療と環境のアップデートで、患者が来やすい医院へ

日々の診療で、先生が大切にしていることを教えてください。

染谷貴志院長 そめや内科クリニック3

患者さんが理解できる言葉で説明することですね。医療用語をそのまま使っても、患者さんには伝わりにくいことが多いですから。また「帯状疱疹ワクチンは打ったほうがいいですか?」「子宮頸がんワクチンってどうなんですか?」など同じような質問をいただく機会も増えてきたので、ブログなどで情報発信もしています。はしかやワクチンの話題など、その時々で必要とされる内容を記事にし、受診前後でも読めるようにしています。ただ、情報発信も一方通行では意味がありません。診察の最後には「他に気になることはありませんか?」と必ず聞くようにしています。診察の終わり際に、本当に聞きたかったことを話されることが多いと考えています。そういう小さな積み重ねが、地域のかかりつけ医には大事だと思っています。

スタッフ教育や院内づくりで、意識されていることはありますか?

患者さんにとって来やすい環境をつくることですね。そのためには、まずスタッフが働きやすい環境であることが大切だと思っています。医療業界は人材確保が難しい時代ですから、今いるスタッフを大切にしなければいけません。有給休暇を取りやすくしたり、業務負担を減らしたり、長く安心して働ける環境づくりを意識しています。最近は医療DXにも力を入れていて、自動受付機や自動精算機、電子カルテ、ウェブ予約・問診、電話の自動応答なども導入しています。もちろん、高齢の患者さんにはスタッフがそばについて説明する必要もありますが、少しずつ慣れていただければと思っています。また、受付はクリニックの顔ですから、患者さんへの接し方も毎朝共有しています。「自分が患者だったら、どうされるとうれしいか」を考えること。それをスタッフには繰り返し伝えていますね。

院内の先生方とも、診療方針をこまやかに共有されているそうですね。

染谷貴志院長 そめや内科クリニック4

当院では、診療スタイルを共有する時間をかなり大切にしています。新しく入った先生とは、一緒にカルテを見返しながら、なぜこの診断にしたのか・どういった意図でこの薬を出したのかまでを振り返るんです。単に知識を共有するだけでなく「患者さんをどう診るか」という考え方を擦り合わせることが目的ですね。特に、待合室から患者さんを呼ぶのは基本的には医師自身が行うようにしています。待合室全体の様子や、患者さんの立ち上がり方、歩き方や表情を見るだけでも、普段との違いがわかることがあります。診察室に入ってからだけでは見えない情報って、意外と多いんですよ。地域のクリニックは、病気だけでなく、人を見る場所だと思っています。だからこそ、スタッフや医師同士でも、その視点を共有していくことを大切にしています。

治療する医療から、予防する地域医療へ

来院される患者さんには、どのような傾向がありますか?

染谷貴志院長 そめや内科クリニック5

本当に幅広いですね。ご高齢の方は慢性疾患で通われていますし、若い世代の方は風邪症状やワクチン接種で来院されます。小児科を標榜しているわけではありませんが、乳幼児以外のお子さんを診ることもあります。開業当初から、地域のなんでも相談できるクリニックでありたいと思ってきたので、年齢や症状を限定せずに診療してきました。その一方で、予防医療への関心は確実に高まっています。当院でもワクチンや栄養指導、サプリメントの相談などに力を入れています。病気になってから治療するだけでなく、健康な状態の維持するためのサポートも、地域には必要だと思っています。

先生ご自身、健康づくりで意識していることはありますか?

運動して筋力と体型を維持しています。患者さんに「運動しましょう」と伝える以上、自分が取り組んでいないと説得力がありませんから。普段から走ったり、自転車に乗ったり、筋力トレーニングもしています。筋力の低下は将来的な健康にも関わるので、その大切さは患者さんにもよく話しています。また長年、ラグビーを続けていて、自身が選手として試合に出る他、大学や高校、プロチームにも関わっています。さらにラグビースクールを立ち上げて、校長として、子どもたちの指導も行っています。

最後に、地域の読者へメッセージをお願いします。

染谷貴志院長 そめや内科クリニック6

病気になったときだけでなく、なんとなく不調が続くという段階でも、気軽に相談していただきたいですね。当院では、予防医療や栄養面のアドバイスにも力を入れていますし、地域の健康を長く支えていきたいと思っています。また、訪問診療については、まだ外来の患者さんにも十分伝わっていない部分があります。通院が難しくなった際も、これまで診てきた患者さんを継続して支えられるような体制を整えていますので、必要なときはぜひ相談してほしいですね。地域医療の中でも、質のある医療を提供し続けたいと思っています。患者さんもスタッフも、自分も、皆が前向きでいられるクリニックでありたいですね。