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宮本 績輔 院長の独自取材記事

宮本歯科医院

(鎌倉市/大船駅)

最終更新日:2021/10/12

宮本績輔院長 宮本歯科医院 main

大船駅にほど近い「宮本歯科医院」は、長年、地域に根差した歯科医療で地元の信頼を集めてきた歯科医院である。2代目院長の宮本績輔(せきすけ)先生は、明るく朗らかな笑顔が印象的な、心優しき歯科医師だ。相手の話に真摯に耳を傾け、わかりやすい言葉を選びながら丁寧に応えようとする姿勢から温かい人柄がにじみ出ている。「最良の義歯との出会いは、その後の人生を明るく幸せなものにしてくれます」と語る宮本先生に、義歯のメリットや同院ならではのこだわりなどをじっくり聞いた。

(取材日2017年1月23日)

義歯を中心とした補綴治療で、多くの患者を笑顔に

大船で長きにわたって信頼を集めてきた、歴史ある歯科医院だと伺いました。

宮本績輔院長 宮本歯科医院1

1955年に母がこの場所に自宅を兼ねた歯科医院を開院して以来なので、もう60年以上になりますね。私はここで生まれ育ったのですが、当時はこの辺りには何もなくて大船駅まで見通せるくらいでした。現在の建物は1985年頃に歯科医院専用に建て替えたものです。私が院長に就任したのが1998年で、母は80歳過ぎまで現役で活躍したので、しばらく一緒にやっていましたが、母が亡くなってからは私と妻の2人で診療にあたっています。昔からずっと通ってくださっている方ばかりですが、他の歯科医師や歯科技工士の方からの紹介で、かなり遠くからの患者さんにも来ていただいています。

インプラント治療はやらずに、義歯を中心とした補綴治療を続けている理由をお聞かせください。

失った歯を補うのが補綴(ほてつ)です。うちは義歯専門の歯科医院というわけではないのですが、母が補綴治療が好きで、自分で技工もしながら「義歯で生活を豊かにする」というコンセプトで診療を行ってきました。私も、大学の医局時代に今でも「師」と仰ぐ先輩から義歯のおもしろさ・奥深さについて叩き込まれ、自分で作る楽しさを知ったことで母と同じようなスタイルの診療を続けています。今はインプラントによる補綴治療が主流となりつつありますが、一方で義歯を専門にやっている歯科医院は減ってきています。でも実際には高齢化社会で義歯を必要としている患者さんは大勢いらっしゃいますし、これからも増加していく傾向にあります。このような言い方をしておこがましいかもしれませんが、誰かが義歯を一生懸命やらなければならないのではないか、であればインプラントは他の先生にお任せして、自分は義歯で頑張ろうと思ったのです。

具体的にはどのような方が義歯を必要としているのでしょうか。

宮本績輔院長 宮本歯科医院2

重度の歯周病でインプラントを打てるだけの骨がない方や、重度の糖尿病や心臓疾患、血液疾患、骨粗しょう症などの全身的な疾患をもたれている方などは外科的処置が必要なインプラント治療は難しいとされています。また、インプラントは高齢になって歯ブラシをきちんと握れないとか、思うように体を動かすことができなくなって自分で口腔内のケアができなくなった時に、介護者の中に専門的なケアが出来る人がいないと良好な状態を維持するのは非常に難しいという現実があります。インプラントに限らず、義歯も作っておしまいではなく、むしろ作った後のケアが大切なんです。決してインプラントを否定しているというのではなく、経済的な問題も含めてインプラントではなく義歯を必要としている方がとても多いというのは、このような理由からだと思います。

技工士の本気を引き出すこだわりを

義歯のメリットについて教えてください。

宮本績輔院長 宮本歯科医院3

義歯は設計さえきちんとしいていれば、残っている歯がダメになっても前に入れた義歯を修理してそのまま使うことができます。義歯を専門とする歯科医師なら、口の中の状態がどのように変わっていくのかを予測して設計できますので、きちんと先のことまで患者さんに説明してから義歯を作ります。歯が抜けるたびに義歯を作り直すのではなく、修理しながらかなり長い間その状態を維持できるという点で安心される患者さんは多いですね。それから義歯は少しくらい状態が悪くても自分の歯を残して作れますし、逆に歯が1本も残っていない状態でも作ることができるというメリットもあります。ピッタリ合う義歯のおかげで、痛みもなくしっかり噛んでおいしく食べられるようになった、話しやすくなった、見た目がよくなったと喜ばれる患者さんは非常に多いです。

実際、義歯を作ったけれど合わないので使っていないという声も聞きます。

残念ながら、義歯で苦労されている方は多いですね。でも、そのような方は本当にいい義歯にめぐり会っていないだけなんだと思います。たしかに保険診療でできる義歯には限界があるので自由診療の方がいいものができるという見方もありますが、実際は保険診療を希望される患者さんも多いです。義歯の作り方にはいろいろな方法がありますので、保険診療からスタートした方でも、次はこんな風にすることもできますよと提案して、さらに満足していただけるものに近づけていくこともできます。自由診療において各々の患者さんのニーズを満たし、将来的な見通しも踏まえてその方のお口の状態にぴったり合う本当にいい義歯が出来上がると、ほとんどの方がその結果を納得していただけます。実際、何軒も歯科医院を回ってさんざん義歯で苦労されてきたという患者さんが、うちで作った義歯で初めて喜んでくださることも多く、そんな時は私も本当にうれしいですね。

先生の作る義歯には高く評価されているようですね。

宮本績輔院長 宮本歯科医院4

うちの強みは院長自ら技工を行いながら、義歯に関する診断・設計を行っていることだと思います。私は補綴を専門的にやる以上、ある程度自分でやらないとわからないことがたくさんあると思っています。自分で模型を作り、設計をして、それを技工士さんと十分に検討しあい、最良の方法を見つけていく。治療に必要な基本的な知識を共有して、対等な立場でなんでも言い合う本気と本気のぶつかり合いの中で、お互いの本気がより引き出され、さらに良いものを仕上げていく。そういう職人同士の真剣勝負の場がたまらなく好きですね。当院では歯科医療に携わる歯科医師・歯科衛生士・歯科技工士・バックアップをしてくださる歯科関連企業の4者が共通の認識をもって治療にあたる「チームとしての診療」で、患者さんにとって最良の医療を提供していくことをめざしています。

最良のパートナーとなる最良の義歯を届けたい

先生の健康法やリフレッシュ法について教えてください。

宮本績輔院長 宮本歯科医院5

健康のためと子どもの受験の願掛けを兼ねて3~4年前からジョギングを始めました。めちゃくちゃきつかったけれど、念願のフルマラソンを完走できた時は本当にうれしかったですね。ここからだと江ノ島まで往復16~17kmなので、走るのにちょうどいいんですよ。江ノ島まで行って富士山を見て帰ってくるだけですごく気持ちよくて、いい気分転換になりますね。

今後の展望をお聞かせください。

若い頃は地域に根差した歯科医院としてオールラウンダー的にいろんなことをやってきましたが、これからはこれまで自分が培ってきた専門的なことをさらによりよい形で提供していけるようになりたいですね。今は歯科医師1人ですべてを頑張ろうとするのではなく、各自がオールラウンド的な土台プラスそれぞれの専門性を強化していく時代ではないでしょうか。また、私がここまで専門を極めることができたのは、私を育ててくださった周囲の皆さんのおかげです。これからは私が受け取ってきたことを次の世代の方に伝えていくこともまた自分の役割ではないかと思っています。大学に講義をしに行ったり、うちに若い先生が研修に来たりもしていますが、そんな機会を通じて若い先生たちにもっと義歯を好きになってもらえるよう、私も一緒に勉強していけたらうれしいですね。

最後に読者にメッセージをお願いします。

宮本績輔院長 宮本歯科医院6

歯を失っていざ義歯となった時に嫌だなと思う方や、落ち込んでしまう方は多いと思います。でもそこで諦めないでほしいんです。これだけの高齢化社会となった今、義歯とは20年、30年と長いお付き合いが必要です。自分にぴったり合う最良の義歯を入れて、しっかり噛んでおいしく食べて、大きな声で笑って、もっともっと毎日を楽しんでいただきたいです。そのためにもまずはいい義歯に出会っていただきたいし、義歯に対してネガティブな感情を抱くのではなく、お友達になろうという気持ちで接してほしいと思います。義歯は患者さんにとって、なくてはならないパートナーになり得るものです。大切に扱いながら、より良い関係を築いていってほしいですね。

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