柴 雅樹 院長の独自取材記事
湘南六会歯科クリニック
(藤沢市/六会日大前駅)
最終更新日:2024/09/26
藤沢市六会の地で長く続いた歯科医院が次の世代へとつながり、新たに「湘南六会歯科クリニック」としてスタートした。同院の柴雅樹院長は「以前からの地域密着の診療に加え、新たな医療機器も導入して、今後は先進的な治療にも力を入れていきます」と話す。「当院は歯を失う原因にもなる歯周病の予防と治療のほか、インプラント治療やマウスピース型装置を用いた矯正などもご提供可能です。このほかさまざまな治療に対応できますのでご相談ください」。さらに最初の治療を丁寧に行うことで治療箇所の再発を防ぎたいという柴雅樹院長。同院の診療方針や特徴などを詳しく聞いた。
(取材日2024年1月10日)
一人ひとりに満足してもらえる医療をめざして
こちらの院長になられた経緯をお聞かせください。
私は北海道大学歯学部を卒業して東京都と埼玉県の病院で臨床研修を受けた後、神奈川県や北海道などの歯科医院で広く経験を積み、特に藤沢市とその近隣にある歯科医院で長く診療してきました。患者さんに寄り添う診療を目標に、私にとってなじみ深い湘南エリアでの開業を考えていたところ、前院長である昇辰雄先生から当院を引き継ぐお話をいただきました。そこで2023年から昇先生と一緒に診療しながら、次第に私が中心となって患者さんを診る体制へと移行。2024年に院内を新たなコンセプトに合った形にリニューアルし、院名も「湘南六会歯科クリニック」と改めています。香川県の瀬戸内沿いの出身である私にとって、海にも近い藤沢市は第二の故郷のような大切な場所。当院での歯科診療を通して、近隣にお住まいの皆さんの健康を守るお手伝いができればと願っています。
どのような診療方針をお持ちなのでしょうか。
地域に密着し、患者さんの満足度をより高められるような診療をめざしています。そのためには受診された方の口の中を詳細に検査し、症状へのご不安やご希望をしっかり伺った上で適切な治療をご提案することが何よりです。特に現在の症状だけでなく、その原因となっている口の中の状況、例えば歯並び・噛み合わせの乱れ、磨き残しができやすい歯磨きの癖、食事をはじめとした生活習慣などにアプローチして、再発しにくい口腔環境づくりが重要と考えています。また、インプラント治療、マウスピース型装置を用いた矯正、セラミックを使った審美面への配慮など、多様なご希望にも対応可能で、将来的にはそうした分野にはさらに力を入れたいですね。当院がある六会地区は主に住宅地で、長く住まれている方も多い印象です。患者さん一人ひとりに納得していただける診療をめざし、地域の皆さんと長くお付き合いできればと思います。
リニューアルで院内全体や設備も新しくされたのですね。
再スタートにあたって診療ユニットを4台に増やす一方で、ユニット同士の間隔を広げ、パーティションで区切ってプライバシーに配慮するなど、患者さんが落ち着いて治療を受けられるように整備しました。個室も2台分完備しており、親子で来院される際も一緒の空間にいられるよう、横幅も広めに設計したんです。加えて、より精度の高い診療をめざし、患者さんの口の中を詳細に調べる歯科用CT、口腔内スキャナーを導入し、歯科用レーザーや根管治療専門の治療器具などもそろえています。特に口腔内スキャナーにより口の中を3Dデータ化することで、グニャグニャしたガムのような素材で歯型を採る必要がなくなりました。スキャナーで得たデータは以前の歯型の採り方に比べて誤差が少なく、歯科技工士は精度の高い詰め物やかぶせ物が作りやすい点もメリットです。装着する際の調整もごくわずかで済むようになり、時間や患者さんの負担軽減にもつながっています。
基本に忠実に丁寧な治療で再発防止に取り組む
診療面ではどういった特徴がありますか?
病院やさまざまな歯科医院で診療した私の経験をもとに、地域のニーズに幅広く応えられる点が一番の強みで、中でも歯周病の予防と治療には力を入れています。歯周病は日本人が歯を失う大きな要因の一つといわれ、当院では歯周病になった方には歯茎の腫れを抑えるための処置を行いながら、歯科衛生士によるメンテナンスを継続して改善を図っていきます。ただ、その方法では十分な効果が望めない重症の歯周病には、歯茎を切開して歯周病菌を除去するなどの外科治療を行う必要があるケースもあります。予防は歯科衛生士による適切な磨き方の指導、定期的なメンテナンスが中心で、虫歯も歯周病も悪くしないことが一番。また治療の際はできる限り再発を防げるよう尽力しています。
再発防止にどう取り組まれるのでしょうか?
必要なら専門的な医療機器も使い、基本に忠実に丁寧に治療することが再発防止につながると私は考えています。例えば歯の神経を抜き、内側を掘り下げて最深部にある歯の根を治療する根管治療は、数年たつと根の部分に膿がたまるなど再発することがあります。そのたびに歯のかぶせ物を外して埋め込んだ薬剤を取り出し、また歯の根を治療する必要が出てくるのです。これを繰り返すのは費用と時間の無駄といえ、患者さんにも大きな負担を強いることになります。再発を防ぐには、根の部分を広げる根管拡大装置と、根の先まで届くしなやかさを持つニッケルチタン製の治療器具を使い、奥の奥まで丁寧かつ十分に清掃・殺菌することが大切。当院はこれらの装置をそろえ、不十分な治療による再発の防止に取り組んでいます。
診療の際に心がけていることを教えてください。
歯周病に限らず、予防のためのメンテナンスや時間がかかる治療を続けていただくには、患者さんに口の中のビフォー・アフターをわかりやすく説明することが大切です。当院では例えば、受診直後と通院数ヵ月後の口腔内を撮影した画像を比較しながら説明するといった工夫をしています。こうした丁寧な情報提供で、医療者から一方的にお願いするのでなく、患者さん自身が積極的に取り組めるような関係性をつくりたいですね。口の中の様子をよく知ることで、ご自身がどんな治療を受けたいのかも把握しやすくなると思います。私からは適切と考える治療をご提案しますが、費用や期間、希望する見え方などにより、治療の選択肢はさまざま。しっかりと話し合って満足していただける治療を実現したいと考えています。
先輩や周囲の人との縁を大切に、活躍する場を広げる
歯科医師をめざされたきっかけは何ですか。
高校時代に見たドラマなどを通して、人を助ける医療の仕事に興味を持ったのがきっかけです。医師になるか歯科医師になるかを悩んだ末、特定の診療科に特化していくことが多い医師よりも、患者さんの口の中をトータルに診られる歯科医師に魅力を感じて歯学部に入学しました。それに歯は毎食のように使い、栄養の摂取や食べる楽しみとも深く関わる大切な器官。それを自分の手で診断・治療して、患者さんの健康をサポートするのはやりがいがありそうだと思いました。北海道大学を選んだのは、以前に家族で北海道を旅行したときに「自然が豊かでとてもいいところ。また来たい」と感じたから。これまでとはまったく違う環境で過ごした6年間はとても貴重な体験になりましたね。
その後はさまざまな歯科医院で経験を積まれていますね。
ずっと北海道にいるより、東京で腕を磨いて開業したいと思って、その足がかりとなるよう卒業後の臨床研修先は東京で探すことにしました。その時、大学で仲が良かった先輩が「自分が勤めている病院の歯科は患者さんをじっくり診られる」と勧めてくれたんです。そこでの2年間の臨床研修が終わる頃、今度は別の先輩から「開業が目標なら一般の歯科医院でも経験を積んだほうがいい」と誘われて(笑)。そんなふうに先輩や周囲の人の勧めで、地域やタイプの異なる歯科医院で広く経験を積み、分院の院長も務めて経営やスタッフのマネジメントも知ることができました。インプラント治療やマウスピース型装置を用いた矯正などの専門技術も習得でき、患者さんの多様なニーズに応えられる自信が身についたと思います。
最後に地域の方にメッセージをお願いします。
私が院長になり、新たなスタートを切った当院では、患者さんと十分に話し合って治療を進め、満足いただける結果を残すクリニックをめざしています。口の中で何か気になること、こうしたいというご希望があれば気軽にご相談ください。これから長いお付き合いの中で、皆さんの健康を口の中からサポートするよう努めます。また、スタッフが働きやすい環境も整え、アットホームな雰囲気でお迎えしますので、安心して受診していただければと思います。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント治療/40万円〜、マウスピース型装置を用いた矯正/40万円〜、セラミックを使った補綴治療/5万円〜