柴 雅樹 院長の独自取材記事
湘南六会歯科クリニック
(藤沢市/六会日大前駅)
最終更新日:2025/05/16

藤沢市六会で長く続く歯科医院を継承し、2024年2月に「湘南六会歯科クリニック」として生まれ変わらせた柴雅樹院長。「以前からの地域密着の診療に加え、新たな医療機器も導入し、今後は先進的な治療にも力を入れていきます」と話す。歯を失う原因にもなる歯周病の予防と治療のほか、インプラント治療やマウスピース型装置を用いた矯正も幅広く実践し、最初の治療を丁寧に行うことで治療箇所の再発を防ぐことをめざすという。そんな柴院長に、同院の診療方針や特徴を詳しく聞いた。
(取材日2025年3月18日)
長く続いた歯科医院を、新コンセプトに合わせて刷新
古さを感じさせない空間ですね。

もともと40年続いたクリニックで、古くなっていたので改装を加えました。院長室や院内技工室だった空間は2つの個室に整え、インプラントなどの手術やメンテナンスに利用しています。また、ユニットは1台増設して4台とし、ユニット間のスペースも広めに取りながら仕切りを入れたことで、プライベート感を確保しました。歯科用CTつきのレントゲン装置や口腔内スキャナー、レーザー機器も導入しています。歯科用CTの活用により患部を3D画像で詳細に把握することができますし、口腔内スキャナーを使えば短時間で精密な歯型のデータが採取できるため、患者さんの負担を減らしながら、精度の高い補綴物の製作につなげています。レーザーは歯周病や口内炎、知覚過敏などの治療に使えるエルビウム・ヤグレーザーを導入しています。
継承の経緯をお聞かせください。
私は北海道大学歯学部を卒業後、首都圏の病院や歯科医院で広く経験を積み、特に藤沢市とその近隣にある歯科医院で長く診療してきました。患者さんに寄り添う診療を目標に、なじみ深い湘南エリアでの開業を考えていたところ、前院長である昇辰雄先生から当院を引き継ぐお話をいただきました。そこで2023年から昇先生と一緒に診療しながら、次第に私が中心となる体制へと移行。2024年よりクリニック名も「湘南六会歯科クリニック」と改めました。香川県の瀬戸内沿いの出身である私にとって、海にも近い藤沢市は第二の故郷のような大切な場所。歯科診療を通して、近隣にお住まいの皆さんの健康を守るお手伝いができればと思っています。
どのような患者さんがいらしていますか?

従来から長く通い続けていただいている方と、新たに受診していただいている方の両方です。既存の患者さんはご高齢の方が中心で午前診療を利用されるケースが多く、新規の患者さんはファミリー層や大学生といった比較的若い世代で、徐々に増えています。子育て世代が住みたい街として人気の高い藤沢エリアだけあって、お子さんも一緒にご家族で受診されるケースも少なくありません。長く続いてきたクリニックとして地域の認知度は高く、「前から気になっていたが、変わったようなので来てみた」という患者さんもおられます。新しいスタッフを迎え、24時間対応のウェブ予約や電子カルテなどのシステムも導入して効率化も図りながら、より通いやすいクリニックをめざしています。
「笑顔を守る」をモットーに一人ひとりの満足をめざす
診療方針を教えてください。

「患者さまの笑顔を守る」をモットーに、その満足度をより高められるような診療をめざしています。そのためにはお口の中を詳細に検査し、症状へのご不安やご希望をしっかり伺った上で適切な治療をご提案することが大切です。特に現在ある症状だけでなく、その原因となっている口の中の状況、例えば歯並び・噛み合わせの乱れ、磨き残しができやすい歯磨きの癖、食事をはじめとした生活習慣などにもアプローチする、再発しにくい口腔環境づくりが重要と考えています。また、インプラント治療、マウスピース型装置を用いた矯正、セラミックを使った審美面への配慮など、多様なご希望にも対応可能です。六会地区は長く住まれている方も多い印象です。納得いただける診療をめざし、地域の皆さんと長くお付き合いできればと思います。
診療面の特徴について伺います。
病院やさまざまな歯科医院で診療した私の経験をもとに、地域のニーズに幅広く応えられる点が一番の強みで、中でも歯周病の予防と治療には力を入れています。日本人が歯を失う大きな要因の一つといわれる歯周病に対しては、歯茎の腫れを抑えるための処置を行いながら、歯科衛生士によるメンテナンスを継続して改善を図っていきます。それでも十分な改善が見込めない重症例には外科治療を行うこともあります。いずれの治療でも再発予防に努めています。予防は歯科衛生士による適切な磨き方の指導、定期的なメンテナンスが中心です。
再発防止にはどのように取り組まれているのでしょう。

専門的な医療機器も使いながら、基本に忠実に丁寧に治療することが再発防止につながると考えています。例えば歯の神経を抜き、内側を掘り下げて最深部にある歯の根を治療する根管治療は、数年たつと根の部分に膿がたまるなどで再発することがあります。そのたびに再治療を繰り返すのは費用と時間の無駄といえ、患者さんにも大きな負担を強いることになります。根の部分を広げる根管拡大装置と、根の先まで届くしなやかさを持つニッケルチタン製の治療器具を使い、奥の奥まで丁寧かつ十分に清掃・殺菌することで、不十分な治療による再発の防止に取り組んでいます。
診療で心がけていることは何ですか?
予防のためのメンテナンスや時間がかかる治療を続けていただくには、患者さんに口の中のビフォー・アフターをわかりやすく説明することが大切です。当院では、受診直後と通院数ヵ月後の口腔内を撮影した画像を比較しながら説明するといった工夫をしています。こうした丁寧な情報提供で、医療者から一方的にお願いするのでなく、患者さん自身が積極的に取り組めるような関係性をつくりたいですね。口の中の様子をよく知ることで、ご自身がどんな治療を受けたいのかも把握しやすくなると思います。私からは適切と考える治療をご提案しますが、費用や期間、希望する見え方などにより、治療の選択肢はさまざま。しっかりと話し合って満足していただける治療を実現したいと考えています。
多様な経験で磨いたスキルで幅広いニーズに対応
先生が歯科医師を志したきっかけは?

高校時代に見たドラマなどを通して、人を助ける医療職に興味を持ったのがきっかけです。医師か歯科医師かを悩んだ末、特定の診療科に特化する医師よりも、患者さんの口の中をトータルに診られる歯科医師に魅力を感じて歯学部に入学しました。歯は栄養の摂取や食べる楽しみとも深く関わる大切な器官。それを自分の手で診断・治療して、患者さんの健康をサポートするのはやりがいがありそうだと思いました。北海道大学を選んだのは、以前に家族で北海道を旅行した時に「自然が豊かでとてもいいところ。また来たい」と感じたから。これまでとはまったく違う環境で過ごした6年間はとても貴重な体験になりましたね。
その後はさまざまな経験を積まれていますね。
首都圏で腕を磨いて開業したいと思い、卒業後の臨床研修先は東京で探すことにしました。その時、大学で仲が良かった先輩が「自分が勤めている病院の歯科は患者さんをじっくり診られる」と勧めてくれたんです。そこでの2年間の臨床研修が終わる頃、別の先輩から「開業が目標なら一般の歯科医院でも経験を積んだほうがいい」と誘われ(笑)。そんなふうに先輩の勧めで、地域やタイプの異なる歯科医院で広く経験を積み、インプラント治療やマウスピース型装置を用いた矯正に加え、歯周病や虫歯の治療、根管治療、小児歯科、噛み合わせや入れ歯など、幅広い診療を実践してきました。多様なニーズに応えられる自信がついたと思います。
最後に、読者へのメッセージをお願いします。

今の歯科医療は、悪い部分の治療をメインとされていた従来の診療から、良い状態を長く保つための予防的な治療を軸とする診療にシフトしています。当院においても、治療後にメンテナンスに移行される方が増えてきており、さらに多くの方に定期メンテナンスを定着させたいと考えています。お口に問題や気がかりがある方はもちろん、特に何もないという方も、ぜひ検診やメンテナンスを受けにいらしてください。ご希望があれば気軽にお声がけいただきたいですね。これから長いお付き合いの中で、皆さんの健康を口の中からサポートするよう努めます。また、スタッフが働きやすい環境も整え、アットホームな雰囲気でお迎えしますので、安心して受診していただければと思います。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント治療/35万円〜、マウスピース型装置を用いた矯正/25万円〜、セラミックを使った補綴治療/5万円〜
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。