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西方 純一 院長の独自取材記事

西方歯科医院

(新発田市/新発田駅)

最終更新日:2021/12/13

西方純一院長 西方歯科医院 main

新発田市の城下町にある「西方歯科医院」は3代続く地域に親しまれている歯科医院だ。3代目院長の西方純一先生は、患者やスタッフと冗談を交わすなど、気さくで優しい印象。患者に対して“怒らず、前向きに治療をしていく”スタンスで、近年は地元以外からも患者が来院することも増えているのだそう。「お口の中の状態がかなり悪くなっていた人が、当院に駆け込んできてくださり、最後は笑顔で帰られていく姿を見られると、とてもうれしくなります」と話す西方先生。自身もヨガで健康維持に取り組んでいるそうだが、口腔ケアと全身の健康の関連性など、患者に対する啓発にも力を入れる。そんな西方先生にポリシーや地域での取り組みなどを聞いた。

(取材日2021年10月27日)

祖父、父から受け継ぐ地域に根差した歯科医院

歴史ある歯科医院だそうですね。

西方純一院長 西方歯科医院1

祖父がこの場所で開業して、昔はこの建物が住居兼診療所だったんです。僕は日本大学歯学部を1989年に卒業した後、5年ほど首都圏で働き、1994年に新発田に戻り、尊敬する父とともにここで診療を行ってきました。2015年に父が亡くなって後を継ぎましたが、今も父の代からの患者さんが来てくださいます。この地域はまだまだお口の健康や予防に対する意識はそう高くありません。痛くなってから来るという方も多いのですが、長年通ってくださっている患者さんはお口の状態と全身の健康の関係まで理解して来てくださっている方が多いですし、僕も情報の発信に力を入れているので、最近は定期的に来てくれる患者さんも増えてきました。

大学卒業後の勤務先やご専門を教えてください。

日本大学を卒業後は同大学の大学院に進み、歯科保存学教室の歯周病学講座で歯周病の勉強をしてきました。大学院でお世話になった助教授は新発田の出身で、学部生の頃から歯科保存学教室にお邪魔していたんです。恩師に引っ張っていただく形で大学院に入りましたが、同郷だからと言って甘くしてくれることはなく、厳しく育てていただきました。大学院を修了後は同大学歯学部付属歯科病院に2年勤務し、大学病院の勤務と並行して、複数の歯科医院でも働かせてもらいました。それぞれの先生で技術や診療の進め方が異なり、とても勉強になりましたね。大学病院では新人歯科医師は簡単な治療を担当することが多いですが、診療所では新人も表に立つことになりますから、厳しさを実感したものです。

患者層や患者への取り組みを教えてください。

西方純一院長 西方歯科医院2

定期検診に来る方は、父の頃から通っている50~70代の方が多いです。ただ後を継いでからホームページを作成したことで、若い世代が増えましたね。広告はほとんど出していなくて、近くの電信柱に看板があるだけですが、インターネット上の情報を見て近隣の大学の学生さんたちも来てくれるようになりました。患者さんたちには、お口の健康と全身の健康のお話をよくさせていただきます。お口の中の虫歯菌や歯周病菌は全身にも悪影響を与えることがあるんです。例えば糖尿病は、歯周病菌によってインスリンの働きに影響するといわれており、他にも、インフルエンザや風邪など、さまざまな感染症予防を考えても、口腔ケアは大切。日常の丁寧な口腔ケアなどを通してご自身の健康状態で変化を感じることができるようになると、定期的に通ってくださるようになる患者さんもいらっしゃいますね。

不安をあおらず、まずは痛みを取り除いてあげたい

診療のポリシーをお聞かせください。

西方純一院長 西方歯科医院3

患者さんの痛みをまずは取り除くことです。親知らずなど抜歯が必要な時は、当院で対処できそうなものならしてさし上げますし、当院で対応が難しいものであれば、その場ですぐに紹介状を書いて新潟県立新発田病院に紹介します。歯科医院には、口を開けて、お口の中を人に見せるのを嫌がるくらい、歯がボロボロの状態の人も来られます。そういう方は痛みがある部分だけでなくて、他も悪くなっている可能性が高いので、私たち歯科医師はその状態から治療をして、お口の環境を整えるようにしていきます。「何でここまで放っておいたんだ」と怒る先生もいるそうですが、怒っても良くなるわけではないので、少しでも状態が良くなるようにお手伝いができればと思っています。

朝は診療時間前の8時半から急患の電話を受けつけているそうですね。

朝は9時に診察を始めるのですが、スタッフは結構早く出勤して開院準備をしてくれています。診察開始までの時間に電話を取るなどの余裕がありますので、もし歯が痛くて困っている人がいれば、朝8時半に電話していただければ、午前中に対処できるように受けつけてさし上げよう、となったのです。ホームページに大きくそのことを記載していますので、それを見て電話をかけてくれる患者さんが多く、その方たちからのご紹介で広がっているようです。

患者さんと接する時に心がけていることはありますか?

西方純一院長 西方歯科医院4

診療の際に患者さんを怒ったり、大げさな口調になったりはしません。患者さんは不安な気持ちの中で来てくれているので、不安をあおるようなことはしたくないです。説明や啓発はしますが、治療中の話題は気楽な世間話がほとんど。このスタンスは僕自身の経験に基づいています。昔、体を壊して入院したことがあり、それまでの自分を後悔して暗い気持ちになっていた時に、担当の先生が「それよりも治せばいいんですよ。治す方向で頑張っていきましょう」と言ってくださったんです。僕も怒られると思っていたのですが、怒っても仕方ないんだなと教えられました。怒れば良くなるわけではありませんし、大切なのは、過去よりも今とこれからです。患者さん自身が一番悔やんでいることはわかっていますから、「これ以上悪くならないように頑張りましょう」と元気づけるような声かけをするようにしています。

患者が喜び、生き生きと輝くことがやりがい

地域での活動について教えてください。

西方純一院長 西方歯科医院5

5~6年ほど前から、新潟県歯科医師会が取り組んでいる障害者歯科診療の講習を受けて、年に数回の当番制ですが、新潟市口腔保健福祉センターで障害がある人の歯科診療を行っています。主に新潟大学の先生からご紹介を受けて、新発田の患者さんを診療させていただいています。こうした県単位の活動をしていると、先生同士のつながりが広がる良さもありますね。近隣の開業医の先生方は、新潟大学や日本歯科大学新潟生命歯学部出身が多く、僕が新発田に戻ってきた当時は知り合いがいなかったので、いろいろな先生方とのつながりが持てることがうれしいですね。

患者さんとの印象深いエピソードを教えてください。

痛みがひどいという男性患者さんが、電話連絡なしで飛び込みで来院されたことがありました。その時は2時間ほどかけて治療をして終了しただけだったのですが、その後、すごく満足していることを人づてに聞けたときは本当にうれしく思いました。他には、「前歯が痛くて噛めない、他の歯科医院は予約が取れない」と来院された中年の男性患者さん。この方には、痛みに対処するだけでなく、何でも噛めるように噛み合わせにもアプローチしたりと、さまざまに取り組んだことが印象に残っています。

歯科医師としての原動力をお聞かせください。

西方純一院長 西方歯科医院6

やはり痛みを訴える患者さんや、お口の中がボロボロの状態の患者さんが、当院での治療を通して笑顔になってくれるとうれしいですよね。状態によっては、治療の時間がかかってしまったり、自由診療となる治療法をご提案することもありますが、最終的には患者さんがつらく感じていた部分がすっきり解消されることをめざして診療をしています。また、治療をきっかけに、口腔ケアや全身の健康にも目を向けるようになってくだされば、なおうれしいですね。こうした患者さんたちの存在が僕の原動力です。

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