全国のドクター9,284人の想いを取材
クリニック・病院 158,661件の情報を掲載(2024年4月17日現在)

  1. TOP
  2. 富山県
  3. 高岡市
  4. 越中中川駅
  5. 医療法人社団 まきの歯科医院
  6. 牧野 明 院長

牧野 明 院長の独自取材記事

まきの歯科医院

(高岡市/越中中川駅)

最終更新日:2022/09/13

牧野明院長 まきの歯科医院 main

“いわせの通り”として親しまれる高岡環状線沿いに面する「まきの歯科医院」。日本歯周病学会歯周病専門医の資格を持つ牧野明院長が1987年に開院した。10年ほど前の改築時に通りに設置していた看板を撤去したにもかかわらず、クチコミや他の歯科医院からの紹介で来院する患者が絶えないという。歯科治療の基本ともいえる歯周病治療やインプラント治療を得意とする牧野院長。関連する著書も5冊出版している。さらに治療後のメンテナンスにも力を入れており、同院には10年20年と長期通院している患者も多い。「患者さんと長い期間関われることがうれしい」と語る牧野院長に、歯周病治療のことから歯科医師としての思いまで幅広く聞いた。

(取材日2022年8月4日)

何よりも歯周病治療で口腔内の環境を整えることが大切

遠方から通院される方もいらっしゃると伺いました。

牧野明院長 まきの歯科医院1

当院で力を入れている治療の一つが歯周病治療なんですが、他の歯科医院からの紹介で来院される患者さんも多く、また県外から通院される患者さんもいらっしゃいます。歯周病は日本人の成人の8割以上の方が罹患(りかん)しているといわれています。軽症の方も多いですが、歯を失ってしまうような重症の方もしばしば来院されます。歯周病治療は歯科の基本です。どんな治療をしようとも、歯周病治療をおろそかにしては意味がありません。

歯周病治療を重要だと考えるきっかけはあったのでしょうか。

大学を卒業してからは、目の前の患者さんの主訴を解決することに、一生懸命な日々でした。ただただ患者さんと向き合い、無我夢中でした。そんなある時、参加した講演会で、長野で開業されている谷口威夫先生の症例を見る機会があり、歯肉の美しさに驚いたのです。さらに、先生の周りでは同じような実績を残している仲間がいらっしゃることも知りました。つまり、ある一人の術者の名人芸のようなものではなく、みんなができること。自分もやらなければならないことなんだと決意したのです。その後も先生方のお話を伺うため勉強会に参加し、自分と先生方の違いを感じては同じような技術を身につけるために模索をする、ということをしていました。

インプラント治療も25年以上の実績がおありなんですよね。

牧野明院長 まきの歯科医院2

歯を失ってしまった方にとって、インプラント治療は大切な治療法の一つだと思います。ただ、お口の中の状態をきちんと整えた上で行うことが重要です。当院でインプラント治療をする際は、歯周病治療をしっかりと行いお口の中の環境を整えてから始めます。また、治療後メンテナンスのために通院していただくことも重要です。この2つを事前に患者さんにきちんとご説明してからでないとインプラント治療は行いません。その場しのぎの治療ではなく、その後のことも考えた治療とメンテナンスを心がけています。皆さんきちんと理解をしていただいて、メンテナンスに通ってくださるのでうれしく思います。

後世の育成のため学ぶ機会を提供

スタッフの方が多いですが、スタッフ教育はどのようにされているのですか。

牧野明院長 まきの歯科医院3

毎日、朝礼と終礼をしています。朝礼では、前日に撮影した口腔内の写真をスタッフ全員で見て、その患者さんの担当者が状況を説明します。私もそれに対してアドバイスや注意すべきことを伝えています。そうすることで、担当者が急に休まないといけなくなった場合などに、他のスタッフが担当することもできますし、こういう症状の場合にはどうすればいいかという学びにもなります。そうやって毎日学び続けることが大切ですね。また、私たちはエックス線写真や口腔内の写真を見て、そこから症例を読む力が必要ですので、そのトレーニングにもなります。終礼では「ヒヤリハットにっこり」というのもやっています。注意点や改善点に加えて、患者さんについてのうれしかったこととか、スタッフ同士でお礼を伝えあったりしています。穏やかな雰囲気ですよ。

後進の育成にも積極的なのですね。

とても重要なテーマだと思っています。当院は歯科医師、歯科衛生士をめざす学生の研修に対応する歯科医院でもあります。若い頃はどうしても本などで見る華美な治療に憧れるものですが、基礎固めをしっかりとやることが大切です。研修に来る学生たちには、地味に見える仕事を地道にすることの大切さを伝えています。そのほか、他の歯科医院のスタッフも参加できる勉強会を主催して、20年くらい指導を続けています。また、何冊か本を出版する機会にも恵まれましたが、これは私が先輩方から教わったことや自分がやってきたことを形にして残し、歯科全体のレベルを上げるためにやっています。これらは、自分が現役でいる限り、継続していかなければならない役割だと思っています。

設備についてもお伺いできますか。

牧野明院長 まきの歯科医院4

2020年にマイクロスコープを新しい機種に買い替えました。マイクロスコープがなかった時代は、歯の根っこのような見えないところは手探りでやるしかなかったんです。でもマイクロスコープを使用することで神経の先のほうまで見えるのでピンポイントで治療すべきところがわかるようになり、より精密な治療ができるようになりました。感染対策としては、開院時からヨーロッパ規格で「クラスB」をクリアした滅菌システムを導入していますし、各チェアごとに口腔外バキュームを設置しています。また根管治療を行う際は、ラバーダムという治療をする歯とそれ以外を分けるゴムのシートを使用し、治療中に余計な物が入ってこないようにしています。

メンテナンスを続けることが健康にもつながる

休日の趣味も多彩と聞いていますが。

牧野明院長 まきの歯科医院5

大学時代は週に7日、ラグビーの練習をしていました。ラグビーを卒業してからは、ウインドサーフィンを楽しんでいました。それと並行して37歳から山登りもするようになったんです。他にも、ロードバイクやスノーボードもやってきました。あと、55歳からフルマラソンにも挑戦しました。実は父が56歳の時にくも膜下出血で倒れたんです。だから自分が55歳になった時に少し不安に思うところがあったんです。それを払拭するために何か一つ苦手なことを克服しようと思い、ちょうどその時に企画されていた第1回富山マラソンに挑戦して、結果4時間13分で完走できました。でも最後の1kmのところで、たくさん抜かれたんですよね。悔しくて翌年も、その翌年も……となって結局フルマラソンを5回走りました。最後は4時間1分。今ひとつですね(笑)。

開業して35年近くになられますが、歯科医師として心境の変化などはありましたか。

気持ちの面では変わらないように思います。ずっとワクワクドキドキしながら夢中になってやっているので、仕事という感じではないんです。正直、毎日やるような小さなことは面白いわけではありません。でも一つ終わるごとに小さな達成感があって、それが積み重なって大きな達成感につながる。それが楽しくてしょうがないです。また、歯科というのは患者さんと長いお付き合いをすることになります。例えば、小さな頃から来ていた患者さんが成長して親になって、子どもを連れて来られたりするとうれしいですね。それにすべての症例を記録してありますから、自分がスキルアップしているのも実感できます。私は大学時代から歯科のことしかやっていません。ずっと延々とやってきて、確実にステップアップしているのがわかります。地道な努力を積み重ねているうちにこの仕事の魅力に気がついて、今まで夢中でやってきました。幸せだと思います。

最後にメッセージをお願いします。

牧野明院長 まきの歯科医院6

例えば建物を建てる際、基礎工事をおろそかにすることはないと思います。それと同じで、高額な治療をしても後から土台が揺らぐようでは意味がなくなってしまいます。だから基礎の部分をしっかりとしないといけません。歯科ではそれが歯周病治療です。そこを十分に行ってから他の治療を受けるべきだと思っています。さらにメンテナンスも必須です。治療が一通り終わったらそこからがスタートです。定期受診をしてお口の中の細かなチェックとクリーニングしてもらうのです。それが歯を失わずお口や全身の健康を維持する秘訣。成人の8割ほどが歯周病という状況は、何年も変わらないんですね。これは私たち歯科医師、歯科衛生士がもっと皆さんに指導や啓発をしていかなければいけないところだと思っています。歯周病は歳を取ったら自然にかかるものと思われがちですが、本当はコントロールが可能。定期的な歯科医院でのメンテナンスをお勧めしたいですね。

自由診療費用の目安

自由診療とは

インプラント治療/37万7300円〜、マイクロスコープを用いた根管治療/1回1万1000円※最大6回まで、審美修復治療/5万5000円〜(金額は目安です)

Access