蔵 真由美 院長の独自取材記事
クラ矯正歯科クリニック
(川崎市多摩区/登戸駅)
最終更新日:2026/04/03
登戸の穏やかな街並みの中に溶け込むように立つ「クラ矯正歯科クリニック」は、長年にわたって地域医療に貢献してきた矯正専門のクリニック。蔵真由美院長は、にこやかで自然体の女性だ。その明るい笑い声と、皆を包み込んでくれるような穏やかな雰囲気に促されるように会話が弾み、数分のうちに初対面の壁が消えていくのを感じる。つい悩みを打ち明けたくなる人間性は、矯正歯科医師としての絶え間ない努力に裏打ちされた技術とともに、蔵先生最大の魅力と言ってもいいだろう。矯正治療にかける情熱と想いを中心に、最近の矯正歯科に関するトピックスについてまで幅広く話を聞いた。
(再取材日2026年3月2日)
難しい症例でも専門性を生かし、多くを手がける
この地域で矯正専門の歯科として開業したのは1991年ですね。

矯正歯科医師が一人前になるには10年かかるといわれていた時代ですから、大学の歯学部を卒業した後、同大学の歯科矯正科に在籍、勤務した後に開業しています。私は文京区本郷の生まれですが、登戸に移り住んで以来長くこの地で暮らしており、地元といえば登戸という感覚です。せっかくなら幼い頃からお世話になってきたこの地域の医療に少しでも貢献したいという思いで、この土地での開業を決めました。
主な患者層を教えてください。
子どもから成人まで、幅広い層の患者さんがいらっしゃいます。開院当初は成人の患者さんがほとんどでしたが、次第に子どもの患者さんが増えていき、今では半々くらいではないでしょうか。この辺りは住宅街ですが、集合住宅から戸建てへの住み替えで離れていく家族も少なくなく、住民の顔ぶれは流動的です。それでも、お子さんの通院がきっかけでいらしたお母さんがご自分も通い始めたり、お母さん同士のクチコミをきっかけに来院してくださったり。患者さん同士のつながりで新しい患者さんがいらしてくださるのはとてもうれしいですね。当院の周辺はお年寄りが多いのですが、お孫さんが矯正を考えているからと紹介してくださることもあります。最近では、子どもの時に当院に通われていた方がご自身のお子さんを連れてきてくださることもあるんですよ。私を信頼して家族で通ってくださることは、歯科医師として本当に幸せなことだと思っています。
こちらのクリニックの診療の特徴について教えてください。

矯正専門のクリニックですので、矯正歯科医師の治療を常時受けられる点は強みだと思っています。矯正装置などで何かあった時、すぐに相談していただければ安心して治療が続けられます。また、長年の経験から、専門性の高い治療や難症例の治療を望めることも特徴の一つです。来院される患者さんは、「噛み合わせが悪化する一方で思いきって来ました」という方から「治らないと診断されたが諦めきれない」という方までさまざま。治らないと言われた方は、体の不調などもあってたくさんの薬を飲んでいました。そのためもあり「根本的な解決は望めない」と診断されたようで、当院にも相談に来られたんですね。これまで矯正歯科医師として厳しく研鑽を積んできた努力も、こういった難しい症例では治療成功への鍵を握っていると信じています。
初診からの矯正治療の流れについて教えてください。
初診では「どんな点が気になるか」「今どういう状態で困っているか」を詳しくお聞きした上で、治療の流れなどをパンフレットをお渡しして説明しています。ご希望があれば、次にレントゲン写真撮影や歯の型を採ったり、噛み合わせを調べたりして必要なデータを取ります。治療の選択肢と必要な期間、治療費の目安を明記した明細書をお渡しし、検討していただきます。治療を決めた方には、歯磨き指導を経て治療をスタートするというのが大まかな流れですね。虫歯や歯周病をコントロールするため、装置を入れる前の口腔内清掃には力を入れています。理想的な歯磨きの手順を示した手書きのパンフレットをお渡しして、「歯磨き名人」をめざしていただきます。パンフレットはスタッフが描いたかわいらしいイラスト入りで、お子さんにも好評なんですよ。実際の矯正では、成人であればワイヤー、小児であれば取り外しできる器具と、年齢や時期によって使い分けています。
小児矯正には、自身の矯正経験が生きている
小児の矯正はどのように診療していますか?

私自身、子どもの時に矯正の経験があるので、治療する子たちの気持ちがよくわかります。例えば、装置を使うのが嫌で外してしまっていたのに、「ずっと使っていた」とうそをついてしまったりする。歯の状態を見れば外していたことは一目瞭然ですが、「自分もそうだった」と共感する思いがあるので、決して頭ごなしには叱りません。「使っていたのにこれなら、ほかの方法を考えなきゃならないの」と説明しながら、理解を促し治療を進めていきます。当院は歯科医院特有の臭いや音がないので、虫歯治療のイメージで歯科医院に恐怖感を持っている子も、遊びに来るような感覚でリラックスして通院してもらえるとうれしいですね。
診療時はどのようなことを大切にしていらっしゃいますか。

「歯並びをきれいにするのはもちろん、噛み合わせを機能的に安定させて歯肉や歯槽骨を健康に保つ」、「自分の家族だったらどんな治療をするかを考えて最良の方法を選択する」ということをモットーにしています。これは、ロバート・リケッツ先生、カール・Fグジノー先生、ルドルフ・スラビチェック先生、そしてロナルド・ロス先生などの恩師から学んだフィロソフィーを基本に診療をしています。また、治療前には複数の選択肢を患者さんに示し、患者さんのご要望を踏まえて、メリット・デメリットをきちんとご説明した上で治療を開始するようにもしていますね。痛いときは痛いと言える雰囲気づくりも、大切にしていることの一つです。
患者と歯科医師がともに頑張り、不正咬合を減らす
矯正の歯科医師として、最近気がかりな点があるそうですね。

最近世間では、「○○矯正」のような、使用する装置や材料を治療方法と混同している名称や美容的な名称がいろいろと見られます。気になるところを部分的に短期間で治すという意味合いを込めて名づけたものもあると思うのですが、昨日今日で急に不正咬合になるわけではないですから、治す時だけあっという間というわけにはいかないと思うんですね。人間の骨や筋肉は、加齢とともに変化していきます。審美、抗加齢、美容は良いことですが、自然に逆らいすぎると、満足いく結果が得られない可能性もあるということを知っていただきたいと思います。
今後の展望をお聞かせください。
成長期には呼吸の仕方や姿勢、噛み癖や舌癖、発音や嚥下の仕方など、さまざまな指導や他科との連携によって、不正咬合にならないよう予防することが重要です。成人に関しては、審美面のみならず、顎関節や神経、筋に負担がかからないようにすること、歯肉や歯槽骨といった歯周組織が健康で歯を安定してサポートしていることを重視して噛み合わせを治していけば、歯並びも美しく、明るい笑顔が生まれると私は考えています。今後も多岐にわたる歯科矯正治療法を駆使して、小児における不正咬合の予防や筋機能訓練を第一段階の治療とし、その後の成人の本格治療にも尽力するなど、不正咬合を少しでも減らすために治療していきたいと思っています。
最後に、読者の皆さんへのメッセージをお願いします。

ワイヤーや目立った装置はつけたくない、短期間で治したい、歯は抜きたくない、治療費を抑えたい、という希望は誰も皆同じです。できるだけご要望に沿えるよう努力しますが、実際の歯科矯正治療は時間も費用もかかりますし、歯磨きや装置の使用という面では患者さんに協力していただかなければなりません。私たち歯科医師が努力し続けているのは、多様な症例に対応し、すべての患者さんの治療を成功させるためです。ともに頑張って治療をしましょう。一緒に美しい健康なスマイルをつくりましょう!
自由診療費用の目安
自由診療とは【永久歯列】
本格的な歯科矯正治療(ワイヤー矯正)82万5000円~
【乳歯列~混合歯列】
1段階:予防的な歯科矯正治療(取り外しできる器具を用いた矯正)22万~49万5000円
【混合歯列~永久歯列】
2段階:本格的な歯科矯正治療(ワイヤー矯正)49万5000円~

