小児歯科はメンテナンスこそ大事
永久歯を虫歯にしないのが目標
C&Cデンタルオフィス
(川崎市麻生区/新百合ヶ丘駅)
最終更新日:2023/11/17
- 保険診療
小児歯科ではメンテナンスはまだ無理と思う人もいるかもしれないが、実は、子どもこそ予防歯科が重要だと「C&Cデンタルオフィス」の山田貴雄院長は力を込める。1歳頃から通うケースが多いが、0歳児でも、歯が生え始めたらすぐに通うのが理想だという。予防歯科は治療をきっかけに通い始める人も多い。確かにそれでも新しい虫歯の予防は期待できる。しかし、そもそも一つも虫歯を作らないようにするためには、乳歯の頃からしっかりと管理していくのが大事なのだ。そうすることで、永久歯に虫歯を作らないというゴールにたどり着ける。虫歯も歯周病も感染症なので、家族内での感染を予防する努力も欠かせない。小児歯科におけるメンテナンスの重要性、家庭での注意点などについて詳しく話を聞いた。
(取材日2023年10月4日)
目次
小児歯科で乳歯が生えたらメンテナンスを開始することで永久歯の虫歯の予防を図り健康的な口の基盤を作る
- Q小児歯科ではなぜメンテナンスが重要なのでしょうか。
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A
歯は再生しない組織です。だからこそ、まだ乳歯のうちからしっかりと予防歯科に取り組み、永久歯になった後も治療が必要ない状態を保っていくようにしなければいけません。私自身、虫歯や歯周病をマイクロスコープでどんなに緻密に治療しても、ある程度悪くなってしまった歯は結局のところ助けられないという厳しい現実を何度も目の当たりにしてきました。一度でも治療を受けた歯は再治療を繰り返すループに入らざるを得ないことも多く、そうなると最後には抜歯するしかありません。一本の歯も失わないようにするためにも、子どもの頃からのメンテナンスが非常に重要です。
- Q何歳くらいから予防歯科に通うのが理想的ですか。
-
A
0歳から通い始められると良いでしょう。乳歯が生えてきたタイミングが一番良いです。離乳食が始まる頃になると、ご家族を経由して虫歯菌に感染するリスクがさらに出てきます。その前に予防のことなどお話しできると一番いいですね。昔のように自分が噛んでやわらかくした食物を与えるなどはないかもしれませんが、うっかり同じスプーンを使ってしまいそこから感染することは十分あり得ます。だからといって子どもだけ食事を別にするのは、家族のコミュニケーションを考えたら本末転倒です。当院では、お子さんをきっかけにご両親も予防歯科に通い、家族全体の口内環境をきれいにしていくことがお子さんの虫歯予防につながるとお伝えしています。
- Q小児歯科でのメンテナンスの流れを教えてください。
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A
まず、親御さんへの問診がスタートです。当院では最初に「ゴールは永久歯を虫歯にしないこと」と、しっかり共有します。次にお子さんの口の中を見て、生活スタイルを聞き、どれくらいの虫歯リスクがあるのか点数化して説明。虫歯を作らないために、各家庭で無理なくできそうなことを提案して1回目は終了です。クリーニングやフッ素塗布は2回目以降になりますが、それもお子さんにストレスがかからないか注意深く様子を見ながら進めていきます。
- Qお子さんへの予防歯科はどんな注意が必要ですか。
-
A
とにかく、トラウマを作らないことです。歯科医院を嫌いにならないように、生涯にわたって気軽に立ち寄れる場所だと思っていただけるよう、土台を作らなければいけません。お子さんが泣いているという時点ですでに無理をしています。お子さんが治療を拒否する姿を見て落ち込むご両親もいらっしゃるので「3歳の子は2割もできません。でも、4歳になったら半分の子ができます。いつかはできるようになります」と、フォローしていくのも大切にしています。
- Q予防歯科のために家庭でできることはありますか。
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A
まず、食事の回数と時間に注意するようにしてください。間食を一切せず三度の食事だけにすれば虫歯リスクはかなり減らせますが、おやつをなくすのは難しいと思うので、砂糖ゼロの水やお茶などの飲み物以外、何も口にしない状態を2時間は作るようにしてください。また、うがいや塗布などのフッ素の使用を、就寝前の毎日の習慣にしてほしいです。そして、やはり虫歯も感染症の一種なので免疫力が高ければなりにくいといわれています。栄養バランスの整った食事、十分な睡眠、ストレスの軽減、規則正しい生活を心がけるようにしてください。