澤 明 院長の独自取材記事
さわ歯科クリニック
(岐阜市/細畑駅)
最終更新日:2025/05/09

のどかな風景の中に学校や店舗、クリニックなどが並ぶ国道156号岐阜東バイパス沿いに「さわ歯科クリニック」は位置する。同院はファミリー層が多く暮らすこのエリアで、20年以上にわたって歯科診療を行う地域密着型の歯科医院だ。患者の年齢層は子どもから高齢者まで幅広く、大半が予防歯科やメンテナンスを目的に受診しているという。診療では「押しつけや無理強いはしたくない」と語る澤明院長は、患者自身が通い続けたいと思えるクリニックづくりを模索し続けている。患者が本心で望む治療とは何か、患者とともに考え、模索する澤院長に、診療にかける思いを聞いた。
(取材日2025年4月4日)
さまざまな年代の悩みに応える地域密着型の歯科医院
院内は木目を基調としていて、温かみを感じられるインテリアですね。

老若男女の誰もが歯科医院を怖がらずに、身近なものとして感じてもらえる歯科医院をめざしました。太陽の光がたっぷり入るような造りなので、明るい雰囲気となっていますし、内装に木目を取り入れたおかげもあってか、患者さんから「落ち着ける」との声もいただきます。玄関から診察室まで完全にバリアフリー化したことも、こだわりの一つです。段差もなく、トイレのスペースは広めなので、車いすに乗ったまま入ることができるなど、全体的にゆとりがあるかと思います。
院長が歯科医師をめざしたきっかけや、開業までのご経験についてお聞かせください。
関市の自然に囲まれて育った影響から自然や生物への関心が強く、中学時代にはバイオテクノロジーの道へ進もうと考えていました。転機が訪れたのは高校生の頃。自転車で転んで、前歯を折ってしまったんです(笑)。その時の治療をきっかけに、歯科医師という職業を意識するようになりました。私の家では父をはじめ代々歯科医院を経営していたので、歯科医師そのものは身近な存在でもありました。ただ、誰も私に「歯科医師になりなさい」と言うこともなかったので、まさか歯科の道を選ぶとは、私自身も想像していませんでした。けれど、振り返ると幼い頃から真剣に患者さんと向き合う父の姿を目にしてきましたから、無意識にこの仕事への憧れを持っていたのかもしれません。愛知学院大学歯学部卒業後は名古屋市や岐阜県内のクリニックで研鑽を積み、1999年に当院を開業し、2006年に現在地に移転しました。
どのような患者さんが受診されているのですか?

当院のある地域は、岐阜市内でも都会すぎない落ち着いた雰囲気がある暮らしやすい土地柄で、長らくこの地域で暮らす高齢世帯やファミリー層も多く暮らしているんです。そのためか、当院の患者さんも30代や40代の働き盛りの世代を中心に、お子さんから高齢者まで年代は幅広いです。親子で一緒に診療を受けることも珍しくなく、マタニティー歯科を利用する妊産婦さんの受診も多いです。その他、虫歯や歯周病、あるいはけがによって失った歯を補う治療の相談もあり、インプラント治療など新しい治療法だけでなく、入れ歯治療にもこだわっています。入れ歯についてあまり良いイメージをお持ちでない患者さんがいますが、工夫次第で患者さんおのおのに合った入れ歯を作ることができます。当院では患者さん一人ひとりの歯の位置を考慮した上で、顔の表情や筋肉のハリなども参考にしつつ患者さんの意見も取り入れて、入れ歯を製作しています。
患者の心に寄り添い、二人三脚でより良い治療をめざす
治療計画を立てる際のモットーを教えてください。

生まれ持った歯を守っていけるように、予防歯科を特に重視しています。失った歯を補う治療があるとはいえ、やはり天然の歯に勝るものはありません。予防歯科の必要性を患者さんにお伝えして取り組んでいただき、虫歯の予防などにつなげています。虫歯の治療などで歯を削る必要がある場合には、極力削らないことをモットーとしています。天然の歯を削ってしまうと強度が下がり、治療を繰り返してしまうといずれは神経を抜いたり歯を失ってしまったりすることになりますからね。虫歯治療における接着剤の性能はどんどん向上していて、以前はかぶせ物しか選択肢がなかったようなケースでも、保険適用内で白い詰め物を詰める治療が可能になりました。体への影響や見た目にも考慮し、なるべく金属を使わない治療を心がけています。
治療を行う上で、どんなことを心がけていますか?
患者さんの通いやすさを追求することを常に意識しています。すべての治療に共通することですが、治療は患者さんと一緒に試行錯誤しながら進めていくものだと私は考えています。例えば、医学的根拠に基づくと、もっと頻繁に通ったほうがいいけれど、仕事が忙しい、生活のリズムが決まっているなど、患者さんにもそれぞれ事情があります。また、お子さんであればそもそも治療が怖くて前向きになれないといったことだってあります。患者さんのご事情や心情を無視してしまうようなことがあっては、患者さんの気持ちが離れ、クリニックから足が遠のくことだってあるかもしれません。だからこそ、こちらから治療を押しつけることはできる限りしたくないんです。患者さんが前向きに、主体的に治療に向き合えるように、患者さんに来たいな、通いやすいなと感じてもらえるようなコミュニケーションが欠かせないと考えています。
患者さんの要望をくみ取るために工夫されていることなどありますか?

患者さんによっては、初診の時に最初からすべてさらけ出して話をしてくれる方と、そうではない方がいます。「あ、この患者さんはすべてのことを話していないな」ということがわかったら、まずはそれを心にとどめておきます。予防やメンテナンスの重要さを伝えたいと思っていても、1回で伝わるとは考えていません。繰り返し患者さんとも対話を重ねていくようにしています。すると、だんだんと打ち解けてくれます。患者さんは表向きはこう言っているけれど、本音はどうなのか、どうしたいのか。心情をおもんぱかり、気持ちをくみ取って治療を進めていきたいですし、スタッフにもそういった対話を大切にしてもらっています。
クリニック一丸となり患者の健康づくりに力を尽くす
予防歯科を行うにあたっては、歯科衛生士が担う役割も非常に大きいかと思います。

当院は受付のスタッフを除き、すべてのスタッフが歯科衛生士です。一人の患者さんを決まった歯科衛生士が担当する担当制を取り、全員で情報を共有しています。全員がそろうことは難しいのですが、関連のDVDを見るなどして定期的な勉強も行っています。 患者さんへの対応やコミュニケーションの取り方についてもきちんと連携を取るように努めています。予防やメンテナンスを定期的に行うことで、虫歯をはじめとするトラブルは少なくなることが望めますし、結果的に治療回数や費用を抑えることにもつながります。クリニック一丸となって、歯とお口の健康づくり、歯周病の治療に取り組んでいます。
開業から現在までを振り返ると、さまざまな変化があったのではないでしょうか。
私自身がやっていることには、大きな変化はありません。けれど、患者さんの要望には変化があったと感じます。以前は「とにかく食べることができるようにしてほしい」「痛いところを治してくれたらいいから」と要求する患者さんも多くいました。諦めずに予防の大切さを伝えてきたことで、患者さん自身の意識が変わっていったのか、今では予防での受診が大半を占めるようになりました。また最近では、見た目もきれいにしたいという方が増えましたね。患者さんからのご要望に応えるため、白い素材での治療やホワイトニングなども行っています。
今後の展望をお聞かせください。

今後も引き続き、患者さんの治療の負担ができるだけ少ない治療をめざしていきたいと考えています。治療に際して、私はアドバイスをしたり、患者さんに合った方法をご提案したりすることは積極的に行っていきますが、無理なことや患者さんが望んでいないことをしたくはありません。ですから患者さんにも、希望をお話しいただきたいですね。かかりつけの歯科医院を持ち、定期的に受診することで、将来的な病気の予防や、早期発見につなげやすくなります。健康的で、きれいなお口を守っていくためにも気軽に歯科医院を利用してくださいね。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント治療/30万8000円~(ガイドを使用する場合+3万3000円)、ホワイトニング/1万9800円~