森 大輔 院長の独自取材記事
森歯科
(岐阜市/岐阜駅)
最終更新日:2024/10/22
40年以上という長きにわたり地域の歯科診療を支えてきた「森歯科」。同院を継承した森大輔院長は、2018年に現在の場所に移転リニューアルし、装い新たに再スタートを切った。森院長に代替わりした今も通い続ける既存患者は多く、中には家族3代で通う患者もいるという。「患者さんから慕われ、頼りにされていた両親を尊敬していますし、自分もそんな歯科医師でありたいのです」と森院長は真っすぐなまなざしで語ってくれた。マイクロスコープやスキャナーを駆使し、より正確で確実な歯科医療の提供に注力。目の前の患者一人ひとりの診療に丁寧に向き合う姿勢は、森院長の誠実さを物語っているようだ。今も勉強を欠かさず新しい技術の習得にも余念がない森院長に、診療にかける情熱や大切にしているポリシー、患者への想いなど、多くの話を聞いた。
(取材日2024年9月25日)
精密機器を駆使し、より適切な歯科医療の提供をめざす
カフェのような落ち着ける空間が広がっていますね。こだわりを教えてください。
移転する際に特にこだわったのは、これまで通ってくださっていた患者さんが入りやすい歯科医院にすることでした。ご高齢の方が気後れしないよう、木材をふんだんに取り入れて、優しい雰囲気を第一に考えました。また、ゆったりと座って待てるよう、落ち着いたアンティークの家具を置いています。キッズルームは妻から知恵を借りて、お子さんが通いやすく、“歯科医院が怖い”というイメージを払拭できたらという思いを込めました。院内はバリアフリー仕様で、車いすやベビーカーの方も気兼ねなく来院できるよう、すべての間口を広めにしています。駐車場からのスロープに屋根をつけ、角度をなだらかにしていますので、雨の日も濡れることなく入れます。せっかく来ていただくのですから、少しでも快適に感じていただけるといいですよね。
治療室も個室に近い造りで、プライバシーが保たれた空間にお見受けします。
背面が動線になっていますので、実質的には半個室なのですが、プライベート感を大切にしています。大学に勤務していた時は補綴科に在籍し、入れ歯やかぶせ物をメインに治療してきました。そこでの経験から得たことは、治療した部分を長持ちさせるには、治療の精度だけでなく歯科衛生士が関わる口腔ケアがとても重要だということです。ですので、当院では一人あたり、45分から1時間かけてしっかりと清掃と指導にあたっています。したがってリラックスして充実した時間を過ごしていただくための空間は必要不可欠だと考えました。
どういった患者さんが多く来院されていますか?
初診で来られる患者さんの多くは何とかしてご自身の歯を残したい、と希望されている方が多いです。通院中の歯科医院で保存不可能と診断されたが、抜きたくない方や、今受けている治療に満足できていない方が多いように感じます。また、最近はインプラント治療を希望される方が増えましたね。歯を残すために努力をしてきた方であっても、例えば骨がまったくない状態だと限界があり、歯を失っていくケースというのは往々にしてあります。私も多くのオペに携わってきましたので、選択肢の一つとして患者さんに提示しています。両親が開業してから40年以上診療を続けてきましたので、私が生まれる前から通ってくださっている患者さんもいます。一方で私の代になってから通われる方は、30代から50代くらいの私に世代の近い方が多い印象です。新しい住宅が増えてきたのに伴って、お子さんの受診も以前より増えてきていると感じます。
しっかりと時間をかけて、妥協のない丁寧な診療を行う
診療において大切にされているポリシーを教えてください。
精度の高い診療の提供に努め、それにプラスして科学的な根拠と、患者さんに寄り添っていくことを大切にしています。一人ずつ違うオーダーメイドの治療というのが基軸で、患者さんと相談しながら一緒に治療のゴールを決め、ともに努力をしていくという参加型歯科医療がコンセプトです。また、ラバーダム防湿やマイクロスコープ、歯科用CT、口腔内スキャナーなど、精度の向上、つまり再治療の可能性を減らしていけるものは積極的に取り入れています。よく「ラバーダム防湿やマイクロスコープを使用した診療は自費ですか?」と問い合わせをいただきますが、当院は保険診療でもラバーダム防湿やマイクロスコープを使って行っていますので、構えずにお越しいただきたいですね。
一人ひとりに向き合って、丁寧に診ていらっしゃるんですね。
はい。そこは妥協したくないですね。反面、予約が取りにくいので、心苦しいところではあります。ただ、一人ひとりの診療にしっかりと向き合っていくには、どうしても一日のうちに診ることができる患者さんの数は限られます。多くの患者さんを診ようと思えばもちろんできるのですが、その分一人にかける時間は短くなる。それは決してしたくないのです。それだけ情熱を持って診療をしている自負がありますし、歯科医療を提供する者としての常識だとも思っています。もちろん、私の想いを理解してくれる患者さんがいてくださるからこそできることなのですが、患者さんたちのお口の中を良い状態に保つため、これからもしっかりと丁寧に診る姿勢は貫いていきたいです。
お口のことで困っている患者さんに対して、具体的にどういったアプロ―チをされているのでしょうか?
例えば、虫歯は細菌感染によるものですし、感染管理をいかに徹底するかは、今後の歯科医療の一つ大きな命題です。やり直しが少なく長持ちするためには、材料の質はもちろんですが、それ以上にそこに至るまでの治療の過程によって差が出ます。そのため、感染管理や虫歯の取り残しがないよう徹底することを心がけています。拡大鏡やラバーダム防湿を使った感染管理と精密な歯科診療が最も重要だと考えています。治療の精度を高めていくには、細かいことや基本を丁寧にきちんと行って、すべてのステップを確認しながら進めていく以外にないと思っていますので、そこはこだわりを強く持って行っています。
良いブラッシングは治療の要。患者とともに取り組む
歯科衛生士さんが活躍できる環境を大切にされていると伺いました。
開業時から、患者さんのセルフケアつまりブラッシングをいかに良くしていくか、をコンセプトにしています。歯周病や虫歯は細菌感染によって引き起こされます。そのため、患者さんのお口の中を長期的にしっかり守っていくことを考えたときに、歯科衛生士の力は必要不可欠です。なぜなら、そうならないように予防したり状態を維持したりする役割を担うのは、歯科衛生士だからです。ですので、歯科衛生士が活躍できる場を提供できるよう常に努めています。当院では担当制を敷いて、治療計画の段階から介入してもらっています。長く働きたいと思える職場、結婚や出産で辞めてもまた戻ってきたいと思える職場であり続けられるよう、どうしていけばいいかを一緒になって相談していきたいと思っています。
患者さんのブラッシングに対するモチベーションを上げるために心がけていることは?
例えば、ぱっと見て汚れが取れていない箇所がわかるように、染め出しをした時の写真を撮ってお見せすると説得力が増しますね。また、口腔内の状態を数値化して、数字が良くなったら頑張られた点を声をかけることも心がけています。すべてデータとして残して以前と今とで画像や数字を比較して磨けていない部分を示しています。そうすることで一人ひとりに合った方法や道具が見えてもきますので、アドバイスができ、例えば3ヵ月ごとにメンテナンスで通っている方で悪い数字が続いたら、2ヵ月ごとに間隔を狭めましょうという提案もできます。そういったアプローチを繰り返し行っていくことで、患者さんと私たちの両輪で診療を進めていきます。
最後に読者へのメッセージをお願いします。
一つ一つのステップを大事にして、しっかりとやり切っていくことが患者さんのお口の中を守っていく唯一にして最善の手段だと思っています。ですので、そういった歯科医療を受けたい方や、今まで受けてきた歯科医療がどうもしっくりこないなという方は、ぜひ一度ご相談ください。きっとその方に必要な歯科治療をご提供できると考えています。人生は長いですし、お口の中の状態は健康寿命と密接に関係しています。忙しいと歯科医院に通うことが面倒に感じることもあるかもしれませんが、患者さんの長い人生にとって本当の意味でのプラスになるようアプローチしたいと思っていますので、困っている方は気軽にお越しください。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント治療/35万円~
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マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。