正しい噛み合わせ実現のためにも重要な矯正。ハードルの低いマウスピース型装置を用いた矯正も選択肢に

Qワイヤーによる矯正との違いやメリットを教えてください。

A

▲透明で目立ちにくく、取り外しが可能

最も大きな違いは、透明で目立ちにくいこと、取り外しができることです。ワイヤーとブラケットによる矯正ではワイヤーが目立つため、見た目で矯正を諦めていた方でも、透明なマウスピース型装置なら抵抗がなく装着できるのではないでしょうか。個人差がありますがマウスピース型装置のほうが痛みが少ないという場合も。また食事や歯磨きの時には外して食事を楽しんだり、満遍なく丁寧に歯を磨いたりできることもメリットですね。正直、ワイヤーは汚れが残り虫歯になりやすいという注意点があります。しかし、いつでも外せるということは、逆に決められた時間使わないと矯正が進まないリスクがあるという点がデメリットにもなります。

Q矯正に向いている人や開始のタイミングはありますか？

A

▲患者の要望やタイミングに合わせて提供する

乳歯の中に永久歯がある程度生えてきた混合歯列期である6～7歳ぐらいから可能な矯正システムもあります。当院の患者さんは30代の方が多く、女性の割合が少し高いですね。「矯正を他人に知られたくない」という方や、ワイヤーによる矯正が「痛かった」「目立つので嫌だった」ということでマウスピース型装置を用いた矯正に興味を示される方もいます。当院は予防歯科やホワイトニングに力を入れており、定期検診に来られるなど意識の高い方が多く、歯をよりきれいにという提案をしやすい環境でした。矯正したいと思ったときがタイミングだと思いますのでご相談くださいね。

Qそもそも矯正はなぜ必要なのでしょうか？

A

▲健康な歯を保つためには、噛み合わせが非常に重要となる

矯正は歯列をきれいにするためのものですが、なぜきれいにすることが大切かというと、それは噛み合わせを正しくし、歯にかかる力のバランスを整えて歯を長持ちさせるためです。歯列がきれいだと磨きやすく虫歯や歯周病になりにくいから長持ちするともいえますが、力のバランスが整うと、歯が本来の役割を発揮できるようになることが大きいのです。前歯は食べ物を噛み切る、奥歯はすり潰す、犬歯は食べ物を噛むのに他の歯が左右に動いても踏んばる、というのが役割。犬歯は歯根が長くて強いのですよ。このように顎の関節を支点とした顎の動きが正しく機能することで歯を長く持たせることが期待できます。それが矯正の目的なのです。

Q実際の矯正の流れを教えてください。

A

▲シミュレーションを行い、矯正前にイメージすることが可能

当院では矯正のご提案として先に口腔内スキャナーで口内をスキャンし、矯正をした場合どのような歯列になるかのシミュレーションを3D画像でお見せしています。画像は患者さんのスマートフォンに転送しますので、おうちで見直したりご家族と相談したりできます。前向きに検討されたら次は口腔内写真やエックス線の撮影、さらにお顔の正面写真や横からの写真を撮影します。抜歯の有無や歯を削る必要があるかどうかを診断し患者さんの希望もお聞きした上で緻密な矯正計画を立てていきます。ご納得いただければ矯正開始です。マウスピース型装置を発注し、届いたら大体1ヵ月分をお渡ししますので、およそ1週間ごとに自宅で自分で取り替えます。

Q矯正中に注意することはありますか？

A

▲自宅での歯磨きも重要、同院では電動歯ブラシも提案している

使用するマウスピース型装置は大体50～60枚程度で、多い人だと90枚程度、矯正期間は1年半～2年になります。通院は大体1ヵ月に1回程度で、その時に歯の動き具合や装置の確認、調整、ブラッシング指導をします。つまり歯科医院に来ないほとんどの時間は患者さん自身が頑張ることになります。丁寧な歯磨きはもちろん、20時間の装着時間を守ることはとても大事です。またマウスピース型装置を新しいものに交換したときには、シリコン製の弾力のあるロールを噛んでマウスピース型装置を歯にしっかり密着させましょう。気になることがあるときはいつでも歯科医院に連絡してください。