山本 慶雪 院長、山本 有希 先生の独自取材記事
みどり坂総合歯科クリニック
(各務原市/新鵜沼駅)
最終更新日:2025/04/01

鵜沼東町、広い坂の途中にその名を冠した「みどり坂総合歯科クリニック」はある。2018年にリニューアルした同院は、老若男女を対象に幅広い治療を行うほか、新たに予防専用ゾーンを設け、健康な口内環境の維持にも力を注いでいる。複数の歯科医師に、歯科衛生士、歯科助手、さらに院内で人工物を作る歯科技工士も常駐、スムーズな治療につなげている。子連れの患者には保育士の存在がありがたい。中村一前院長の娘婿である山本慶雪(やまもと・のぶゆき)院長とその妻の山本有希(ゆき)先生は「前院長が築いてきた信頼を引き継ぐとともに、予防や訪問診療、さらに若手の育成にも積極的に取り組みたい」と意欲を語る。プライベートでは子育て真っ最中の2人に、同院の特徴について聞いた。
(取材日2019年7月30日)
総合的な治療に加え、予防にも力を入れるクリニック
こちらは40年以上の歴史がある歯科医院だそうですね。

【山本院長】はい、中村一前院長が1976年に「中村歯科」として開業したのが始まりです。私は、前院長の次女の婿にあたります。妻は学生時代の同級生。実は結婚前に、住んでいた名古屋から当院に通っていたんですよ。当時からここはアットホームな雰囲気で、院内で居眠りをしている方もいたくらいです。前院長は患者さんに慕われていて、40年以上続けて通ってきてくださる方も多いですね。私は2014年から当院に参加しています。
一般歯科の他に、小児歯科、口腔外科、矯正治療、インプラント治療など幅広く治療されていますね。
【山本院長】私は大学卒業後、美濃加茂市の歯科医院に勤務したのですが、そこでは複数の歯科医師がさまざまな治療を行っており、当院でも同じように幅広い総合的な治療を提供したいと思っていました。前院長も、1人の歯科医師がいろいろな治療ができたほうが良いという考えでしたので、2018年に改築、増築をして建物を一新したことを機に、新しい院名に「総合」と入れ、コンセプトを明確にしました。歯科医師は、前院長、私、妻の他にも2人、また妻の姉も歯科医師で非常勤で来てくれていますので、全部で6人になります。それぞれが、矯正治療、インプラント治療など一部担当を持ちつつオールラウンドに治療ができるよう体制を整えています。
2018年に建物はどのようにリニューアルされたのですか?

【山本院長】診療を2階で行っていますので、エレベーターを設置しました。また、以前の建物では、ここに6台のチェアがオープンな状態で並んでいたのですが、それを3つの半個室と2つの個室とし、一つ一つのスペースを広くしました。増築したフロアには新たに6室をつくり、予防専用のゾーンとしています。治療ではなく歯科衛生士による歯磨き指導やクリーニングを受けていただくところになっているんです。うち2室はファミリールームで、床にマットを敷いておもちゃを置いており、親子一緒に入っていただけます。
リラックスしてもらえるように子どもの患者にも配慮
お互いに、歯科医師としてどんな方なのか紹介していただけますか?

【山本院長】妻は子ども好きで、良い母親でもあり、優しいですね。さりげない気遣いができますので、患者さんともスタッフとも上手にやってくれています。学生時代は成績優秀で、表彰されるぐらいだったんですよ。
【有希先生】今は子育て中で常勤ではないのですが、一段落したら父や夫、みんなと一緒に働きたいと思っています。院長は、学生時代から度胸があるといいますか、何でもとりあえず挑戦するというところがありますね。私は、どちらかといえばこつこつ頑張るタイプで、やれるかな?と考えてしまうのですが、夫はグイグイとやってみるタイプ。今も、新しい知識や技術を積極的に学び続けており、診療後や休診日には勉強会に参加していますね。
尊敬し合っていらっしゃることが伝わってきます。普段心がけていることは?
【山本院長】歯科医院に来られるときは、恐怖や緊張を感じている方が多いと思います。ですからリラックスしていただけるように、最初にその方の主訴や現状をお聞きすると同時に、ざっくばらんに歯科医院のどういうところが苦手なのか、ということまでお聞きして、今回はどのような治療を希望されているのかをくみ取ります。それにのっとって治療を進めていくことを心がけています。また、お子さんとも大人の方ともコミュニケーションを取ることを大事にしています。
【有希先生】自分の子ども、家族に受けさせたいと思う治療をするように心がけています。やはり身近な人がされて嫌だなと思うことは患者さんにもしたくありません。家族にするのと同じように、丁寧できちんとした治療を行いたいです。
こちらには子どもの患者も多いのですか?

【山本院長】夏休みなど長期休みや、夕方の時間帯はお子さんが半分ぐらいでしょうか。当院の前の坂道を上っていくと、私が嘱託歯科医をしていて、うちの子もお世話になっている幼稚園があるのですが、そこの園児は私が担当すると決めています。その子たちからすると、私たちは先生というより「〇〇ちゃんのパパとママ」。お子さんと同じ目線でお話しすると、あまり泣かれることもありません。怖がる子には、いきなり治療するのではなくトレーニングから始めます。
【有希先生】お子さんの好きな物の話や共通の話題を振ると、結構打ち解けてしゃべってくれますね。治療もできるだけ痛くないようにと気をつけています。例えば虫歯の治療は、機械を使うのではなく手で丁寧に削ります。きーんという機械音もなく、きめ細かくできて痛みも少ないと考えています。
予防や訪問診療にも注力し、地域に貢献
改めて、複数の歯科医師が在籍するメリットや特徴とは?

【山本院長】多くの患者さんを一度に診られること、それぞれが得意な分野を生かして役割分担ができることです。また、患者さんからの、女性の歯科医師、あるいは男性の歯科医師がいい、というご要望にもお応えできます。さらに一般歯科から矯正治療へと移行するときに、歯科医院を変えずに治療を継続できることもメリットですね。必要に応じて抜歯も行っています。
【有希先生】私は前院長から、歯科だけでなく全身管理もできるようになったほうがいいとアドバイスを受けて総合病院の口腔外科で研修しました。学んだことを生かし、当院では常に患者さんの全身管理に配慮しています。バイタルチェックで病気が疑われた場合には、病院に紹介することもできますよ。またインプラント治療の後、飲み薬だけでは十分ではない方に点滴で抗生物質を直接体に入れることもできます。
今後についてどんなことをお考えでしょうか?
【有希先生】痛くなってから治療するのでは、歯科医院は痛いところというふうに心に残ってしまいますし、かわいそうです。ですから予防に力を入れていきたいですね。私は小さい頃から前院長に「歯磨きしなさい」と言われて育ち、仕上げ磨きも結構大きくなるまでしてもらっていました。当時から父は、予防は重要だと考えていたんですね。うるさいと思ったこともありましたが、今、健康な歯でいられるのは両親のおかげ。今度は私が、親御さんに子どもの頃からの予防の重要性を伝えていきたいです。父は昔から真面目で、休みの日も勉強会に行ったり、夜は大学病院で研究したりと勉強熱心。父がこれまで築いてきた患者さんとの信頼関係を、スタッフと一緒に私たちが引き継いでいきたいと思っています。
院長のお考えもお聞かせください。

【山本院長】当院は、若い歯科医師や歯科衛生士の学校の学生の受け入れを行っており、教育機関としての役割も持っています。若い先生方にはぜひきちんと正しい治療ができるようになってほしいと思います。私自身も人に教えることで成長でき、さらに学ぼうと意欲が湧きます。当院では定期的な勉強会や、スタッフ同士で口の中を見せ合っての練習会もしていて、そうした学びを土台に今後も地域医療に貢献していきたいですね。特にお子さんは大事な存在。体の発育において口内環境の健康はとても重要ですので、予防とともに小児矯正治療にも力を入れたいです。また高齢化に伴い、訪問診療のご要望も増えてきました。患者さんのお口の健康を最期まで守りたいと思っています。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント治療(小臼歯見積もり例)/検査3万円 (骨再生8~12万円) 埋入19万円 かぶせ物 15万円 合計37~49万円 ※骨再生・骨造成が必要かどうかは骨の条件により変わる。
矯正治療/相談のみ~3000円 検査・診断料3万円 一期治療5~25万円 二期治療 ~65万円 調整料500~5000円 ほか
ホワイトニング/3万5000円~