堀田哲史院長の独自取材記事

堀田歯科

(各務原市／各務原市役所前駅)

最終更新日：2025/02/13

各務原市蘇原で40年以上にわたり歯科診療を続ける「堀田歯科」。1989年に近くのテナントビルから現在の場所に移転し、バリアフリーに対応。待合室には大きな窓と長いアーチ状のソファーがあり、広々としている。完全個室の診察室や歯科用CT、各種医療機器、歯科技工室を備え、精度の高い歯科医療を提供。親子3世代で訪れる患者もいるという。院長の堀田哲史先生は、一般歯科から小児歯科、審美歯科、成人矯正、訪問歯科診療まで幅広く対応。患者のニーズに対し、専門知識を持つ歯科医師として、アドバイスを行っている。「困っている人を助けたい」と穏やかな表情で話す堀田院長に、診療に対する考えや地域への思いなどを聞いた。

（取材日2025年1月23日）

患者の要望に応えるため、幅広い診療に対応
歯周病・虫歯予防の鍵は、日頃のケアと定期歯科検診
「困っている人を助けたい」を胸に地域の健康を見守る

患者の要望に応えるため、幅広い診療に対応

40年以上にわたり各務原市で診療されているそうですね。ご経歴とクリニックの歩みをお聞かせください。

大学卒業後に秋田県の歯科で経験を積み、1982年に地元である各務原市で開業しました。当時はこの場所からほど近いテナントビル内で診療していましたが、1989年に現住所に移転し現在に至ります。移転開業の際、バリアフリーに対応し、車いすやベビーカーでも訪れやすい環境にしました。また、診察室の完全個室化、診察ユニットやエックス線検査機などを新しくするなど、より患者さんが快適かつ精度の高い診療が受けられるよう整えました。診察室を完全個室にした理由は、周囲を気にせず、患者さんに気兼ねなく相談していただける環境にしたかったからです。また、閉塞感をなくすため、待合室に広い窓をつくり、日が差し込むようにしました。窓に沿って長いアーチ状のソファーを設置したのも、開放感を出すためです。ソファーの色を淡いオレンジにしたので、全体的に優しい印象になったと思います。

診療内容と患者さんについて教えてください。

一般歯科、小児歯科、審美歯科、矯正歯科、訪問歯科診療に対応しています。患者さんの年齢層は幅広いですね。親子3世代にわたる方や、20年ほど通われている方、各務原市から岐阜県外に引っ越した後も、当院をかかりつけ医にされている方もいます。特別なことはしていないのですが（笑）。「院長先生にお任せしたい」と言って、遠方から来てくださっています。ありがたいことですね。幅広く診療するためには、正確かつ適切な診断をめざさなくてはなりません。当院では、精度の高い診断・治療にするために、歯科用CTを使用しています。当院での対応が難しい治療については、専門の歯科クリニックを紹介します。

長年通われている方が多いのですね。患者さんと接する時に心がけていることは何でしょうか？　

患者さん一人ひとりと会話することです。治療の話から世間話、家族の近況まで、会話の内容は患者さんによってさまざまです。何げない会話から得た情報を生かして、治療プランを考え提案しています。例えば、患者さんから、「この治療をしたら、どうなるのか」「この詰め物はなぜ必要なのか」など、さまざまな質問をいただいたとします。それだけ治療に対する不安や期待が大きいのだろうと考え、どのような質問にもしっかりお答えし、不安解消や信頼関係の構築につなげたいと思っています。私の信条は、「困っている人がいたら助けたい」。幼い頃、内科医の父が親身になって診療する姿を見て、自然とそう考えるようになりました。これからも患者さんとのコミュニケーションを大切にしながら、口腔内の困り事を解決していきたいですね。

歯周病・虫歯予防の鍵は、日頃のケアと定期歯科検診

特に力を入れていることはありますか？　

マウスピース型装置を用いた矯正です。当院では、成人の矯正に対応しています。マウスピース型装置を用いた矯正の利点は、ワイヤー型の装置よりも装着時に目立たないこと、さらに取り外しができるので、食事や歯磨きがしやすいことです。しかし、基本的に食事と歯磨きをする時以外は装着し続けますので、しゃべりにくさや違和感を覚えることも少なくありません。また、歯磨きが不十分だと虫歯になりますので、日頃のケアには注意が必要です。矯正を始める際、マウスピース型装置を用いた矯正の注意点をしっかりと説明するようにしています。矯正をすることで、口元の印象向上をめざすことができたり、歯磨きがしやすくなったりする可能性があります。矯正後の患者さんが笑顔になってくれたら、何よりもうれしいですね。

歯周病の治療にも力を入れているそうですね。

はい。歯周病はプラーク（歯垢）に潜む歯周病菌によって引き起こされる、感染症です。歯周病が進行すると、歯槽骨と呼ばれる歯を支える骨が溶け、歯が抜けてしまいます。さらに、歯周病菌が血管から全身に広がり、悪影響を及ぼすこともあるのです。歯周病は年齢に関係なく、若い人でも感染するリスクがあります。歯周病治療で大切なのは、プラークがたまらないようにすること。そのためには、日頃から正しく歯磨きをすることが重要です。ですが、口腔内の状態や食生活、歯磨きの仕方によって、プラークがたまりやすい人もいます。歯科の定期検診は、そのような個人差を見極め、正しいケアをアドバイスする機会になると思っています。当院では、歯科衛生士による歯磨き指導や、患者さんに適した歯ブラシの提案、歯科医師による口腔内のチェックを行い、歯周病の予防と治療を行っています。

定期検診の大切さがわかりました。予防歯科には、ぜひ親子でも取り組んでほしいですね。

そうですね。子どもの口腔内の状態は、親の歯磨き習慣や食生活などの影響を強く受けます。お子さんの口の中を見れば、親御さんの口腔内の健康状態や習慣がわかるのです。お子さんの治療後に、家族全員の日頃のケアについてアドバイスすることもあります。この地域はお子さんがいる家庭も多く、子育て中の方がご家族で受診できるよう、当院では以前から小児歯科の診療を行っています。院内はバリアフリーに対応していますので、ベビーカーでも安心してお越しいただけます。家族全員で予防に取り組んでほしいですね。

「困っている人を助けたい」を胸に地域の健康を見守る

院内に歯科技工室があるとお聞きしました。

入れ歯（義歯）、かぶせ物などの補綴物をつくる歯科技工室があります。院内に設備がない場合、歯科技工士のもとへデータを送り、補綴物の製作を依頼します。そうすると、完成まで患者さんにお待ちいただくことになりますよね。当院では、歯科技工士が常勤し、院内の技工室で補綴物の作成や調整を行っています。入れ歯の調整やメンテナンスにスムーズに対応できるよう、移転開業した際に設備を整えました。ご高齢の患者さんも多いので、このような設備が必要だと思ったのです。新鋭のデジタル機器はありませんが、歯科技工士が手作業で患者さんのために補綴物を作っています。

訪問歯科診療や審美歯科もニーズに応えるために始められたのでしょうか？　

訪問歯科診療も開業当初から続けています。当時は、周囲に訪問診療や往診を行っているクリニックが少ない時代でした。最近は各務原市からの要請を受け、高齢者施設などを訪問しています。当院をかかりつけ医にしていた方が施設に入られ、ご本人から「ぜひ来てほしい」とお願いされることもありますね。近年、高齢者施設に入られる方が増えていますので、要望があれば往診を続けたいと考えています。審美歯科についても、患者さんからのニーズに応えるために始めました。インプラント治療専門の個室も備えています。実際に治療する際は、インプラントの耐用年数などを考慮した上で、患者さんの要望に合わせて治療するようにしています。

最後に、今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。

「困っている人がいたら助けたい」という思いで、診療を続けてきました。これからも頼ってくださる患者さんをしっかり診ていく。それに尽きますね。歯周病や虫歯の予防、口腔内の健康維持のためには、日頃のケアに加え、定期検診が必要です。3ヵ月に1回の検診をお勧めしていますが、難しければ最低でも年に1回は歯科を受診していただきたいですね。矯正歯科や審美歯科などの自由診療のご相談にも応じますので、気軽にご相談ください。自由診療で口腔内の状態の改善を図ることが、虫歯予防・歯周病予防にもつながると考えています。各務原市蘇原のかかりつけ医として、患者さんのニーズに応えながら、地域の健康を見守っていきたいですね。