後藤 正孝 院長の独自取材記事
後藤歯科医院
(名古屋市北区/黒川駅)
最終更新日:2026/07/31
名古屋市営地下鉄名城線・黒川駅1番出口のすぐ隣に建つ、モダンで落ち着いた和風の建物。1977年に開業し、半世紀近く地域に根づいてきた「後藤歯科医院」だ。2代目となる後藤正孝院長は一般歯科をはじめ幅広い分野の診療経験を積む中で、スウェーデン式予防歯科を学び、現在は、患者一人ひとりの現状や将来的なリスクを踏まえた予防ケアに積極的に取り組んでいる。患者の長い人生を視野に入れて歯と口の健康を守ることを使命とし、「当院に関わるすべての人の幸せが願い」と穏やかにほほ笑む後藤院長。診療の理念や自身が育った地元への熱い思いなど、ざっくばらんに語ってもらった。
(取材日2026年6月18日)
歴史ある歯科医院でスウェーデン式予防歯科を推進
こちらは歴史ある歯科医院と伺っています。

当院は1977年に父が開業し、2027年に50周年を迎えます。私が院長に就任するのに合わせて2019年に全面的にリニューアルし、2階だった診療室を1階にしてバリアフリーに、また、内装は木の風合いを生かした和モダンの落ち着いた空間にしました。「歯医者さんは苦手」という方にもゆったりとくつろいでいただけたらと思っています。チェア数は3台で、ユニット一つ一つが広めです。患者さんの荷物を置いたり、親子、きょうだいで座っていただけるスペースもあります。
先生が歯科医師をめざし、予防に注力されるようになった経緯を教えてください。
昔は歯科医院と自宅が一緒で、診療する父の姿を毎日見ていましたので、自然と同じ道に進みました。もともと私は手先が器用で、図工の時間は張り切ってしまうタイプでしたから、歯科の勉強も実習も楽しかったです。大学卒業後は勤務医として、一般歯科診療から歯科口腔外科、矯正、インプラント治療まで幅広く経験を積みました。勤務先の先生方にはたいへんお世話になり、感謝してもしきれないほどです。ただ、患者さんの中には、治療してもまた悪くなるということを繰り返してしまう方もおられました。根本的な解決策を見いだせず悩んでいた時、歯周病学についてのあるセミナーを受けたのです。講師は日本の歯周病学の草分け的な存在の方で、歯周病学発祥の地であるスウェーデンの大学に留学して学ばれた方でした。予防の歴史や、虫歯、歯周病についての学術的な話を聞き、「そういうことか」と納得し、予防の重要性を強く感じました。
こちらではスウェーデン式予防歯科を実践されているのですね。

はい。それまでは自分が何をめざしていくのか方向性が定まっていませんでしたが、患者さんの歯の健康を生涯守るため、予防に取り組んでいこうとビジョンが固まりました。自分が思い描いている診療をするには自分の歯科医院でと考え、父の後を継いだ次第です。ここは下町エリアということもあり、父のやり方に慣れたご高齢の患者さんが多くいらっしゃいましたので、昔ながらの歯科治療が中心ではありましたが、予防重視の軸はぶれないようにしてきました。最近では、新築のマンションが増え、お子さんや若い方の来院も目立つようになってきました。それに伴い、初診からメンテナンスや予防を希望をされる方も増えてきましたね。ホームページでも予防のための情報発信をしており、少しずつ予防の大切さが広がっていけばいいなと思っています。
検査により一人ひとりに合わせた予防を提案
スウェーデン式の予防とはどのようなものですか?

日本では80%以上の大人が歯周病に罹患しているといわれていますが、スウェーデンの罹患はその半分程度といわれています。歯科医院は痛くなったら行く所ではなく、定期的にメンテナンスをする所という考えが根づいています。そのため、子どもの虫歯が少なく、自分の歯で何でも食べられる高齢者が多い国でもあるのです。予防の考え方は非常に合理的で、一人ひとりの口腔内の現状とリスクを調べ、それを判定した上で、予防あるいは治療のプランを立てていきます。当院ではこうした合理的な考えやメソッドを取り入れて、予防を進めています。クリーニングにはスウェーデンで使われている歯面清掃器を取り入れており、細かなパウダーを水とともに歯に吹きつけて歯周病や虫歯の原因となるバイオフィルムを除去していきます。
検査についても教えてください。
緊急の場合は応急処置を行いますが、そうでなければ、視診、エックス線写真撮影、そしてカメラで口腔内の写真撮影をします。写真に残せば経年変化もわかりますし、患者さんご自身の理解度も高まります。加えて歯周病検査は時間をかけて丁寧に行います。歯の全周の測定、歯茎の炎症の確認、歯茎の骨の観察など複数の検査から総合的に診断していきます。将来的な歯周病や虫歯のリスクがわかりますので、通り一辺倒のアドバイスではなく、一人ひとり検査結果を踏まえての治療、あるいは予防の計画を立てていくのです。カウンセリングでは丁寧にご説明し、患者さんの不安やご希望に耳を傾けることも大切にしています。
一人ひとりに寄り添ってアドバイスを行っているんですね。

お口の中は一人ひとり違います。一見きれいでも歯周病が進行しやすいタイプや、歯磨きをあまりしていなくても重症化リスクが低いタイプなどがある他、歯磨きを頑張りすぎて今度は歯茎を傷めてしまったなど、定期的に診ていくと気をつけるポイントが変わってくることもあります。その意味でも本当にお口の健康を守るためには、正しいセルフケアと、その方のリスクを踏まえた予防計画、そして継続が大事といえますね。当院では継続通院されている方も歯周病検査は毎回、口腔内写真とエックス線写真の撮影は年1回行います。以前と比べて良くなっていると私もうれしいですし、患者さんのモチベーションも上がります。当院の歯科衛生士はスウェーデン式予防歯科を学んでよく勉強しており、専門的なスキルがあります。やりがいを持って取り組んでいますので、何でもお気軽にご相談ください。
「生涯、噛めるように」サポートを続ける
歯科医院の理念はどのようなことですか?

患者さんには誠心誠意向き合おうと心がけて日々診療にあたっています。私の願いは、患者さんはもちろん、スタッフなど後藤歯科医院に関わるすべての人に健康で幸せになってほしいということ。いくら良い診療をしても自己満足で終わってはいけないと思うのです。患者さんとそのご家族、スタッフとそのご家族、さらに協力業者さんも含めすべての人が幸せな人生を送れるよう、一人ひとりが考え行動していく、これを当院の理念としています。また、スタッフには、仕事だけでなくプライベートも充実させてほしいですね。私自身は、休日は子どもたちとキャッチボールをしたり、草野球チームや地域のソフトボールチームに参加して体を動かしたりしています。手話サークルも10年以上続けており、耳の聞こえない友人もたくさんできました。
地域や人とのつながりを大切にしておられるのですね。
リニューアルの際には、歯学部時代の野球仲間や地域のソフトボール仲間に本当に助けられました。人のつながりにはとても感謝しています。ちなみに草野球チームのピッチャーはお世話になっている歯科技工士さんです。クリニックは昔からある商店街の一角にあります。私が生まれ育った地元であり、子育てをしている地域です。私は現在、商店街振興会の副会長ですので、地域の皆さんと一緒に黒川を盛り上げていきたいと考えています。近くにある大学の学生さんたちと共同で商店街のお店を紹介する「町歩きマップ」も作りました。これからも人の輪を大切に、歯科医院として地域の健康づくりに貢献していきたいです。
改めて今後の展望などお聞かせください。

年齢を重ねると、人生の楽しみは「食べること」になる方が多いそうです。人生の楽しみを最後まで思う存分味わうためにも、自分の歯で食べられる、おいしいと感じられるお口であってほしい。そのために予防が何よりも大切なのです。先代の父がよく言っていたのは「噛める状態をめざすことが基本」ということ。父の時代の診療は今とはまるで違い、予防の意識も高くなかったと思うのですが、よくよく考えると、父が言っていたことは今の時代にも大切なことではないかと。「噛めるように」とはひいては虫歯予防、歯周予防につながるのではないでしょうか。また、口腔機能を守ること、フレイルにならないようにすることも結局、生涯「噛めるように」ということです。父がこつこつと基本を貫いてきたからこそ、今がある。それを今後も、50周年を超えても引き継いでいきたいと思います。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント治療/40万円~、セラミックを用いた治療/6万円~

