遠藤 泰昭 院長の独自取材記事
中部矯正歯科クリニック
(名古屋市中村区/名古屋駅)
最終更新日:2024/11/15
名古屋駅から徒歩5分、エントランスにモダンな木のベンチが置かれたオフィスビル2階に入る「中部矯正歯科クリニック」。院内に入ると、のんびりとしたハワイアンミュージックが流れ、アットホームな雰囲気に包まれる。院長を務める遠藤泰昭先生は大学卒業後、矯正専門の歯科医院で研鑽。診療に携わる中で、噛み合わせを考慮した矯正を行うには顎関節を深く知ることが重要と考え、その研究にも打ち込んだ。理論に基づき、一人ひとりの口腔環境に合わせて行う精密な歯列矯正が強み。「診療の際には難しい専門用語を使わず、わかりやすい言葉で説明するよう心がけています」と優しく語る。プライベートでは趣味が多く、自宅で栽培した果実を患者に配ることもあるという気さくな遠藤院長に、院内のこだわりやクリニックの強みなどさまざまな話を聞いた。
(取材日2024年10月28日)
移転リニューアルをし、プライバシーに配慮した造りに
まず、先生が矯正歯科を専門にされた理由や、開業までの経緯をお聞かせください。
大学4年生の時の講義で初めて歯科矯正学について学びました。当時の衝撃はまだ覚えていますね。歯を動かすよう図って適切な噛み合わせをめざしていく歯列矯正はとても魅力的で、やりがいがあるだろうと感じられました。教授の話の面白さもあって、「これを専門にしたい!」と強く思ったのです。大学卒業後、矯正専門の歯科医院で経験を積み、1993年、30歳になったのを機に国際センター駅前のビルで開業しました。そこで30年以上診療を続けてきたのですが、ビルの取り壊しに伴い移転を余儀なくされまして。2024年10月5日に移転リニューアルしたんです。
リニューアルに際して、こだわった点はありますか?
患者さんが通いやすいよう、以前のビルからほど近いこの場所を選びました。ビルの2階にあるのですが、赤地に白い歯を描いたロゴマークが通りからも見えるように工夫しています。また移転リニューアルに伴い、院内の造りや動線にもこだわりました。誰しも診療中の姿を人に見られたくないですよね。それで診療室を個室にするとともに、受付を済ませたらすぐに診療室前の椅子にご案内するなど、患者さん同士が行き合わないように配慮しています。お子さんが治療される際には、親御さんに近くで見守っていただくことも可能ですし、クリニック横のパブリックスペースでゆったりとお待ちいただくこともできます。エントランスにモダンな木のベンチが設置されるなど、ビル自体が新しく洗練されているため、患者さんにも好評ですね。
院内に流れているBGMは、ハワイアンですか?
そうです。私はハワイが大好きなんです。何回も行っているのですが、何も考えずゆっくりできてとても癒やされます。音楽ものんびりしていて、悲しい曲がないのがいいですね。最近は行けていませんが、ハワイのコンドミニアムに泊まる時にはよく料理もするんですよ。普段から酒のさかな程度ですが料理はしていて、魚をさばくこともできます。ウクレレも弾きますよ。このBGMのおかげで患者さんから、「今度、ハワイに行くんです」「せんだって行ってきました」と声をかけられて話が弾むことも。「フラダンスを習っています」という患者さんもいらっしゃいますね。
顎関節の状態も考慮した、専門的な歯列矯正を提供
どんな患者さんが多いですか?
当院は矯正歯科専門ですので、一般歯科医院からの紹介の患者さんがほとんどです。年齢は、3歳から60代くらいまで。お子さんの場合、本格的な矯正は12歳くらいから始めるのですが、先天的な問題がある場合などは、小さな頃から診ることもあるんです。兄弟姉妹で通う子どもたちも多いですし、お子さんの矯正をきっかけに矯正を始める親御さんもいらっしゃいます。割合として多いのは30代の方で、「子どもの頃にしたかった」「お金がたまったから」といった理由で来院されています。中高年世代になると、インプラント治療をするためにまず矯正をして適切な歯列を望まれる方、歯周病治療と平行して矯正したいという方などさまざま。かかりつけの歯科医院と連携して進め、矯正が終わればお戻しするスタイルです。
治療の特徴を教えていただけますか?
成人の場合、顎の機能の維持または改善をめざしつつ、どのように噛み合わせを再構築していけるかを考えます。お子さんの場合、「顎育(がくいく)」といいますが、上の顎、下の顎、それぞれの成長のピークに合わせ、その前から噛み合わせを整えるようアプローチします。矯正では、ただきれいな歯並びをめざすだけでなく、顎関節の状態を含めて噛み合わせを整えよう図ることが大切です。私は、顔にある唯一の特殊な関節である顎関節を知らずして矯正はできないだろうと考え、研究に取り組み、医学博士号も取得しました。当院には、顎関節に問題がある方も多くいらしています。基本的には噛み合わせの悪さと顎関節の症状に因果関係はないとされていますが、噛み合わせの悪さが顎関節の症状を悪化させる可能性も指摘されています。噛み合わせから、お口のバランスを整えるよう促すことは大切なのです。
クリニックの強みをお聞かせください。
矯正と顎関節を専門にしていることが強みです。専門機関で学び、診療してきた経験を生かし、テクニックだけでなく理論に基づいた医療の提供をめざしています。矯正の理論を学んだ歯科医師には、いわば「引き出し」がたくさんあると思うのです。理論がわかっているからこそ、歯の傾きや骨の大きさ、位置などを考慮した上で、複数の方法を比較検討し、より良い方法を提案します。当院ではブラケットとワイヤーによる矯正を行っていますので、症例に応じて「奥歯をもう少し下げよう」「この歯にもう少し傾斜をつけよう」など噛み合わせを良くするための微調整が可能です。歯並びだけでなく、顎の機能まで考慮した矯正ができるのです。
わかりやすい説明、アットホームな雰囲気づくりに注力
診療の際にはどんなことを心がけていますか?
難しい専門用語を使わず、画像や図も用いながら、わかりやすい言葉で説明するよう心がけています。例えば顎関節に症状をお持ちであれば、状況を図に描いて、「こうなっているので口を開けにくいのです」などとお話しします。お子さんの場合、当院では注射をしたり歯を削ったりしないので、「ここでは痛いことはしないよ」と話して安心してもらいます。親御さんとはスタッフのほうがよく話しているかもしれませんね。スタッフたちは、優しく丁寧。矯正を受けた経験のあるスタッフもいるので、患者さんの気持ちに寄り添えるのではないかと思います。
お子さんの場合、矯正中の注意点はありますか?
親御さんの協力が必要になりますね。お願いするのは歯磨きのチェック、そして矯正が進むと必要になる、お口の中で使うゴムの調整です。矯正は2年から2年半続きますが、当院でチェックするのは基本的に月1回。あとの30日近くは自宅でケアをしますので、大切なポイントをわかりやすく説明しています。定期検診では染め出しをして、磨き残しの箇所をお子さん自身にもしっかり認識してもらいます。1ヵ月間気をつけて磨き、次に染め出しした時に変化が見られると、お子さん自身のモチベーションも上がると思いますね。子どもも大人も、患者さん自身の気持ちが大切です。
今後の展望をお聞かせください。
今後も、よくコミュニケーションを取って、お一人お一人と近しい関係を築くよう努めたいですね。そうすれば、患者さんも言いたいことを言いやすくなると思うのです。当院では、自宅で育てたスダチやレモンなどを患者さんにお裾分けすることがあるのですが、「レモン漬けを作ったらおいしかったよ」と話してくださる方も。最近、お子さんを連れてきたお父さんに、「私もここに通いました」と言われた時はうれしかったですね。皆さんに通いやすく感じてもらえていたら幸いです。
最後に読者に向けたメッセージをお願いします。
「きれいになるだろうか」「きちんと噛めるようになるだろうか」と不安を感じる方もいると思います。矯正は年単位の時間を要しますし、歯科医師との相性もありますので、受けるかどうか悩んでいる方には、いくつかの歯科医院を回って説明を聞いてみることをお勧めしています。当院では、治療後のアフターフォローもしっかり行っています。また矯正以外のことで問題があれば、すぐにかかりつけの先生と連絡を取りますし、口腔外科や他の分野の専門家、内科や耳鼻咽喉科、精神科などの先生とも緊密に連携しています。矯正についてお考えの方は、まずは一度ご相談ください。
自由診療費用の目安
自由診療とは矯正治療/第1期 44万円、第2期 第1期をした場合はプラス49万5000円 第2期から開始する場合は93万5000円