山岸 正幸 院長の独自取材記事
山岸歯科医院
(名古屋市中村区/太閤通駅)
最終更新日:2026/10/15
明るく開放感のある雰囲気で、清潔に保たれている院内が印象的な「山岸歯科医院」。幅広い年齢層の患者が足を運ぶこともあり、あえて入り口を2つ設けて、その1つをベビーカーや車いすなどでそのまま入ることができるようにしているなど、患者への気配りが院内の設計からも感じ取れる同院。話好きで親しみやすいと評判の山岸正幸院長は、取材中もわかりやすい言葉を選んで話したり、エアコンの温度を自ら調節するなど、相手を思いやる姿が印象的だ。時にはユーモアも交えつつ話してくれるので、歯科嫌いの患者も緊張せずに過ごせるだろうと思わせる。そんな山岸院長に、同院の特徴や歯を残すことに対しての思い、今後の展望などについてじっくり語ってもらった。
(取材日2017年8月3日)
専門用語を使わず、わかりやすい言葉で丁寧に説明
歯科医師を志された理由と、これまでの経緯についてお聞かせください。

私は生まれも育ちもこの土地で、この場所にはもともと実家の薬屋がありました。父は、自分と同じ薬剤師をめざしてほしいと考えていたと思いますが、姉が薬剤師になったこともあり、自分は歯科医師の道を選びましたね。今、私の娘が薬学部に在籍しており、薬剤師をめざしています。私は国公立大学に進学したいという思いもあったため、長崎大学へ進学。学生時代は友人に恵まれ、いまだに付き合いがあります。1991年に大学を卒業した後は名古屋に戻り、南区と熱田区の歯科医院で勤務医をしていました。卒業後から開業することを視野に入れていましたね。そして経験を積んだ後、1997年に開業しました。
開院から20年ですが、患者さんの層などに変化はありますか?
この辺りはいわゆる下町で、年齢層は高めのエリアです。下は0歳から上は100歳以上の方まで、幅広い層の近隣の方にお越しいただいています。地域の特徴もあり、開業時から特にご高齢の方に安心して来ていただけるような歯科医院にしたいと考えていました。表と裏に2つ入り口を設けているのですが、裏の入り口からはベビーカーや車いすなどでもそのまま院内へ入ることができるような設計となっています。最近は一人暮らしの方が地域に増えたことに伴い、若い年代の患者さんも増えてきた印象があります。以前、歯科医師の年齢に近い年代の患者さんが自然と多くなるという話を聞いたことがありますが、当院も開院から20年たち、私も患者さんと一緒に年を重ねていっているなと感じていますね。また患者さんが、ご自身のお子さんやお孫さんを連れてきてくださるということもあります。
治療に当たって、特にどのようなことを心がけられていますか?

当たり前のことを当たり前に行う、といったところでしょうか。特に治療の前の説明はじっくりと時間をかけて行うようにしています。専門用語で話すほうが早いですが、それは使わずに、わかりやすい言葉に置き換えてお話しするようにしています。悪くなった原因や治療の流れなど、しっかりと理解して納得いただくことが大切だと考えているためです。また保険診療をベースとしながら、なるべく歯を残すということも大切にしています。現在の歯科治療は、自由診療も含めるととても幅広い選択肢がありますが、当院の患者さんは若い方やご高齢の方が多く、保険内での治療を希望されている方が大半ということもありますので、まずは保険内で可能な治療をご説明するようにしています。
QOL向上のためなるべく歯を残す
歯を残すことについてどのような意味がありますか?

大人の場合、永久歯は乳歯とは違って生え変わりはありませんよね? つまり何かあって歯を抜くことになってしまったら、もう二度と歯は生えてこないということです。一部でも残っていれば、なんらかの対処ができますが、抜いてしまってはもう方法がありません。歯を抜くと、その失った歯を補うために、ブリッジやインプラント治療、入れ歯など、何かしらの大きな処置をしなければならなくなります。なるべく治療が最小限で済み、大きな治療にならないように歯を残す努力をするということです。歯を残すことで患者さんも喜ばれますしね。しかし、他の歯に悪い影響を与えるような歯に限っては残しておくことはできませんので、抜く場合もあります。
いわゆる8020(はちまるにいまる)運動についてどのようにお考えですか?
“8020運動”とは、自分の歯で食べ続けるため「80歳になっても20本以上自分の歯を保とう」という運動のことです。通常歯は28本ありますので、その大半を維持し続けなければいけません。自分の歯の大半が残っている場合とそうでない場合の噛み心地は大きく異なり、自分の歯であることで噛みやすく、おいしく食事を楽しむことができます。自分の歯で噛める喜びというものは何事にも代え難く、義歯を使わずにいられるのであればそれに越したことはありません。それは生活の質であるQOL(クオリティーオブライフ)の向上にもつながるといえるでしょう。さらに噛むことで認知症の予防や、生活習慣病の予防にもつながるともいわれています。ただ、どうしても痛くて噛めない場合には、無理に自分の歯を残さないという選択肢もあります。そして抜きたくない時に抜くよりは、ご自身が抜きたいと思う時に抜くほうが良いと思います。
親知らずがある人は抜いたほうが良いのでしょうか?

親知らずに関しては、やはり歯を抜くにも勇気が要りますので、無理強いはしませんが、他の歯に悪い影響が及ぶ場合は抜くべきだと考えています。親知らずが歯茎の中で引っかかって生えていなくても、ばい菌だけは入れる隙間があるので、見えないところで悪さをして、正常な歯を溶かしてしまう場合もあります。磨くことができず、噛めずに、さらに他の歯に悪影響のある場合は、本当の意味で“必要のない”親知らずです。ただし、きちんと生えていて磨けるし噛めるものであれば、残しておくと20年後、30年後にブリッジや入れ歯の支えに使えることもあります。痛みがあると抜こうという気になりますが、痛くない場合もあります。今はいいですが、年齢を重ねた時に、抜きたくても抜けないという場合も出てきます。病気による薬の影響で抜くことができない場合もありますので、そうなる前に抜くことを勧めるケースもありますね。
歯がなくなってから後悔しないために、今から始める
お休みの日は何をして過ごされることが多いですか?

休みの日は妻と映画を見に行くことが多いですね。ジャンルはさまざまで、幅広くいろんな作品を鑑賞します。話題になっているものなども見ますよ。だいたい私のほうから次はあれを見ようと提案しますね。今日もこの後、映画を見に行こうと思っています。映画館も近いですしね。
今後の展望についてお聞かせください。
今通っていただいている患者さんに満足していただくことですね。それを繰り返していくことだと思います。今、なんらかの症状で困っておられる方、また今後困りたくないために定期検診に来られる方々と、一生懸命向き合っていきたいですね。そしてこれからも長きにわたって、患者さんの歯の健康を支えていけたらと考えています。
最後に、読者へのメッセージをお願いします。

若い頃の歯磨き習慣やケアの仕方で、晩年の口腔状態が決まってきます。実際に年配の方で、歯が抜けてしまってから後悔されている方がたくさんおられます。やはり30代~50代の頃にきちんとケアしておくことがとても大切です。20年後、30年後、40年後にしっかりと自分の歯で噛めるためには、今のうちからのケアが基本となります。悪くなって初めて気が付くというケースが多いですので、歯を失ってから後悔しても遅いということをお伝えしておきたいです。今、健康な時から気を付けることで、今後のQOL(クオリティーオブライフ)が向上します。それはご自身が年を重ねられた時に、実感されると思います。そのためにしっかり定期検診に通って、ご自宅でのケアもしっかり取り組んでいただきたいです。その上で何かお困りのことがあれば、お気軽にご相談いただければと思います。

