セラミック治療のメリット、デメリットを解説
審美歯科
名古屋アリスデンタルクリニック
(名古屋市中区/栄駅)
最終更新日:2021/10/12


- 自由診療
目立つ場所の歯が欠けた、虫歯になってしまったなど、見た目に大きく関わるような歯の治療で用いられることが多いセラミック素材。白く透明度もあり、天然歯の色味に近づけることで自然な仕上がりをめざせるため、以前治療した歯の詰め物やかぶせ物の変色により再度治療したいといった場合に「見た目を良くしたいから」と選ばれることも少なくないそうだ。一方で最近では、一部の歯であれば保険診療でも白い色味の素材を選択できることもあるなど、比較的気軽に歯のような“白い素材”を選べるようにもなってきた。数ある素材の中でもセラミック素材の特性とはどんなものか。「名古屋アリスデンタルクリニック」の平野裕昭院長に、セラミック素材を歯の治療で用いるメリットについて詳しく解説してもらった。
(取材日2019年7月8日)
目次
セラミック素材は自然な見た目に加えて耐久性も望め、二次う蝕や歯周病のリスク回避に役立つなどの特徴も
- Qセラミック素材の特徴について教えてください。
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A
▲セラミック素材のメリットデメリットをしっかり伝える平野先生
見た目に自然な仕上がりとなるのは広く知られているでしょうが、特徴はそれだけではありません。私が特にメリットと感じるのが、さまざまな口腔内のトラブル予防をめざせる点です。例えば、セラミックは表面がつるつるとしていてプラーク(歯垢)がつきにくいので、虫歯や歯周病の予防にも役立ちます。金属も表面はつるつるとしていますが、唾液の成分などの影響から微弱な電気を帯びているためプラークがつきやすいんです。また温度変化によって膨張と収縮を繰り返すと金属を固定するセメントが壊れ、そこから虫歯が再発することも。また金属の場合、アレルギーの心配もありますよね。このような心配が少ないのが、セラミック素材の特徴です。
- Q保険診療で用いる白い素材とはどんな違いがあるのでしょうか?
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A
▲虫歯や歯周病の予防にも役立つセラミック素材
確かに現在は、保険診療でも一部の歯の治療に対してハイブリッドセラミックと呼ばれる白い素材を選べる場合もあります。ただハイブリットセラミックはプラスチックにセラミック粒子を混ぜた素材で、セラミックとは特性がまったく異なります。例えば、通常のプラスチックと比べて強度は高いものの、食事や歯磨きなどから表面に細かな傷がつきやすく、プラークも付着しやすいんです。吸水性があるため着色汚れもつきやすく、素材そのものが経年変化によって変色するなどの特性があります。色味合わせにも限度があり、形状の微妙なニュアンスを再現するのもあまり得意ではありません。対してセラミックは天然歯の持つ微妙な凹凸の再現も図れます。
- Qメリットが豊富と感じるセラミック素材の欠点はありますか?
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A
▲タブレットを使い丁寧に説明をする平野先生
着目すべきは硬度と素材の構造の特徴です。セラミックは硬度があり傷に強い一方、構造としてはもろく、強い衝撃が加わると簡単に割れてしまいます。また、割れにくくするためにはある程度の厚みが必要です。金属などの素材に比べて健康な歯を削る量が増えてしまうのは、セラミックだからこそ起こる欠点の一つです。また、噛むたびにかかる力をうまく受け止めるためには、詰め物やかぶせ物がきちんと固定されていないといけません。歯とセラミックの適合や接着剤の選定も重要ですし、接着技術も求められます。専門的な知識・技術を要しますが、その分治療精度が高ければセラミック本来のメリットは、いかんなく発揮できるということです。
- Q治療を進める上で大切にしていることは何ですか?
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A
▲接着技術が重要なセラミックの治療
セラミックのメリット・デメリットを考慮した上で、機能的にも見た目にもバランスの取れた仕上がりを追求しています。加えて重視しているのが、患者さんとの目線合わせです。例えば複数本の歯を治療する場合、事前に採取した歯型をもとに作製した治療シミュレーションを提示します。患者さんの満足度の高い治療をめざす上で、誤解のないように治療のゴールを共有し合うのは大切なこと。他にも重要となるのが、歯科技工士さんの存在です。技工物の色味や形状を天然歯と合わせるためには、細かな調整が必要となりますからね。時には微妙なニュアンスを再現してもらうために、外部の歯科技工士さんを招いて診察に同席いただくこともあります。
- Q治療後の状態を持続するためにはどうすればいいですか?
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A
▲治療後の口内環境も真剣に考慮する平野先生
基本となるのは、毎日きちんとセルフケアを行うこと。健康を維持するためには、やはり患者さんご自身の努力が不可欠です。当院では歯科衛生士が中心となって、正しいブラッシング方法の指導や、患者さんの口腔内に合う歯ブラシ、歯磨剤などのツールの紹介を行い、その上で患者さんの生活背景を踏まえた「続けやすいセルフケア」の提案に努めています。ただ、どれだけ毎日セルフケアをしていても、セルフケアでは取り切れない歯石やバイオフィルムがだんだんとできてしまいますから、定期的にプロフェッショナルケアを受けてきれいな状態にするのも大切です。セルフケアとプロのケア、両方があることで、健康な状態が保てるといえるでしょう。
自由診療費用の目安
自由診療とはセラミックインレー/5万円 オールセラミックラウン(ジルコニアフレーム)/12万円 オールセラミックラウン(アルミナフレーム)/10万円