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日江井 眞 院長の独自取材記事

大井歯科

(名古屋市中区/東別院駅)

最終更新日:2021/10/12

日江井眞院長 大井歯科 main

東別院駅1番出口から徒歩3分。山王通沿いにあり、青い看板が目印でわかりやすい「大井歯科」の院内に入ると、日江井眞院長が患者と談笑しており、その様子はまるで友人同士のようだ。1990年の開院当初から通うという患者が多いことからも日江井先生が人柄や治療において信頼を集めていることがうかがえる。中には遠方に居を移してもはるばる通う患者もいるとか。「とても光栄で、ありがたいこと」と顔をほころばせる日江井院長。最近では海外からの来院もあるそうで、そうまでして診てもらいたい理由を探るべく、患者に対する思い、治療に対する姿勢や今後の展望について聞いた。

(取材日2017年12月21日)

多くの診療を通して患者との対話の大切さに気付く

日々多くの患者さんが来院されるとのことですが、特徴などございますか?

日江井眞院長 大井歯科1

年齢層で言えば幅広く来院されますが、多いのは40代後半から後期高齢者の方でしょうか。近隣の方を中心に、中には引っ越し後も通い続けてくださる方もいらっしゃって、とてもありがたいことだと感じています。およそ6割程度の方が定期的なメンテナンスで足を運んでくださっていて、スパンはさまざまですが、1~3ヵ月に1度、という方が中心です。虫歯や歯周病の治療、インプラント治療など、どの治療を終えた患者さんでも、必要となるのが定期的なメンテナンスです。その必要性を理解し、足を運んでくださっている方が多い印象です。また、その必要性をクリニック側からもお伝えしていったからこそ、求めていただけているのかと思います。開院当初から長年お付き合いしている患者さんも多く、皆さん健康に対する関心度も高いですね。

開院から現在まで四半世紀という年月が流れていますが、変化などありましたでしょうか?

開院当初は1日に50人の患者さんを診察する、なんてこともありましたが、現在は15~20人程度に絞り込んでいます。これはコミュニケーションを重視するようになったからです。先ほどのメンテナンスの話にもつながりますが、1口腔単位での治療を終えたら、良い状態を維持することが重要となります。患者さんのモチベーションを上げ、継続してメンテナンスに取り組んでもらうためには、やはり丁寧なコミュニケーションが欠かせません。患者さんと壁を作らず、対等にお話しすることで自然とその必要性を理解してもらいます。このためには、患者さん一人ひとりにかける時間を増やすことが不可欠でした。定期的なメンテナンスをしっかり行っていれば、何かあっても早期に比較的簡単な処置で対応できますし、患者さんからしても体や費用の負担軽減にもつながります。クリニックとしても、患者さんとしても良いことづくし、ということですね。

患者さんとのコミュニケーションの大切さに気付かされたきっかけを教えてください。

日江井眞院長 大井歯科2

右から左へ流れ作業のように治療をしていては、こちらから伝えることも最小限になり、患者さんからしても、言いたいことを言えないまま不安を抱えてしまいます。このまま、患者さんの言葉にできない不安や不満が積み重なれば、いつか双方にとって不幸なことになってしまう。それだけは避けたかったのです。多くの治療をするだけでなく、納得してもらえる治療へ導くために、コミュニケーションをしっかりとろう、そう思うようになりました。“コミュニケーション”は言葉のやりとりにだけ当てはまるものではありません。院内を清潔に保つこと、滅菌など衛生面に力を入れることも、安心して治療を受けてもらうための一環だと考えています。

すべては患者のために。研鑽を積み重ね患者へ還元

2007年にインプラント治療で研鑽を積むために米国留学されたと伺いました。

日江井眞院長 大井歯科3

はじめは名古屋で開業医の先生にインプラントの基礎的なことを教えていただき、そのうちに高いレベルでより研究・研鑽を積みたいと考え渡米しました。渡米したことで世界の広さを体感できましたね。講義の内容一つにしても、1歩も2歩も先を行っていて、とても新鮮で刺激的でした。治療技術はもちろんですが、患者さんとの向き合い方なども、とても大きな刺激を受けました。これも、先ほどの患者さんとのコミュニケーションの変化につながっているのだと思います。

貴院では地域の中でも早くから先進機器を導入したそうですね。

確かに、私が歯科用CTやマイクロスコープ、口腔内スキャナーといった機器を導入したのは、全国的に見てもまだ導入率が高くない時でした。しかしどれも、治療を安全に行うためには不可欠なものと思いましたので、あまり気負うことなく導入しましたね。先進の治療機器を使うことで、治療の精度が高まることが期待できますし、精度が高まれば痛みなどのリスクも抑えることができます。治療の基礎水準が全体的に底上げされれば、患者さんの負担も少なくすることにつながります。当院の患者さんが遠方からも足を運んでくださる理由は、ここにもあるかもしれません。もちろん、新しいものやハイテクなものをなんでも取り入れる、といったことはしません。世界的に確立されたものは、治療にしろ、機器にしろ、安全性に配慮されたものと考えられます。そういった、より良いものをチョイスし柔軟に取り入れることが重要です。

近年の歯科医療の変化の中で、日江井院長が注目するトピックスは何ですか?

日江井眞院長 大井歯科4

2017年のトピックスとしては、歯周病治療における歯周組織再生療法で使用する薬剤の一つに、厚生労働省の認可が下りたというニュースは大きなものでしたね。これまで高額な費用が必要とされていたものでしたが、これによって多くの人に治療を提供できるチャンスが増えることになりました。他にも、12月からはこれまで金属製しか選択できたなかった奥歯の詰め物やかぶせ物の治療において、金属ではなく、歯の色に近い白い素材を選択できることは、患者さんの満足度という観点からも大きな変化と言えるでしょう。歯科医師としても、多くの患者さんにいろいろな治療を選択していただき、ご提供できるようになったと感じています。

信頼のおける仲間と連携し患者の健康を地域で支える

貴院では医科との連携も密に行っていると伺いました。

日江井眞院長 大井歯科5

診療中に、「これは他の領域の問題では?」と思うようなことがあれば、すぐに信頼のおける医師のところへ紹介するようにしています。実はその医師たちは、私の中・高校生時代の同級生でして。頭の先からつま先まで、どこを切り取ってもその専門の医師がいる、というような交流が自然と出来上がり、お互い困っていることがあれば紹介したり、相談したりといった流れができていったのだと思います。

日頃からご多忙と存じますが、先生を突き動かす原動力は何でしょうか?

日常的な習慣ですよ。文献に目を通すことも、勉強会に足を運ぶことも、苦ではありません。それに今は新しい論文などはインターネットで閲覧できる時代。診療の合間に目を通して、後でじっくり読み込みたいと思ったものは保存しておけばいいだけですので。インプラント治療後に起こる歯周組織の炎症「インプラント周囲炎」の情報も、そういった時間の中で触れました。常に広く情報を取り入れ、吟味するという習慣がついているからこそ、こういった情報もキャッチできるのだと思います。最近は当院でもサプリメントを取り扱いはじめました。全身の疲れを感じる時、歯茎も腫れてしまうことも多いですよね? そういった場合に、全身の健康のサポートに必要と思われるサプリメントを提案できたらと考えました。またこのような全身の健康に関して気づきがあった際にも、連携する医師の紹介をさせていただいています。

2018年以降の展望についてお聞かせください。

日江井眞院長 大井歯科6

歯科医療だけでなく経済や投資にも興味を持ち情報を集めている私にとって、2018年は経済情勢にも大きな変化が出てくる年と感じています。そして現在、世界的に見ても健康に対する意識の高まりは留まることを知りません。当院にも中国からわざわざ治療を求めて来院される患者さんがいらっしゃるくらいで、“健康”という価値に投資する方はこれから増加の一途をたどるでしょう。国や自治体としても、観光産業の一つとして医療ツーリズムの体制を推し進めたいという動きがあります。その上で当院でも、いち早くその潮流に乗り、地域や国内の患者さんだけでなく、海外からの患者さんにも目を向け、体制を整えているところです。そういった取り組みを通して、一層多くの患者さんの悩みに応えていきたいですね。

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