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可能な限り自分の歯を残すために
再生療法という歯科治療の選択肢

犬飼歯科医院

(名古屋市中区/新栄町駅)

最終更新日:2023/06/26

犬飼歯科医院 可能な限り自分の歯を残すために 再生療法という歯科治療の選択肢 犬飼歯科医院 可能な限り自分の歯を残すために 再生療法という歯科治療の選択肢
  • 保険診療

歯科治療というと、歯を削って詰め物やかぶせ物をする、抜歯して入れ歯やブリッジ、インプラントで補う、といった治療を思い浮かべる人も多いだろう。しかし、そうした人工物を用いる治療に加え、歯科治療には、人間の持つ再生能力を利用したさまざまな治療法がある。「最も代表的なものは歯周組織再生療法ですが、私は歯の再植や移植なども広い意味で再生療法と捉えています」と語るのは、犬飼歯科医院の犬飼丈晴院長。犬飼院長は、大学院で再生医療の研究に携わった経験を持ち、開業後もその経験を生かしながら、歯科の再生療法に積極的に取り組んでいるという。「再生療法が治療の選択肢に加わることで、歯の温存や、人工物を使わない治療の可能性が広がる」と話す犬飼院長に、詳しく話を聞いた。

(取材日2020年7月16日)

歯周組織の再生能力を活用した方法で、歯を残す可能性を高める

Q先生のおっしゃる再生療法とは、どのような治療法ですか?
A
犬飼歯科医院 患者の相談を親身に聞いてくれる

▲患者の相談を親身に聞いてくれる

再生療法とは、体の失った組織や器官を人間の持つ再生能力を利用して修復しようとするものです。歯科治療の領域では、一般的に歯周組織再生療法を指す言葉として用いられます。歯周組織再生療法は、歯根膜や歯槽骨といった歯周の組織を再生していくためのもので、薬剤を使う方法と特殊な人工膜を使う方法があります。また、私は、人間の持つ再生能力を利用した治療法という意味では、歯の再植や移植なども再生療法に含まれると考えています。歯の再植というのは、一度抜いた歯を治療し再び元の場所に戻す方法で、歯の移植というのは抜歯した場所に別の歯を移植する方法です。どちらも歯根膜など歯周組織の再生能力を使い、歯と骨を生着させます。

Q主にどういったケースで用いられるのでしょうか。
A
犬飼歯科医院 光が差し込み居心地の良い診療室

▲光が差し込み居心地の良い診療室

まず、歯周組織再生療法は、主に歯周病の治療に用いられます。歯周病が進行し、歯を支える骨が深くまで欠損した患者さんの場合、歯肉を切開して歯垢や歯石を取り除く外科手術を行う必要があります。その際、歯肉を縫合する前に、骨の欠損部分に特殊な薬剤や人工膜を入れることで、失った骨の再生を促すのが歯周組織再生療法です。一方、歯の再植は、主に通常の根管治療を行うことが難しい「歯の根の治療」に用いられます。歯を抜いて治療を行うので、しっかり根の病変部を目視しながら治療することが可能です。また、歯の移植は、虫歯などで抜歯が必要になった患者さんに用いられる治療法で、健康な親知らずを抜いて移植することが多いです。

Qこれらの治療のメリットはどのようなものですか。
A
犬飼歯科医院 プライバシーにも配慮

▲プライバシーにも配慮

最大のメリットは「自分の歯を残せる可能性が高まる」ことです。例えば、重度の歯周病により抜歯が必要と考えられても、この歯周組織再生療法を行うことで歯を抜かずに済むかもしれません。また、歯の根の先端が大きく痛んでいる場合、歯の再植を行うことで根の治療と歯の温存の両立をめざせることも。どうしても抜歯が必要になった場合でも、移植できる健康な歯があれば、ブリッジや入れ歯、インプラントなどの人工物を使わず、身体的にも経済的にも少ない負担で行っていける可能性も出てきます。もちろんすべての患者さんに使えるわけではありませんが、再生療法が治療の選択肢に加わることで、自分の歯を残せる可能性は高くなると思います。

Q再生療法を行う上で注意すべき点を教えてください。
A
犬飼歯科医院 治療後もメンテナンスを推奨している

▲治療後もメンテナンスを推奨している

十分に納得してから治療に臨んでいただくことです。再生療法は症状によっては使えないケースもありますし、その治り方も患者さん一人ひとりで異なります。加えて、歯周組織再生療法や歯の再植、移植には、保険診療が可能な場合と自由診療となる場合があります。「思っていたものと違う」とならないように、治療前に歯科医師と十分に話し合い、納得してから治療を受けるようにしてください。また、歯科領域では、再生療法に限らず新しい治療法がどんどん登場しています。私たち歯科医師も、患者さんが安全に治療を受けていただけるよう、治療のメカニズムや科学的根拠を正しく理解し、しっかり納得してから治療を提供する姿勢が大切だと思います。

Q治療後に気をつけることはありますか?
A
犬飼歯科医院 治療について語る院長

▲治療について語る院長

何よりもメンテナンスを大切にしてください。いくら再生療法を行っても、その後に適切にメンテナンスしなければ意味がありません。結局、歯を抜いて人工物による治療が必要になってしまうかもしれません。当院でも、基本的にご自分の歯を残したいという強い思いを持ち、メンテナンスがしっかりできる方にしか再生療法はお勧めしていません。メンテナンスの基本はブラッシングです。歯ブラシを正しく持って細かく磨くこと、そして、歯間ブラシや糸ようじも使いながら時間をかけて磨くこと、歯磨き粉を泡立てすぎないことといった当たり前を続けるようにしましょう。また、定期的に歯科クリニックを受診して歯の状態を確かめることも大切です。

ドクターからのメッセージ

犬飼 丈晴院長

歯科治療では、当たり前のように義歯やブリッジ、インプラントのような人工物が用いられます。しかし、失うものが歯ではなく、体の一部だったらどうでしょうか。安易に機械などの人工物で補う方法は選択できないと思います。歯周組織再生療法や歯の再植、移植などの再生療法は、自分の歯を残せる可能性を広げる方法の一つです。一度失った自然の歯は二度と元には戻りません。虫歯や歯周病が進行し「抜歯が必要」と言われた人は、一度再生療法の可能性を検討してみるといいかもしれません。ただし、そうした状態にならないよう普段からメンテナンスを行い、予防を心がけることが何より大切だということを忘れないようにしてください。

自由診療費用の目安

自由診療とは

「歯周組織再生療法、歯の再植、移植/保険内で治療できない場合5万円~」(基本的には保険診療の範囲で行う)

※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。

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