可能な限り自分の歯を残すための
選択肢の一つ、歯周組織再生療法
犬飼歯科医院
(名古屋市中区/新栄町駅)
最終更新日:2026/09/24
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虫歯や歯周病が悪化したときの治療として、歯を削って詰め物やかぶせ物をする、抜歯して入れ歯などで補う、といった治療を思い浮かべる人も多いだろう。しかし、そうした人工物を用いる治療に加え、最近では、人間の持つ再生能力を利用した治療が可能となっている。「歯科領域で代表的なのは、失った歯周組織の再生をめざす歯周組織再生療法です」と語るのは、犬飼歯科医院の犬飼丈晴院長だ。犬飼院長はもともと歯科口腔外科が専門で、名古屋大学大学院では歯周組織の再生に関する研究に携わり、現在はその経験を生かし、歯科の再生療法にも積極的に取り組んでいる。犬飼院長は「再生療法が治療の選択肢に加わることで、歯を温存するための方法や、人工物を使わない治療の可能性が広がります」と話す。同院で行う歯周組織再生療法について詳しく聞いた。
(取材日2026年8月20日)
目次
患者自身の歯周組織の再生能力を活用した方法で、歯を残す可能性を高めることをめざす
- Q歯周組織再生療法とはどのような治療法ですか?
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A
▲患者の相談を親身に聞いてくれる
再生療法とは、体の失った組織や器官を人間の持つ再生能力を利用して修復するための方法です。歯科では、一般的に歯周組織再生療法を指す言葉として用いられます。歯根膜や歯槽骨といった歯周組織の再生をめざす治療法で、薬剤を使う方法と特殊な人工膜を使う方法があります。私は、人間の持つ再生能力を利用した治療法という意味で、患者さん自身の歯を使った再植や移植なども再生療法に含まれると考えています。歯の再植は、一度抜いた歯や歯の根っこを治療しクリーニングして再び元の場所に戻す方法で、歯の移植は、抜歯して歯がなくなった場所に別の歯を移植する方法です。いずれも歯周組織の再生能力を利用して歯と骨を生着させます。
- Q歯周組織再生療法はどのような方に適応されますか?
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A
▲マイクロスコープを使用した緻密な治療にも対応
主に、重症化した歯周病の方の治療に用いられます。歯周病が進行して歯を支える骨が深くまで欠損するなどした場合、歯肉を切開して歯垢や歯石を取り除く外科手術を行います。その際に、欠損部分に特殊な薬剤や人工膜を入れて骨の再生を促すのです。一方、歯の再植は、通常の根管治療では難しい場合に用いられます。歯を抜いて、乾燥を防ぐために生理食塩水を使いながら、手元でしっかり病変部を目視して治療し、また歯を戻します。歯の移植は、虫歯などで抜歯した場合に、親知らずを抜いてそれを移植することが多いです。また、成人の矯正でも抜歯することがありますが、奥歯が欠損している場合は抜いた歯をそこに移植することもあります。
- Q歯周組織再生療法のメリットについて教えてください。
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A
▲先進の機器を使用し、一人ひとりにあった治療を提案
最大のメリットは、自分の歯を残すことが期待できることです。重度の歯周病や虫歯で抜歯が必要と考えられても、再生療法を行うことで歯を抜かずに済むことが期待できます。また、歯の根の先端が大きく傷んでいる場合、歯の再植により歯の根の治療と歯の温存の両立をめざせることもあります。どうしても抜歯が必要になった場合でも、移植できる健康な歯があれば、ブリッジや入れ歯、インプラントなどの人工物を使わず、身体的にも経済的にも少ない負担で治療できる可能性が出てきます。すべての患者さんが適応になるわけではありませんが、再生療法が治療の選択肢に加わることは、自分の歯を残せる可能性の向上につながると思います。
- Q歯周組織再生療法を受ける上で注意すべきこととは?
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A
▲光が差し込み居心地の良い診療室
再生療法は症状によってはできないケースもありますし、その進め方も期間も一人ひとり異なります。歯茎であれば数週間で改善が期待できますが、骨であれば数ヵ月にわたる経過観察が必要です。また、歯周組織再生療法や歯の再植、移植には、保険診療が可能な場合と自由診療となる場合があります。「思っていたものと違う」とならないように、治療前に歯科医師と十分に話し合い、納得してから治療を受けるようにしてください。歯科領域では再生療法に限らず新しい治療法がどんどん登場しています。私たち歯科医師も、治療のメカニズムや科学的根拠を正しく理解し、納得してから治療を提供する姿勢が大切だと考えています。
- Q治療後に気をつけることはありますか?
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A
▲治療後もメンテナンスを推奨している
治療後は、歯科医師の指示に従い、毎月1回などきちんと通院するようにしてください。いくら再生療法を受けてもメンテナンスしなければ意味がありません。結局、歯を抜いて人工物による治療が必要になってしまうかもしれません。当院でも基本的に、歯を残したいという強い思いを持ち、メンテナンスがしっかりできる方にしか再生療法はお勧めしていません。メンテナンスの基本はブラッシングです。歯ブラシを正しく持って細かく磨くこと、歯間ブラシやフロスも使いながら時間をかけること、歯磨き粉を泡立てすぎないこと、といった当たり前を続けるようにしましょう。併せて、定期的に歯科医院で歯の状態をチェックすることが大切です。
自由診療費用の目安
自由診療とは歯周組織再生療法、歯の再植、移植/保険内で治療できない場合5万円~(基本的には保険診療の範囲で行う)
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。

