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坂井 謙介 院長、林 志穂 副院長の独自取材記事

坂井歯科医院

(名古屋市昭和区/いりなか駅)

最終更新日:2025/01/29

坂井謙介院長、林志穂副院長 坂井歯科医院 main

いりなか駅から歩いて約3分の場所にある「坂井歯科医院」。80歳まで歯を20本残すという「8020」運動を立ち上げた歯科医師の一人である父の想いを引き継ぎ、2008年に坂井謙介先生が院長に就任。林志穂副院長が小児歯科を中心に診療している。地域に貢献したいという信念のもと日々診療に懸命に取り組み、「患者さんを生涯にわたって診るということを大切にしています」と坂井院長と林副院長は口をそろえる。障害がある人の診療や訪問診療にも注力し、分け隔てなく診ることにも重きを置いているという2人が話す言葉の端々からは、地域の人たちへの温かい想いや歯科診療に真摯に向き合う誠実さがにじみ出ている。そんな坂井院長と林副院長に、開業からの変化や力を入れている治療、大切しているモットーなど、たっぷりと話を聞いた。

(取材日2024年10月16日)

一生涯にわたって、口の健康をトータルに支えたい

こちらは50年ほどの歴史がある歯科医院だそうですね。

坂井謙介院長、林志穂副院長 坂井歯科医院1

【坂井院長】はい。祖父は一宮市で開業し、早期からエックス線撮影装置を導入した先駆的な歯科医師だったと聞いています。父も歯科医師となり、いりなかで開業、私は後を継いで2008年に院長に就任しました。患者さんが増え、建物が老朽化したこともあり、2020年3月に現在地に新築したわけです。1階は駐車場で身障者用のスペースも含めて10台分あり、広いホールからエレベーターで2階の診療室まで上がっていただけます。3階には定期的に勉強会を行うスペースや、診療日以外に地域の方に開放するレンタルルームをつくりました。ホームシアターの設備のほかキッチンもあります。1階入り口脇に自動販売機を置いたのは、災害時に皆さんに利用していただけると考えたから。中身は健康飲料水や栄養補助食品にしてあります。

待合室は広く、優しい色使いで落ち着きますね。

【坂井院長】和紙のような素材や木を多用して、和の空間をめざしました。ソファーやロゴマーク、案内の文字には、薄藍(うすあい)、勿忘草色(わすれなぐさいろ)、桃色、焦げ茶色と日本の伝統色を使っています。自宅の居間ようにくつろげる空間をイメージしたんです。一番のこだわりは、前のクリニックの時からある、たくさんの漫画です。私が漫画好きということと、町から小さな漫画喫茶がなくなったので商店街の長として、その役割を持たせようと思ったんですよ(笑)。漫画は子どもの教育に良いものからお年寄りになじみのあるものまでさまざまです。将来、医療の道へ進む子が出てくるといいなと考えて医療系漫画も多いです。歯科医院ですが、ここで少しでも楽しい気持ちになってもらえたら。DVDだと続きが見られませんが、漫画だと来院の度に続きが読めますしね(笑)。

開業からこれまでの歩みの中で、どういった変化がありましたか?

坂井謙介院長、林志穂副院長 坂井歯科医院2

【坂井院長】訪問診療や患者さんの数もさらに増え、スタッフも60人ほどを抱えるまでになりました。それに伴って組織改編を行い、デジタルツールを導入して情報共有の円滑化を図りました。診療時間も午後6時までと短くしましたね。労働環境を整えることは患者さんにも還元されていくことだと思っていますので、可能な限りホワイトな環境を提供したいと考えています。また、ウェブ予約も患者さんがより使いやすいように新しくしました。

障害がある方も多く来られているそうですね。

【坂井院長】はい。そのため受付は立ったままでも、車いすのままでもできるようにカウンターに段差をつけて高さを替えています。診療のチェアも障害がある方のための特殊なものが2台あります。また、トイレはどなたでも使いやすいユニバーサルデザインで、子ども用の椅子、おむつ交換台も備えています。さらに、これは珍しいと思うのですが待合室には洗面台のついた個室待合室があります。障害がある方はもちろん、子どもの泣き声を気にされるときはご家族そろって入っていただけます。診療は、そのまま隣の個室ユニットに移動するだけです。お子さんに障害があると、お母さんは一人ですべてを抱え込みがちなのですが、お気軽に相談していただければと思います。訪問診療にも対応しています。

障害や病気の有無にかかわらず、人を診ることに徹する

こちらでは訪問診療にも力を入れておられるのですか?

坂井謙介院長、林志穂副院長 坂井歯科医院3

【坂井院長】はい。たとえ通えなくなっても、自分が担当する患者さんは引き続き診て差し上げたいと思っています。父も行っていたのですが新クリニックでは準備室を設け体制をさらに整えました。訪問診療では、お口のケアや治療、また口から飲み込む機能が衰えた嚥下機能障害の方が多いので、そのリハビリテーションも行います。訪問診療は、言語聴覚士や管理栄養士などさまざまな職種のスタッフが協力して取り組みます。ご家族とのコミュニケーションも大切になりますね。治療の内容や費用についてもよく話し合って深いお付き合いになりますので、患者さんが亡くなったときには心に寄り添うようなご家族のグリーフケアも心がけています。

林副院長は小児歯科を専門とされているそうですね。ご経験や診療時の心がけを教えてください。

【林副院長】愛知学院大学歯学部附属病院の小児歯科に7年在籍していました。そこでは小児の外科的な処置も含め、小児歯科のすべてを診ていましたから、多くの症例を経験できました。診療では、何が苦手で何が好きか、どういったことが怖いかなどを考えて、お子さん一人ひとりに寄り添うことを心がけています。メインはお子さんですので、そのお子さんにとって一番良い方法を提供したいと考えていますが、親御さんにアドバイスする際には、私が親だったらどうするか、という目線で考えることも大切にしています。

注力されている治療はありますか?

坂井謙介院長、林志穂副院長 坂井歯科医院4

【林副院長】口腔機能発達不全症の治療です。これは、お子さんの食べる、話す、呼吸といった機能が十分に発達していない状態を指し、口周りの筋力や舌の使い方が大きく関連しています。そのため、その機能を正常のラインに上げるための筋力トレーニングを行っています。治療が保険適用となったこともあり、困っているお子さんに届くようにと、今、一生懸命仕組みをつくっているところです。また、ほかには赤ちゃんの頃からお口の健康の支援に向け、管理栄養士、言語聴覚士にも入ってもらい、「赤ちゃんのおはなし会」という健康講座や離乳食の教室を開いています。

口が健康に育つための土台は小さい頃から始まっている

患者さんの一生のうちのどの瞬間も大切に診療をされているのが伝わってきます。

坂井謙介院長、林志穂副院長 坂井歯科医院5

【坂井院長】お子さんが成長して大人になり、高齢になって人生の最期を迎える。そうしたつながりの中で診ていくということを大切にしています。その小児の部分を副院長が診るというふうに、役割分担をしながら行っているということですね。
【林副院長】こうした私たちの姿勢を見ているからか、自然とスタッフも同じ想いを持って診療に取り組んでいます。症例検討会で、自分が診た患者さんの報告をしてもらうのですが、スタッフが私たちと同じ気持ちで診療してくれているとわかる瞬間があって、本当にうれしいですね。

同院では多くのスタッフさんがいらっしゃいますが、どういった方たちが活躍されていますか?

【坂井院長】歯科医師、歯科衛生士、受付のほかに、地域貢献の一つとしてシルバー人材センターからも雇用しています。あとは学生さんですね。それもいろいろな国の方がバイトに来てくれています。また、管理栄養士と言語聴覚士も活躍しています。訪問診療では栄養管理が非常に大切ですし、言語聴覚士さんも飲み込みの部分を深く勉強されているので、歯科診療にとてもフィットします。また、私の弟が作業療法士をしていて体の使い方をよくわかっているので、車いすの方の送迎をお願いしているんですよ。

最後に読者にメッセージをお願いします。

坂井謙介院長、林志穂副院長 坂井歯科医院6

【林副院長】お口が健康に育つための土台は小さい頃から始まっています。お口が育っていないと、大人や高齢になった時のお口の健康の度合いが下がってしまいます。それくらい、小さい頃からのケアは重要なのです。お母さんと一緒に考えて、お子さんを一緒に育てていきたいなと思っています。
【坂井院長】小さい頃から歯科医院に慣れ親しんで、ぜひ20代、30代の一番輝かしい時に健康な歯で過ごしていただきたいですね。食べる時に気になることがある方、生涯を健康に過ごしたい方、ご家族に気になることがある場合でも構いません。すべての方に寄り添いたいと思っていますので、どうぞ気軽にお越しください。

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