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服部 哲雄 院長の独自取材記事

はっとり歯科クリニック

(名古屋市昭和区/御器所駅)

最終更新日:2019/08/28

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御器所駅から1分の立地に、髭の先生の顔をモチーフにしたロゴが印象的な「はっとり歯科クリニック」がある。院長の服部哲雄先生は自分の言葉で、患者と本音で話ができる関係をつくることを大切にしている。歯科以外の疾患を抱えた患者を診るために、麻酔科で学んだというユニークな経歴を持つ服部先生は、障害者歯科診療にも取り組んでいる。「障害者や高齢者の患者さんの多くが、歯科以外の疾患を抱えています。私は歯科医師として『歯しか診れません』というスタンスではなく、歯以外の疾患に学び、患者さんの気持ちに寄り添う医療を心がけたい」と語る先生に、これまでの活動を通して得てきたことや未来への願いについて、熱く語ってもらった。
(取材日2016年7月20日)

患者のニーズを引き出し寄り添う治療をする

診療する上で先生が大切にされていることを教えてください。

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まず、初診時の患者さんの治療希望を解決し、次に一口腔単位の治療を定期健診を重ねながらすすめます。治療に「大小」はあってもリスクに「小」はありません。患者さんと医師との間に信頼関係を築かないと、安全で安心な医療はできません。どんな立場や年齢の人であっても、わかりやすく説明し、充分な合意を得た上で治療を始めます。例えば、仕事や子育て、介護などが忙しく、大切な歯の治療に時間が取れなければ、年単位の計画を立てて、今回はここまでにしましょうなどの提案をします。

希望に沿った治療提案をするために、どんなことを心がけていらっしゃいますか?

問診、検査を経て治療方法をお話しするのですが、私の場合は複数ある治療方法から「あなたの状況に沿った治療方針はAです。その次はBです」というように選択肢を提示します。毎月行っているインプラント治療など誤解や偏見の多い治療はなおさら、治療法をつたえるだけでは、患者さんは戸惑います。歯の治療は痛みを伴うことも多く、怖い治療を少しでも緩和するための鎮静法も提案をします。なによりも患者さんが今一番気にしていること、例えば怖いことや、多忙のためのとりあえずの治療、などを解決することが大切です。そんなやり方を私は総合病院勤務医時代に学びました。「患者さんの立場に立つ医療、患者さんに寄り添う医療をすること」を今でも基本スタンスとしています。

患者さんの気持ちを汲み、励ますというお言葉が印象的です。

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患者さんには、来てよかったと思ってもらうことが大切なので、何でも相談してもらいます。小児歯科も力を入れているので、子どもさんもたくさん来院しています。お仕事や子育てで忙しいお母さんが「歯磨きがちゃんとできているかしら? なかなか磨かせてくれないわ」という心配に「歯の健康は任せてください、そのために歯医者さんや歯科衛士さんたちがるんですよ」と安心できるよう応援しています。歯科医院は、自分では磨けないところをきれいにしてもらう、白い歯をより白くしてもらえるところと言うように美容院に気軽に行くような場所でありたいと思っています。病気で受診する医科と違って歯科は、歯を治すだけでなく、病気にならないうちに予防し、お口から生活習慣を見直し、からだ全体の健康を獲得していくところだと思っています。

すべての人に正しい情報を伝え続けることの大切さ

正しい情報を伝えることにもこだわられているそうですね。

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情報社会といいますが、本当の情報が伝わっているだろうか? と疑問を感じています。インターネットなどで医療情報を簡単に得ることができる反面、誤った情報も生活に浸透しています。スポーツ飲料や野菜ジュースは、多くの糖分が入っているにもかかわらず健康ドリンクと誤解をしてしまいます。野菜が苦手な子どものために野菜ジュースを、運動後の脱水にスポーツドリンクを毎日飲むと、虫歯や肥満になってしまう。インプラントも同様な情報の誤解があります。私は、虫歯や歯周病は、お口の症状が体のSOSを発しているのだと理解しています。私は、患者さんひとりひとりに、正しい情報を丁寧に伝え続けていくことも日常診療の大きな仕事だと思っています。さらにその人が健康伝道師として家族や周りに伝えていくよう願っています。

先生は障害者歯科診療にも力を入れているとうかがいました。どういった思いから始められたのですか?

障害者は、身体的、能力的、社会的不利があり、治療を通してさまざまな問題を見ることができます。また障害のある方と向き合う中で、人としてその度量が試されます。障害者歯科を学び始めたのは、学生時代での歯科医療サークルです。母親教室などの公衆衛生活動、全国の医歯薬看護学部のサークル交流や先輩方との語り合いを通じて多くの刺激を受けました。卒後、大学麻酔科に入局し、同時に総合病院勤務で、歯以外の疾患を抱えている他科の患者さんを診たり、歯科往診や全身麻酔下歯科集中治療などから、患者さんを全身的に診る貴重な体験をしました。そのため、これからの歯科医療は、他の疾患との関連性も重要な要素だと痛感し、医科歯科または病院と診療所の連携が大事だと考えるようになりました。

それ以外に妊娠中の治療もできるとのことですが、お母さんのお口の健康は子どもにも影響するのでしょうか?

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当院には多くの妊産婦さんが来院します。妊娠中はさまざまな制限がありますが、妊娠しているから治療できないことはありません。子育てで余裕のない産後を考えると妊娠中は予防歯科のチャンスでもあります。私は歯科医師会の病診連携委員や、医科歯科の保険医団体の役員なので、産婦人科医、小児科医とも交流する機会があります。産科医からも、妊娠中の口腔ケアは、赤ちゃんの健康にも良いと言われています。赤ちゃんのお口を守るという点では、ご家族の口腔ケアも大切です。私が所属している赤ちゃん歯科ネットワークでは、妊娠中や母乳育児、離乳摂食訓練など幅広い取り組みをしています。20年以上地域の子育て広場でお口の健康についてお話をしていますが、いつも勉強させられることばかりです。

誰もが平等に受けられる医療を将来にもつなげたい

診療内容が幅広く、活動も多岐にわたる先生の原動力を教えてください。

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私は海外の医療ボランティア体験や研修、友人との交流から海外医療事情を垣間見てきました。例えば、アメリカではお金がないと良い治療が受けられません。アメリカの医療はいわゆる「特権」です。一方で、日本の医療は誰もが受けることができる「権利」であり、だれでもいつでもどこでも受診ができる仕組みがあります。病気を治し健康を回復させ、維持させるために医療を受けることができる日本の医療は、むしろレベルが高いといわれています。私はお口の健康にしっかりと向き合う人が、これからも等しく歯科医療を受けられるような社会を将来わたってに残していきたいのです。その思いがいろいろな工夫や地域での活動につながっているのだと思います。

今後、地域医療が発展していくためには何が必要ですか?

個人での取り組みも限界があります。医療に携わる他職種で患者さんと連携していくことが地域の高齢社会を守り、ひいては障害者医療、福祉の充実につながると思います。私たちはいつでもどこでもだれでもがフリーアクセスで医療を利用できる環境にいます。保険でよりよい医療を発展させ、健康をつくっていくためには、戦争のない平和な社会が必要です。現在も微力ではありますが、地域の子育てグループや保育園、学校などの学校医として、子どもたちの健康つくりに関わっています。また歯科医師会の役員として病診連携・他職種連携に参画し、地域ぐるみで医療が発展していけるよう取り組んでいます。

今後の抱負やクリニックの展望についてお聞かせください。

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日ごろ、スタッフには患者さんの立場に立つ医療を学んでもらい、さらに学んだことが自分たちのためにも、将来の子育てのためにもなるよう取り組んでいます。また歯科衛生士学校の実習生を受け入れているので、将来の予防歯科を担えるような学生になってもらいたいと指導しています。当院は、子どもさんや妊産婦さん、若い世代の方がたくさん来られます。歯の治療やお口の健康を守るだけでなく、子育てや生活習慣さらには、学校や園、職場などにもかかわれる広い視野にたった診療、予防活動をスタッフと一緒にしていくつもりです。

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