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田部 修 院長の独自取材記事

田部歯科クリニック

(名古屋市昭和区/御器所駅)

最終更新日:2019/08/28

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御器所駅の7番出口から1分以内の環状線沿いにある「田部歯科クリニック」は1957年に父である先代が田部歯科医院として開業してから半世紀以上、地域の住民に親しまれているホームドクターである。田部修院長が1999年にクリニックを継承した頃から、歯科治療全体の流れが「治療から予防」へと移っていく中で、自らも予防歯科治療の大切さにたどり着いた。悪いところが治った後も、悪いところはなくても、メンテナンスのための通院は必要だと訴える田部先生。常に優しい語り口と穏やかな笑顔が印象的だが、「優しいだけが良い歯科医師であるとは限りませんよ」とのひと言。その真意とは? 診療時間を終えたクリニックで、じっくりと話を聞いた。(取材日2016年11月11日)

時には耳障りなことも、伝えるべき時には伝える

クリニックのモットーを教えてください。

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一生自分の歯で食事ができて、暮らしていけることをクリニックのモットーとしているので、その方針に沿って自分が患者さんに何を提供できるのかを念頭に日々の診療にあたっています。天然の歯は、一度削ってしまうともとには戻らないことは周知の事実です。詰め物などの治療を施し、何年かたつと再度作り直す必要があり、そこでさらに歯を削ることも少なくありません。そのうちに歯はどんどんなくなってしまいます。だからこそ、虫歯など、悪くなってからクリニックに来るという行動パターンから、歯を「悪くしない」ために、普段からメンテナンスのために定期的にクリニックに通う行動パターンを持つ人が増えるような働きかけが必要です。

既存の患者さんの「予防歯科」に対する意識は以前よりも高まっていますか?

はい、高まっていると感じます。もちろんすべての患者さんが一様にすべてメンテナンスを受けているかと言うと、さまざまな価値観の患者さんがいるのでそうではありません。ただ割合としては、予防の大切さを理解し、しっかりと定期健診に通ってくれる患者さんは増えています。時には完治までに複数回通院する必要がある疾患に対し、「すぐに治してくれ」という患者さんも中にはいらっしゃいます。しかし、そのような場合も、私自身は自らの医療スタンスを変えずに、患者さんの口の健康に責任を持つ者として言うべきことは言いますし、それが、たとえ患者さんにとって耳障りな内容でも、大切なことはしっかりと伝えます。しっかりと伝えることで、徐々にわれわれのコンセプトである「メンテナンス」の必要性が患者さんへ伝わっていっている実感があります。

先生はありのままをお話ししているのですね。

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歯を一瞬で治す魔法はありません。治療の完治まで長く通ってもらわなければならない疾患もありますし、治った後も、「良い状態を維持するために定期健診に来てください」と伝えています。それはやはり患者さんの「歯の健康を取り戻す」あるいは、「良い状態を維持する」ためには必要なことです。例えば、「あの先生はやさしいよ」という評判の先生がいたとします。患者さんが好き勝手な注文をつけてもはいはいと聞いたとして、それをいつまでも続けることはできないと私は思っています。ただ、誤解してほしくないのは、私のスタンスが「すべて正しい」と伝えたいわけではなく、人それぞれ価値観も違いますので、当院の方針にイエスの方は患者さんとして来てくれますし、そうでない人は自分に合うところを見つけてください。突き詰めていくと、「自分にとって、良い歯医者さんとはどんな人なの?」ということだと思います。

一つ一つ、こだわりをもった治療を

力を入れている予防歯科診療ですが、通院する頻度は年代によって違いますか?

一生自分の歯で暮らすためには、定期的な歯の健康チェックと歯石除去、いわゆるメンテナンスは必要不可欠だという話をこれまでしてきましたが、メンテナンスを定期的に受ける目安は、40代で疾患がないという前提で半年に一度、50代以上は4ヵ月に一度、高齢者になられたら3ヵ月に一度は見せてほしいと考えています。歯周病などの疾患リスクは年齢を重ねるにつれて上がってくるため、年齢を重ねるごとに治療スパンが短くなるわけです。ただここで、ひとつ警鐘を鳴らしたいのですが、予防治療に通っているからといって皆さんは日々のブラッシングをおろそかにしてはいけない、ということです。そのために、家での効果的なブラッシング指導も行っていますし、家で行うケア(ホームケア)でのお悩みなどありましたら気軽に聞いてほしいです。

先生の専門、あるいは得意な治療内容を教えてください。

私は大学院で歯科補綴学を学ぶ機会を得ました。その中でも咬合、噛み合わせについてはこだわりがあります。かぶせ物などの治療を施した後の咬合調整は、時間をかけて行っています。ただ、私が考える嚙み合わせ治療は、一般的ではないかもしれません。というのは、噛み合わせは人それぞれ、その人が長年培ってきたものなので下手に治そうと手を加えると弊害が起こることがあります。一見悪い癖のように思える噛み合わせも、すべてが悪いわけではありません。だから私は、患者さんの噛み合わせを矯正するよりも、食いしばりすぎるのを注意してもらう、などの注意喚起をするなどして、患者さん自身の気づきを促すことで、噛み合わせの不具合を調整しています。

マイクロスコープを使った治療も行っているそうですね。

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数年前に導入し、必要があれば外部に委託して撮影をしてもらっているCT検査とマイクロスコープを併用することで、より精度の高い治療を提供することが可能になりました。個人的にはCTよりもマイクロスコープを重宝しています。基本方針である、「できるだけ歯を残す治療」を具現化するための設備のひとつです。従来の肉眼だけでは到底見えなかった歯の隅々もしっかりと観察することができますし、例えば悪化した虫歯治療において、従来の治療でしたら神経を抜く判断をしていたケースも、マイクロスコープを通して観察すると、場合によっては神経を残す判断ができることもあり、その意味では診療の質が向上したといえるでしょう。

子どもからお年寄りまで。今後も地域とともに歩む

こちらに通う患者さんのことを教えてください。

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父の代からの患者さんを含め、私自身も年齢を重ねてきたこともあり、高齢者の患者さんの割合が多くなっています。小児歯科も対応していますので、ある特定の年齢層への偏りというよりは、20代、30代が少ない分、他の年齢層は幅広く満遍なく、その上で高齢者さんが多くなっている、という状況です。地元の昭和区の住民が多いのですが、駐車場もあり地下鉄からのアクセスも良いので、市町村をまたいで来院される人もいますね。

区内の学校医や歯科医師会など、地域の役割も多くあると伺っています。

おかげさまで担当の小学校において、12歳児の虫歯の数を1本以下にすることをめざした「121運動」で、目標を達成できました。市としても121運動が一定の成果を得たと判断し、現在は1本を0本に目標を上げ、「120運動」と称して新たな目標に向かって進んでいるところです。問題はその後、中学生に成長していくとともに、子どもの歯磨きが親の管理を離れていき、虫歯が再び増えてしまうことにあります。せっかく小学生の間にお口の健康を維持しても、中学生で悪くしては本末転倒です。この点については、もっとお口の健康への意識付けや、親御さんの介入、ブラッシング補助、歯科医師への通院を促すようにしていけたらと思っています。

読者へのメッセージをお願いします。

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先ほどもお話ししましたが、お子さんがいる場合はお子さんのお口の中をもっとチェックして、磨いてあげることをお勧めしたいです。加えて、家族に気を取られて本人のケアがおろそかになってしまうこともありますので、ご自身のケアも大切にしてほしいです。加えて、お子さんのケアについては何か不具合が発生してからの通院よりも、虫歯になる前、何も異常はなくとも一緒に通院するという考え方を持っていただけると結局のところメリットが大きいと思います。歯科通院への「慣れ」もお子さんにとっては必要です。また、疾病については年代ごとにかかりやすい内容に違いがありますので、気を付けていただく対象も変わってきます。お口の健康チェックはもちろんのこと、日常のケアについてのアドバイスもしていますので、気軽に見せてほしいですね。

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