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熊谷 早津季 院長の独自取材記事

さつきデンタルクリニック

(名古屋市瑞穂区/総合リハビリセンター駅)

最終更新日:2023/09/12

熊谷早津季院長 さつきデンタルクリニック main

名古屋市瑞穂区田辺通にある「さつきデンタルクリニック」は、アーリーアメリカンスタイルの建物が印象的な歯科医院だ。院長の熊谷早津季先生は、臨床検査技師の資格を持ち、まだ女性の歯科医師が少なかった時代から地域の医療を支えてきた。診療は、小児歯科、予防歯科、入れ歯などさまざまな治療に対応しているが、自身の歯列矯正の経験から、良い治療を行いたいという思いが強く、とりわけ歯列矯正と審美歯科には力を注いでいる。丁寧なカウンセリングとアットホームな雰囲気が特徴の同院は、古くからの患者も多く、年齢層は小さな子どもから高齢者まで幅広い。取材では「子どもだった患者さんの成長を見るのが楽しみなんです」と語る熊谷院長に、歯科治療や、クリニックについて聞いた。

(取材日2022年7月22日/情報更新日2023年9月7日)

自身の経験が糧となり、審美にこだわった歯科診療へ

先生のご経歴を教えてください。

熊谷早津季院長 さつきデンタルクリニック1

実は私、2つの大学に行っているんです。というのも、1つめの大学を卒業した8月に夢だった医学部を受験をしたらどうだと父に言ってもらい、こんなチャンスはないと猛勉強をして医学部と歯学部を両方受験した結果、松本歯科大学に進学することになりました。6年間学んだ後、愛知学院大学歯学部附属病院で小児歯科の勉強をしました。審美、矯正のどちらも学びたかったので、その後、東京や名古屋の歯科医院でアルバイトをしながら勉強をして、卒業から10年後に開業しました。

なぜ、矯正歯科と審美歯科を学びたいと思ったのですか?

私自身、歯が悪かったからなんです。子どもの頃に矯正をしていたんですね。その装置を外した時に、歯が白っぽくなってしまったんです。これは、歯の表面からミネラルが溶け出して、エナメル質が濁って斑状歯(はんじょうし)になるからなのですが、今みたいにホワイトニングも一般的ではなかったので、そのまま処置もせずにいたため、ずっと見た目が気になっていたんです。そこがずっと気になっていたことから、「せっかく矯正をするなら見た目もこだわった診療を行う先生になりたい」と思ったのが、審美と矯正を勉強し始めたきっかけです。

開業するまでにさまざまなことを学ばれたのですね。

熊谷早津季院長 さつきデンタルクリニック2

審美を教えてくださったのは、名古屋大学の口腔外科で学ばれて開業された先生でした。その先生は顎の位置、つまり顎位を見る方だったんです。口腔内は噛む位置だけじゃないんですよ。噛み合わせには、舌の厚さ、舌の強さ、筋力や全身が関係しています。口腔内の容積、唾液の成分、頬粘膜の厚み、発音時にどこがどう触れるか、そういうものすべてが関わってくるんです。一般的に、大学の歯学部では法則に従って咬合調整するよう学ぶのですが、先生のところでは「ここに来たら、口腔内の容積に比例して顎位は変わるという咬合治療をしてください」と。初めは半信半疑でやっていたのですが、今はとても感謝しています。恩師のおかげで、咬合の構築がうまくでき、全体を診ながら考えていけるようになったことで、義歯と矯正の治療が好きになりました。

開業27年。息子をおんぶしながら診察した思い出も

出産した年に開業されたと伺いました。

熊谷早津季院長 さつきデンタルクリニック3

晩婚だったのでなかなか子どもに恵まれなかったんです。そんな時に、「地域医療に貢献して、院を子どもだと思って大事にしていったらいい」と両親に言われて開業を決心しました。ところが、開業を決めた矢先に妊娠が発覚したんです。開業の年、1996年のことは全部覚えています。1月に引っ越しをして、3月に息子を出産、9月に開業。開業するまではベビーカーをひいて、山崎川沿いを歌いながら散歩するなど、とても楽しかったですね。開業してからは毎日が必死でした。急患の時は赤ちゃんを見てくれる人がいないので、おんぶしながら対応したこともありました。おんぶされた背中から、息子がクリクリした目で患者さんを見ていたらしく、今でも「あの時の赤ちゃんはどうしてるの?」と気にかけてくれる患者さんもいますね。その息子も無事に歯科医師になり、研鑽に励んでいます。

長く通っていらっしゃる患者さんも多いのではないですか?

若い頃、ここへ矯正に来た方が今度は子どもを連れてきてくれて、そのお子さんが矯正で通ってくれています。長く通ってくださっていて90歳以上になる患者さんも何人かいらっしゃいます。本当にありがたいですし、喜ばしいことです。一方で、長くお付き合いがあった患者さんが亡くなったと聞くこともありました。お花をお贈りすることもありますが、やはり長く通っていただいていただけに寂しい気持ちになりますね。また現在は月に1回、口腔外科専門の歯科医師と看護師のご夫婦に診療に来ていただいていています。私自身とても信頼していて、難抜歯やインプラントオペをお任せしてますので、幅広いお悩みに対応できるのも長く通っていただける理由かもしれませんね。月に1回の決まった日にち以外にも相談が可能です。

診療で注力していることはどんなことですか?

熊谷早津季院長 さつきデンタルクリニック4

私が今、一番力を入れているのは、噛み合わせを安定させることです。私の経験上、丈夫なだけではなく、審美的な部分も大切だと思っています。仮歯の段階でも一人ひとりにしっかり話をして対応しているので、保険診療の場合でも1人1時間くらいかかってしまうこともあります。今は義歯やその土台を作るのにいろいろな良い素材がそろっています。とても軽く、歯に優しくて衝撃にも強く、食べ物を食べたり食いしばったりしても衝撃が吸収される素材もあるんですよ。割れにくいだけでなく審美的にも良いので、自由診療で自費にはなってしまいますが、お勧めしています。そちらを用いる場合は、私が名古屋の審美歯科で働いていた時代から、30年来のお付き合いがある歯科技工士さんのところで作ってもらっています。今は息子さんが技工所を継がれています。

治療が終わった時が新たなメンテナンスのスタート

矯正の患者さんも多いそうですね。

熊谷早津季院長 さつきデンタルクリニック5

最近人気のマウスピース型装置を使った矯正も取り入れています。食事以外は装着するタイプですが、装着しているのを気づかれないこともあるくらい、目立ちづらい装置です。マウスピース型装置で完結できない場合は、ワイヤーも使って矯正します。子どもの噛み合わせを正常な状態に誘導する咬合誘導や、上顎を広げる床矯正も行うので、小学生くらいから治療をスタートする患者さんが多いですね。50代の方も矯正を受けにいらっしゃいます。私も50代の時に仕上げ矯正をして、4本をインプラントにしたんですよ。

診療時間以外には対応してもらえるのですか?

矯正治療と自由診療の患者さんについては、何か困り事があれば携帯のショートメッセージを使って連絡を取っていただけるようにしています。今でも、休診日の木曜日と金曜日にも患者さんを診ていることが多いですね。土曜日と日曜日の午前中にも診療していますが、急患が入ることもあるので、延長することもあります。子育ても終わって、やることがないですから(笑)。自宅が隣接しているので可能な限り受け入れるようにしています。目標は、頭脳と視力と手指が正常である限り仕事をすることですね。それが私の生きがいです。

最後に読者に伝えたいメッセージをお願いします。

熊谷早津季院長 さつきデンタルクリニック6

自費診療を受けられる患者さんに、「これは何年持ちますか?」とよく聞かれます。「諸行無常、諸法無我」といいますよね。永遠にこの世は変わり続けるんですよ。ましてやお口の中には菌や酵素、唾液などいろいろなものがあるわけで、「お口の中も変わり続けているんですよ」とお伝えしています。お口はすべての源、健康の源なんですよ。以前よりも保険で治療できる範囲が広がってきているのは、良いことだと思います。ですが、どんなに良い治療をしたとしても、それ以上に、日頃のお口の中のケアやメンテナンスがもっと大切ですし、これはずっと続くものなんです。治療が終わったらそれで終わりではなく、新たなメンテナンスのスタートだと思って、自分のお口の中を大切にしていただきたいですね。

自由診療費用の目安

自由診療とは

ワイヤー矯正/40万円~(費用は症例により異なります)、床矯正/11万円~、ホワイトニング(指導とホームホワイトニング)/2万6400円、インプラント治療/30万円~

※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。

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