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榊原 功二 院長の独自取材記事

榊原デンタルクリニック

(名古屋市南区/豊田本町駅)

最終更新日:2019/08/28

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「榊原デンタルクリニック」のドアを開けると、げた箱の上に置かれたカエルの置物が目に入る。「カエルが好きだといったら、周りからプレゼントされるようになっちゃったんだよね」と笑う榊原功二院長は、開院から25年、地域に根差した歯科治療に取り組んできた。日進月歩の速さで進化する歯科治療の技術や知識。それらを柔軟に吸収し、患者へ還元することが大切だと語る榊原院長が、現在力をいれている治療の一つが、入れ歯治療だ。長い歴史を持つ入れ歯は、日本国内で独自の発展を遂げてきた。その魅力とは何か。今や榊原院長のライフワークでもある、入れ歯治療への想いを中心に、話を聞いた。
(取材日2016年6月29日)

手先の器用さを生かし、歯科医師を志す

歯科医師をめざしたきっかけについてお聞かせください。

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父が内科医で、南区で開業医をしていたこともあり、自分も医療に携わりたいと考えていました。当初は生き物が好きで漠然と「獣医になりたい」と考えていました。自分がどの道に進むか悩んでいる時、転機となったのが、母から不意に「あなたは手先が器用だから、歯科医師になったら?」といわれたこと。初めは驚きましたが、確かに細かな作業は苦にならないタイプだったので、医療分野でなおかつ自分の得意とすることを生かせる点に魅力を感じ、歯学部への進学を決めました。開業医である父の姿を見ていたからでしょうか、歯科医師になるのであれば、ゆくゆくは開業して地域に根差した医療に取り組みたいと考えていました。現場の第一線で、患者さんと向き合う自分しか想像できなかったことも、開業を志した理由の一つですね。

大学卒業後は、勤務医もご経験されていますね。

日本での歯科開業医は基本的に、どんな症状でも解決できるオールラウンドプレイヤー、いわゆる何でも屋であることが求められます。何でも屋になるためには、まずは診療を通して多くの経験を積むことが重要で、経験を積むためにも、クリニックに勤めようと考えました。当時勤めていたクリニックは担当医制だったため、患者さんの診断から治療まで一貫してケアすることができ、技術も身に付きましたし、自信につながったとも感じています。ありがたいことに、講習会や研修会にも積極的に参加できる環境だったので、時間を見つけては参加するようにしていましたね。現在力を入れている入れ歯治療も、当時参加した、入れ歯治療の権威ともいえる先生のセミナーをきっかけに、興味を持つようになりました。

開院にあたって、こだわったポイントは何ですか?

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本格的に開院を検討し始めたころ、南区で小児歯科に熱心に取り組むクリニックが少なかったので、特に子どもの治療に重点を置きたいと考えました。ただ、子どもの治療はあまり経験を積むことはできていなかったので、不安もありました。そんなとき先輩からいわれた、「歯科、特に小児歯科にとっては、手の“柔らかさ”が大切になる。君は手が柔らかいから大丈夫だよ」という言葉が心に残っていますね。“柔らかさ”という表現には、診療に対する「当たり」が優しい、という意味も含められていたのだと思います。歯科治療は患者さんにとって、痛いことであり、怖いことです。その治療の恐怖心を和らげられる「柔和な手」が、歯科医師にとって必要で、自分にはそれがあるといわれたのは、自信につながりました。

入れ歯は患者にとってマイナスの少ない治療

クリニックにはどのような患者さんが来院されますか?

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開院当初は小さいお子さんが多かったのですが、最近は働き盛りからお年寄りの患者さんが増えてきましたね。クリニックの開院年数に合わせて患者の年齢層も上がるので、子どもが少なくなっているのは、必然ともいえます。また、自分も経験を重ねることで、だんだんと、誰にでもできることではなく、“自分が”できることとは何かを考えるようになり、ライフワークである入れ歯治療にじっくり取り組みたいという想いが強くなりました。そんなこともあって、入れ歯を必要とする患者さんが増えてきたのだと思います。

本格的に入れ歯に力を入れるようになったのはいつごろのことですか?

約15年前、技工所から、入れ歯の新素材を臨床で使ってみてくれないか、と相談されたことがきっかけですね。そのためその素材を取り入れたところ、患者さんがすごく喜んでくれたのです。素材の進化によって、入れ歯の可能性が広がったと感じた瞬間でした。入れ歯の発想自体は数百年前からあるとされていますが、実は、入れ歯を固定する装置は50年くらい前からその形をほとんど変えていません。では何が進歩しているかというと、従来の金属のバネを使ったものとは違う、自由度が高くて壊れにくい弾性素材が開発されたこと。更にその素材にシリコンを応用できるようになったことが挙げられます。このことにより、装着時に痛みもなく装着感の良い、且つ審美性に非常に優れた治療が可能になり、これまで起こっていた多くのトラブルケースに対応できるようになりました。

入れ歯のメリットとは何でしょうか?

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入れ歯の治療はリスクが少ない、というところですね。歯は、爪や皮膚などと違って一度削ったり抜いたりしてしまうと、自然に元通りになることはなく、もしも元の状態に戻したいと思っても引き返すことはできません。その点入れ歯は、基本的には切ったり削ったりの処置がなく、現状の口腔内の状態を生かした処置で咀嚼機能を回復することができますし、もしも患者さんが、入れ歯をつくった後に他の補綴治療を検討したいと思っても、対処できます。この点から見ても、入れ歯は患者さんにとってはリスクの少ない治療といえます。また、何か持病を抱えていても入れ歯なら対処できることも、メリットの一つですね。

専門家の目を借りて自分の口の中を知る

診療で心がけていることは何ですか?

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やっぱり、できる限り削ったり抜いたりというような処置を行わないことですね。もちろん、削らざるを得ない状況もありますが、極力小さい範囲にし、患者さんが持って生まれた機能を回復することが、より良いことではないかと考えています。そのためにも、患者さんの要望を踏まえて、どのような治療方針が立てられるかをしっかり説明し、患者さんの求める治療を見極める必要があります。そして何より、患者さんとの信頼関係を築くことが大切です。数あるクリニックから当院を選んでもらった、その気持ちに応えたいですし、治療するからには患者さんの満足いく治療を追い求めることが自分の使命だとも思っています。患者さんから「おかげさまで、噛めるようになりました」といってもらえることが一番の喜びですね。

今後の目標は何ですか?

歯科医師になって30年経ちますが、まだまだ発展途上です。常に新しい技術や知識が出てきている分、勉強を重ねて、患者さんに治療で還元し、生涯、臨床家として患者さんの治療に携わっていきたいですね。特に最近は、予防歯科の意識が高まってきています。予防歯科に力を入れれば、入れ歯は必要なくなると思われるかもしれませんが、実は逆です。寿命が延びてきている分、歯を支える歯茎や顎の骨が衰え、いずれ入れ歯が必要になります。現在、再生医療も進歩していますが、広く普及するためにはまだ時間がかかると思います。今自分にできることは、常に知識や技術を刷新し、治療を通して、患者さんの生活をより良くすること。そして、患者さんに信頼される歯科医師になること。これらを継続していきたいと考えています。

最後に、読者へのメッセージをお願いいたします。

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自分ではチェックできない部位なので、専門家である歯科医師の目を借りて、口腔内を定期的にチェックしてほしいです。歯科治療は、実は患者さん自身の努力で防いだり、治したりしているもの。歯科医師は患者さんの手助けをしているだけ。状態を的確に説明し、どうすれば機能が回復するかを伝えることで、患者さんが治す意識を持ってくれることが、歯科治療において最も大切なのです。歯は、一時も休むことのない器官。メンテナンスをしなければいずれボロボロになってしまうのは、当然のことですよね。少しでも違和感があれば、それは体のSOSです。皆さん我慢強いので、耐えられないくらいの痛みにならないとクリニックに来てくれませんが、そうなると手遅れになってしまうこともあります。定期的にチェックして、歯の健康を守っていきましょう。

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