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榮 祥宏 院長の独自取材記事

さかえ歯科医院

(名古屋市名東区/本郷駅)

最終更新日:2023/11/13

榮祥宏院長 さかえ歯科医院 main

本郷駅西口から徒歩約10分のところにある「さかえ歯科医院」は長きにわたり地域に愛されてきた歯科医院。2023年9月、向かいの土地に新築リニューアルオープンを迎える。院内は黒とチャコールグレーを基調とした高級感あふれる雰囲気。エントランスには熱帯魚の水槽も備えられ、リラックスして受診できる環境が整う。名古屋市立大学大学院では細菌学を学んだ榮祥宏院長。その知見から科学的なエビデンスに基づいて、院内の感染症対策にも注力する。「患者さんにとって良い治療を提供するためには、高度な知識と技術、そして安定した経営が重要」と考え、患者本位の医療を一貫して追求している。強い信念を持つ榮院長に、リニューアルオープンの直前に話を聞くことができた。

(取材日2023年9月22日)

開業から27年を経て、クリニックを新築移転

2023年9月25日にリニューアルオープンされますね。

榮祥宏院長 さかえ歯科医院1

私の地元である名東区に開業したのは、1996年のことでした。開業当初、必要な資金を親に頼るという選択肢はなく、自分で資金を用意して、マンションの1階にクリニックをオープン。日々の診療にまい進し、27年がたち、いろいろなご縁がつながって、向かいの土地に新築移転することになりました。私も還暦を過ぎ、移転は大きな決断でしたが、患者さんには新しくて清潔な環境で安心して治療を受けてもらいたいという思いから、リニューアルオープンすることになりました。

先生の歯科医師としての集大成がこのリニューアルなんですね。

今まで訪れたさまざまな場所で実際に見て触れて、患者さんに喜んでいただけるように、内装やインテリアを選びました。例えば、天井を高くし、受付や診療室などを全体的に広くすることで、落ち着いた空間を作りました。診療室のチェアは背もたれを倒した時に患者さんの背中が滑らないように、あえて凸凹したものに変えました。待合室のシャンデリアも華やかな雰囲気に一役買ってくれています。診療室の奥には、さらに設備を増設した歯科技工室を備えました。その他、マイクロスコープをはじめ、高精度なCT、滅菌機、位相差顕微鏡を新しく導入しました。特に位相差顕微鏡は、より精密な診断・治療を行うことができます。治療については保険診療の範囲を基本とし良質な医療を提供する、というこれまでの方針に変わりはありません。受診環境が整うことで、患者さんに喜んでいただくことが一番の目的です。

患者さんとの深いつながりを感じます。普段はどんなことに気を配って接していますか?

榮祥宏院長 さかえ歯科医院2

リニューアルを機に、イラスト動画ソフトを新しく導入しました。虫歯や歯周病など、その患者さんに合わせた内容の動画を見てもらうことで、理解を深めていただけるように工夫をしています。時には絵を描くなどして、わかりやすい説明を心がけています。また、治療中も患者さんへの気配りを欠かさないことも大切です。眉間にしわが寄ったり、手をグッと握りしめているのは、痛みや恐怖を感じているサインかもしれません。そういった細かなサインも見逃さず、随時声かけを行い、状態を察知しようとする姿勢が大切です。スタッフにも患者さんの様子をよく見て対応するよう、日頃から伝えています。

歯科治療には全身管理ができる医療知識が不可欠

大学院では細菌学を学ばれたそうですね。

榮祥宏院長 さかえ歯科医院3

歯科医院の勤務医として働き始め、臨床を行っていく上で、基礎医学の欠如を痛感しました。虫歯も歯周病も細菌感染症であり、それらに対して良質な治療を提供したいという思いと、全身管理ができる医学知識が必要と痛感し、名古屋市立大学医学部大学院医学研究科で細菌学を学び、医学の学位を取得しました。大学院での経験は、当院の診療においても非常に役立っています。現在も診療の傍ら愛知学院大学歯学部、朝日大学歯学部の細菌学非常勤講師として教壇に立ち、実習にも携わらせていただいております。また、当院においては愛知学院大学歯学部の協力施設型の研修医の受け入れ機関として、歯科医師の育成にも尽力しています。

細菌学の知見にもとづいて、院内の感染症対策を徹底されていると伺いました。

当院では、院内全体にオゾン水除菌システム、オゾン空調除菌システムを導入しています。オゾンは奈良県立医科大学、藤田医科大学が携わった研究にて、高い除菌力を持っているという結果が発表されており、そのエビデンスにもとづいて、安心して治療を受けていただけるような環境を整えております。さらに、天井には医療用の高性能な空気清浄装置とウイルス除去システムを搭載する空調を2台導入しています。その他、手が触れるところには菌やウイルスを低減させるための、酸化チタン光触媒コーティングを施しました。患者さんには入口で非接触型の検温、アルコール消毒、待合室でのマスクの着用にご協力いただいています。

こちらは「かかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所」だそうですね。

榮祥宏院長 さかえ歯科医院4

かかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所とは、虫歯や歯周病の重症化を予防するための国の制度における「定期的かつ継続的な口腔ケアを行える歯科医院」のことです。高齢者医療や在宅医療、さらにはその連携体制が整っていることや、患者さんに安心安全な診療環境を提供するための「歯科外来診療環境体制」の施設基準を満たしていることなど、厚生労働省の定める基準に適合することが必要です。いわば、患者さんにいつまでも安心して通っていただけるよう、医療機関として大切な部分を備えている証ともいえるでしょう。当院では、施設基準に挙げられる、AEDを用いた緊急時の対応、医療事故・感染症対策に関わる知識を有する人材の配置、滅菌処理をはじめとした院内感染対策など、すべてを満たすよう努力しております。

後進の歯科医師の手本となれるように、研鑽を続ける

診療を行う上で大切にされていることはどんなことですか?

榮祥宏院長 さかえ歯科医院5

患者さんとは十分に時間をかけてお話しし、治療のゴール設定について患者さんの希望を伺いながら確認しています。歯科医師側が理想を追い求めるのではなく、患者さんの思いを引き出し、納得の決断をしていただけるよう、必要な情報や知識を提供しています。特に当院では、歯の根や歯肉、土台といった建物でいうところの基礎工事がしっかりと整えられていなければたとえ、見た目がきれいな高価な治療であっても、良い治療とは言えません。私が最も大切にしていることは、この基礎工事の部分の重要性を患者さんにきちんと説明し、ご理解いただき、時間をかけて治療を進めていることです。歯の根が膿んでしまったところ、歯周ポケットの深いところは患者さん自身がどれだけ歯磨きを頑張ってもどうすることもできません。そのような部分こそ、時間をかけて治療し、再発防止につなげていくのが自分の役割と考えています。

先生が歯科医師になろうと思ったきっかけは何でしたか?

父は厚生労働省の指導医療官も務めた口腔外科専門の歯科医師で、父の姿に憧れて歯学部に進みました。また、祖父は民事を主に扱う弁護士でした。2人の影響を受け、自分自身「人の力になりたい」という思いが強くなったのかもしれません。例えば、新型コロナウイルス感染症流行時には、真っ先にワクチンの接種会場に出向いて接種に従事しました。息子も同じく歯科医師で、愛知学院大学大学院で根管治療を専門に学び、歯学の学位を取得し、歯科用マイクロスコープを活用した治療などを当院で提供しています。私が大切にしている「患者さんファースト」の精神を彼にも継承していってもらえたらと思っています。

最後に、今後の展望をお聞かせください。

榮祥宏院長 さかえ歯科医院6

「先生のおかげで食事がおいしく食べられるようになりました」と患者さんに喜んでもらえることは歯科医師として、これ以上にない喜びです。今後も患者さんの健康を守るための歯科医療を実践し続けます。また、知識と技術を十分に発揮でき、経営的にも安定して診療を行える歯科医院の姿を示すことで、若い歯科医師の手本になれるよう、さらに研鑽を積んでいこうと思っています。スタッフ一丸となってこれからも地域の皆さまに良質な歯科医療を提供して参ります。

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