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小出 賢治 院長の独自取材記事

小出歯科医院

(名古屋市天白区/植田駅)

最終更新日:2023/08/04

小出賢治院長 小出歯科医院 main

名古屋市天白区にある「小出歯科医院」は、開業から60年近く地域住民に親しまれている歯科医院だ。1999年に両親から引き継いだ小出賢治院長のモットーは、「楽しく来院できる環境を整備し続けること」。長年通い続けている患者も多く、小さい子どもから高齢者まで、幅広い年齢層のさまざまな症状に対応。特に予防歯科に注力しており、3ヵ月ごとの定期検診を推奨している。現在は妻である小出麻子先生との2人体制で診療を行っており、母である小出瑞穂先生は患者とのコミュニケーションを大切にするため、待合室で対話による地域交流を実践しているとか。長く愛され続ける歯科医院の2代目として、先代の意志を受け継いでいる小出院長に、学生時代の話や心がけていること、力を入れている予防歯科について話を聞いた。

(取材日2023年5月26日)

両親の想いを引き継ぎ、地域医療の一翼を担う

60年近く続くクリニックだそうですね。

小出賢治院長 小出歯科医院1

両親が開業してから約60年、この地で診療を行っており、私が2代目です。現在は妻との2人体制で診療を行っており、母は患者さんのサポートを担当しています。長年、この地域で皆さんのお口の健康をサポートしていますから、患者さんの中には親子2代で通っている方もいますよ。私も小学校まではここで暮らしていたので、小さい頃はよく診療室で遊んでいました。ご近所さんが多く来院していましたから、両親とも楽しそうに雑談しながら診療をしていたという記憶が残っています。しかし、クリニックとは別に自宅を建ててそちらに移ってからは、両親の働く姿を見る機会は減りましたね。ただ、歯科医師になったのは両親の影響であることは間違いありません。

大学時代は北海道で勉強されていたと聞きました。

北海道医療大学で学生時代を過ごしました。北海道は良いところですよ。大学卒業後も3年間医局に残り、臨床、研究、学生教育に従事し、その後も歯科医院で働いていましたので、結局北海道には12年いました。結婚を機に名古屋に戻ったのですが、すぐに当院には戻らず、雇われ院長というかたちで3年勤務。そちらでは歯科医療だけでなく、経営なども学ばせてもらいました。その後、両親から継承し、現職に就いたのが1999年です。その年に当院をリニューアルオープンしました。

開業までの経緯を教えてください。

小出賢治院長 小出歯科医院2

大学時代は歯科保存学という分野で一般的な治療全般を学びました。もともと開業医として当院を引き継ぐ予定でしたから、一番オールラウンドに勉強できるところを選んだんです。卒業後は大学の医局、さらに北海道や愛知県内の歯科医院に計5院ほど在籍して、腕を磨きました。一つの場所だと一つのやり方しかできませんから、複数のクリニックで研鑽を積ませてもらったことは貴重な経験です。特に医局員時代に派遣された歯科医院は、ほかにクリニックがないような田舎の歯科医院で、悪くなってから受診される方が多いところでした。1日に100人くらい患者さんが来院していたので、必然的に数多くの症例を診ることができ、その経験は今に生かされています。一方で、一般的な歯科治療を中心に経験を積んできましたので、口腔外科や矯正などの専門的な分野は、連携している専門の医療機関にご紹介しています。

検査結果と画像で資料を作成し、現状を可視化する

予防歯科に力を入れていると聞きました。

小出賢治院長 小出歯科医院3

当院の定期検診は3ヵ月ごとの来院をお願いしています。3ヵ月というのは少し歯石がつき始めるくらいの頃合いなので、そのタイミングで掃除をするのが適しているんです。定期検診では、歯科衛生士による歯磨きのチェックと掃除を行っています。その内容であれば時間もそんなにかかりませんし、お互いに幸せですよね。あと当院では、検査結果などをまとめた資料もお渡ししています。新規の患者さんにはエックス線画像や口腔内の状態をデータ化してわかりやすくした内容の冊子を配布し、定期検診の際には歯周ポケットの状態を把握できるような資料を持ち帰ってもらいます。歯周病のケアは普段の歯磨きが非常に重要ですから、ご自分の口腔内への理解を深め、正しいセルフケアを身につけていただいきたいと思っています。

どのような患者さんが来院されますか?

ご高齢の方が多いですね。長年住んでいる方が多い土地柄ですし、両親の代から通ってくださっています。父が昔から定期検診の重要性をきちんとお伝えしてきたので、予防の意識が根づいているのでしょう。私はそれを引き継いでいるかたちですが、ご高齢の方は比較的きちんと定期検診に来ていただいており、口腔内環境が良い方が割と多いです。また、お子さんの場合には成長により歯並びが変化していくため、より予防への取り組みが必要になります。虫歯に罹患する子は少なくなったという印象ですが、顎が小さく歯が並びきらずに歯列が乱れてきているので、正しいセルフケアが非常に重要になるでしょう。今診ているお子さんたちが高齢になっても健康な口腔環境を維持し、自分の歯で食事できるようにするのが、私の目標です。

院内はとても明るい雰囲気ですね。

小出賢治院長 小出歯科医院4

当院をリニューアルしてからもう20年以上になりますが、スタッフのおかげで院内は常にきれいです。来院された患者さんがスタッフと楽しそうに話している姿を見ると、私もうれしい気持ちになります。スタッフにはそれぞれ好きな色のユニフォームを着てもらっていますから、それはもうカラフルですね(笑)。私自身も日によっていろいろ変えています。内装も明るくなるように空の壁紙を貼って、窓にも空のフィルムを貼りました。日光が入ると、青空が広がるようできれいですよ。また治療とは別に、検診専用の診察台を設けています。これは歯科衛生士専用のケアスペースで、治療の場所と分けることで、患者さんに少しでもリラックスしていただければと思っています。

痛みが出る前に、定期検診で口腔内を適切にケア

診療の際に心がけていることはありますか?

小出賢治院長 小出歯科医院5

現状と治療内容をできるだけわかりやすく伝えるようにしています。治療の段階を追って撮影した画像を各ユニットに設置したモニターで表示し、患者さんにも確認してもらいながら説明します。ご自分の口腔内を確認する機会は少ないと思いますから、視覚に訴えることできちんと治療しようという意識が高まればいいなと思っています。また、当たり前のことですが、なるべく痛くない治療を心がけています。例えば、麻酔注射をする際は、事前に表面麻酔を行い、その後ゆっくり時間をかけて注射します。多少痛みを感じる場合もあるとは思いますが、極力痛くならないように努めていますね。当院のモットーは「患者さんが楽しく来院できる環境を整備し続ける歯科医院」です。楽しく通っていただいて、「すっきりした」とお帰りいただけるような歯科医院でありたいです。

訪問診療も行っているそうですね。

長年通ってくださっている患者さんがご高齢になり、通院が困難になってきたことから自宅への訪問を依頼されたことがきっかけで2020年から開始しました。年々ニーズが高まっており、近隣施設へも出向いています。歯科衛生士も同行し口腔内ケアを行うほか、義歯の調整にも対応しています。皆さんに喜んでいただけるよう、通院していた時と同じように、きちんとしたケアを提供していきたいと思っています。

最後に読者へのメッセージをお願いします。

小出賢治院長 小出歯科医院6

家庭や仕事で忙しく、受診するタイミングが難しいという方は多いでしょう。しかし、年を重ねても自分の歯で食事をするには、歯周病のケアが重要です。そのために欠かせないのが、定期検診と普段の歯磨きです。歯周病は年齢の問題だけではなく、ケアをしていないことのほうが問題です。歯周病が進行すると、しっかり噛むことができなくなります。また定期検診をせずに虫歯を放置してしまうと、痛みが強くなり、治療のために長期間通院しなければなりません。こういった事態は避けるためにも、定期検診を受けてほしいです。ご高齢の方は1ヵ月に1度、お子さんや成人の方は3ヵ月に1度の検診を推奨しています。また30代を過ぎるとほとんどの方に歯周病の兆候があります。口臭など気になることがあれば、まずはご相談ください。歯科医院に行くことは勇気がいることかもしれませんが、その一歩を踏み出してもらえたらと思います。

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