松井 和博 院長の独自取材記事
松井歯科医院
(豊橋市/大清水駅)
最終更新日:2021/10/12
豊橋市南部に位置する「松井歯科医院」。2つの駐車場を合わせ30台と広い敷地に、1995年に開業、20年以上、地域に親しまれてきている。歯科医師が非常勤を含め6人在籍し、一般歯科から矯正治療、インプラント治療、入れ歯治療、さらに訪問歯科診療まで幅広く対応している。中でも松井和博院長が力を入れているのが予防やメンテナンスだ。「歯科医院は歯を守るところ」であり、「歯と口、体の健康をめざした診療を行っていきたい」と語る。開業時から「地域で一番信頼される医院になりたい」という大きな志を持ちつつも、その姿勢は終始穏やかで、スタッフや来客に対する言葉づかいも丁寧で優しい。家族で通う患者が多いという同院の診療姿勢や地域への思いなど、さまざまな話を聞いた。
(取材日2018年10月17日)
複数の歯科医師と優れた設備でより良い治療をめざす
まずこの地域や、来院される患者について教えてください。
この辺りはもともと農業地域で、私はこの近くで生まれ育ちました。今から20~30年前、ちょうど開業した時期ぐらいから住宅が増え始めましたね。患者さんは地域の方を中心に、田原市、豊川市、蒲郡市から、また静岡県浜松市から車で1時間半ほどかけて来てくださる方もいます。年齢層は赤ちゃんから高齢の方まで幅広いです。お母さんがお子さんを連れてこられ、そしてお父さん、というふうにご家族そろって来てくださるケースも多いですね。
こちらには、歯科医師やスタッフが多くいらっしゃいますね。
歯科医師が非常勤を含め6人、うち3人が女性で、どの歯科医師も小児から成人まで同じレベルで治療ができるようにしています。インプラント治療や矯正治療、訪問歯科診療は、私と、他にも軸となる歯科医師がいます。スタッフは、歯科衛生士、歯科助手に加え、歯科技工士も在籍。歯科技工士が常時、院内にいますので患者さんのお話を伺ったりして、要望に沿った、お口にきちんと合った技工物の作製に努めています。さらに当院には、器具の消毒や滅菌を専門に行うクリーニングスタッフも在籍。感染予防のために衛生管理を徹底しており、患者さんにも、そしてスタッフにも安心してもらいたいと思っています。当院のスタッフは毎週1回、みんなで勉強会を行っており、常に知識のアップデートに努めているんですよ。院内の掲示物を患者さんにわかりやすいよう作ってくれるなど、向上心や自発性があり、頼もしいですね。
こだわりの設備としては、どんなものがありますか?
インプラント治療などに必要な歯科用CTはもちろん、セラミック治療においてはCAD/CAMシステムを早い時期から取り入れています。CAD/CAMシステムは天然の歯のような色のかぶせ物や詰め物をコンピューターで設計し、それをもとにマシンで作製するもので、小さな詰め物でしたら1日で治療を行うことも可能です。歯の型採りは、3D光学カメラを使用して口の中をスキャンしますので、患者さんにあまり負担はかかりません。前歯の差し歯など、より見た目の違和感が少ない審美性を求められる部分は、噛み合わせにも細心の注意が必要であり、歯科技工士がより細かな調整を行います。小さい詰め物から大きいかぶせ物、前歯まで、機能に加えて見た目の美しさが伴った治療ができると自負しています。
治療のみならず、体の健康にもつながる予防を
こちらのクリニックで大切にされていることを教えてください。
当院では、治療するだけではなく、歯と口の健康を守り育てるという理念のもと、予防、メンテナンスを重視しています。患者さんに、歯科医院は虫歯や歯周病の治療をするところではなく、自分の歯を予防し、生涯にわたって守るところだと認識していただきたいのです。そのようなお話を昔から患者さんにしてきており、今では当院にいらっしゃる方の半分以上が予防目的での来院となりました。患者さんに治療することがなくなれば、それが歯科医師として大きな幸せですね。当院では、最初の時点で検査や口腔内写真の撮影を行い、ご自身のお口の状態をしっかり把握していただき、それに基づいて予防や治療の計画を立て、複数の歯科医師で検討し、患者さんに納得していただいてからその先に進むようにしています。専門的な多職種のスタッフが一丸となったチーム医療が当院の強みだといえます。
予防やメンテナンスが最も重要だと考えておられるのですね。
はい、私は学生時代から、歯が悪くならないように予防することが重要であり、それが歯科の原点ではないかと考えていました。母校である新潟大学歯学部が先進的に予防歯科に取り組んでいましたので、医局に出入りし勉強させていただいたわけです。そもそもなぜ予防に目を向けたかというと、実は私自身、小学生の頃よく虫歯ができて歯科医院に通ったからなんです。実家は農家でしたので忙しかったのもあるからか、特に歯を大切にしようという意識はなかったと思います。自分が虫歯で苦労したので、他の人にはそういう経験してほしくないと思い、歯科医師をめざしました。
予防歯科ではどのようにケアが進むのですか?
当院では初診の方には、虫歯になりやすさ、歯周病になりやすさなどのチェックを行います。その結果を見て、例えば「歯周病になりやすそうだから、歯磨きはこのように気をつけて磨きましょう」などアドバイスを行い、その方に合った予防のプログラムを作ります。そして歯石の除去やクリーニングを行い、歯をきれいにして、もし虫歯などがあれば治療に入ります。先にきれいにしたほうが、長い目でみると歯が長持ちするのですよ。治療が終わったら、3ヵ月に1回定期検診をお勧めしています。これは、3ヵ月以上歯のメンテナンスをしないと歯周病が悪化するというヨーロッパの研究データに基づいてのことなんです。予約は診療後、チェアサイドでできますので手軽ですね。
子どもや地域全体の健康向上に尽力
こちらでは、診療室とは別に予防専用のケアルームがあるのですね。
予防に通ってこられる方が増えるにつれて少しずつ増築し、ケアルームを増やしてきました。全体では、パーティションで仕切られたチェアが3つと、個室が7つあり、そのうち5室が予防専用のケアルームです。ルームにはそれぞれ担当の歯科衛生士が決めたテーマがあり、それに合わせて部屋を楽しく飾っているんですよ。例えばテーマが「花」なら壁に色紙の花を、「海」ならイルカの切り絵を貼るなどしてリラックスできる雰囲気にしています。定期的にケアルームに通うことが当たり前になると、例えば小さな虫歯が見つかって診療室に来られたときなど、患者さんは「久しぶりに院長の顔を見たなあ」などとおっしゃることもありますね。
先生は、子どもの矯正治療にも力を入れておられると伺いました。
はい、当院では小学生を中心に矯正治療を行っています。行っている矯正方法は、マウスピース型装置を使って、きれいな歯並びを実現させようというものです。またこの方法の特徴は、装置に頼るだけでなく、アクティビティ、つまり口腔筋の機能をより良く発達させるトレーニングを行うことにもあります。トレーニングはスタッフが担当しますが、おうちで継続して実践することが重要です。お子さんには「学校の勉強のように、こつこつやってね」と言っていますよ(笑)。これは単に歯並びをきれいにするだけでなく、顔のゆがみや姿勢を正しくすることにもつながります。将来のために歯もお口も姿勢も、きちんと成長するよう導いてあげたいですね。
今後についてもお聞かせください。
開業までにさまざまな歯科医院に勤務しましたが、先生方や、これまでに出会った患者さん方に教えていただいたことが数多くあります。スタッフにも恵まれ、おかげさまでここまで来られたと思います。患者さんから、うれしい言葉をいただくと、自分のやってきたことは間違っていなかったな、もっと良くしていこう、という気持ちになりますね。開業時、「地域で一番信頼されるクリニックになりたい」と考えていましたが、それは今も変わりません。ここなら一生、歯を任せても大丈夫、と思われる歯科医院でありたいと思います。私は、豊橋市歯科医師会の役員として、行政にさまざまな提案を行ったり会議に参加したり、市民向けの講演を行ったりしています。それらの活動を通じて、当院の患者さんだけでなく地域全体の健康が向上するよう、今後も力を尽くしていきたいと考えています。
自由診療費用の目安
自由診療とは子どもの矯正/6万円~(診査料金等別)、一般の矯正/40万円~、インプラント治療/28万円~(手術費用・上部の冠)、セラミックのかぶせ物/一歯8万円~、セラミックの詰め物/一歯5万円~
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。