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坂根 瑞 院長の独自取材記事

坂根歯科医院

(豊橋市/赤岩口駅)

最終更新日:2021/10/12

坂根瑞院長 坂根歯科医院 main

豊橋駅から路面電車で約30分。市街地から住宅街に入っていく少し手前、豊橋鉄道東田(あずまだ)本線の赤岩口停留場のそばに「坂根歯科医院」はある。40年以上前からこの地に根をおろし、地域の人々に親しまれてきたが、2年ほど前に代替わりして、ピカピカの新しい診療所としてオープンした。完全バリアフリーで機器も先進のものをそろえる。若い頃はずっとサッカーを続けていたという院長の坂根瑞(みずほ)先生は、力強く骨太のイメージを漂わせながら、優しい物腰で語りかける。患者への説明に特に力を入れており、納得いくまで話をしてくれそうだ。そんな坂根先生に、診療にかける想いなどを聞いてきた。

(取材日2017年5月17日)

バリアフリーにこだわった新しい診療所

ここは先生が生まれ育った地なのですね。

坂根瑞院長 坂根歯科医院1

はい。父の基(もとい)が約40年間、ここで歯科を開業してきましたのでとても愛着があります。私は幼い頃から、なんとなく歯医者になるんだろうなあと思っていましたし、開業するならここで、とずっと考えていました。ほかの職業やほかの土地、という選択肢は全く考えなかったですね。父は今も一緒に診療をしています。父の患者さんは長年通ってこられている方が多く、その年齢層は高め。私は新しい患者層として、若い世代の方を多く診ています。2世代、3世代とご家族で来ていただいているケースも多いですね。

新しく開院されるにあたり、力を入れたのはどんなことですか?

以前の医院には段差もありましたが、高齢化社会を見据え、それらを全部なくしてバリアフリーの建物にしました。年配の患者さんがストレスなく診療を受けられるように設計されています。車いすの方もそのまま行き来できるよう、通路を広めにとり、受付まわりやトイレのスペースも工夫しました。愛知県には「人にやさしい街づくり推進に関する条例」(高齢者、障害者等を含むすべての県民があらゆる施設を円滑に利用できる人にやさしい街づくりをめざしたもの)というものがあり、それにも適合する施設です。

設備も先進のものがそろっていますね。

坂根瑞院長 坂根歯科医院2

そうですね。特にCTの導入は良かったと思っています。抜歯の際に神経の症状が出ないかを確認したり、腫瘍がないか検査するのにとても役に立ちます。とはいえ、設備さえ良ければいいというものではなく、これはスタート地点。子どもから大人までフレキシブルに、その人にあった治療を選択して提供することを一番大切にして、診療の質を高めることを目標としています。

今困っていることをまず解決、そして治療方針を選択

開業前のキャリアについて教えてください。

坂根瑞院長 坂根歯科医院3

愛知学院大学歯学部を卒業して、そのまま大学に残りました。開業するまで14年ほど勤めていました。「有床義歯学」を専攻したのですが、これはいわゆる「補綴」で、義歯やかぶせ物、インプラントなどで、欠けた歯を補う専門科。実は、学生時代に一番苦手としていた分野です。苦手だからこそトライしよう、勉強が必要だと思ったのです。

チャレンジャーですね。だからこそ学びになったこともあるのでしょうか?

最初から開業を考えていましたから、苦手分野の克服は至上命題でした。義歯は、開業医になると歯科技工士に作ってもらいますが、大学では基本的に自分で手がけます。製作経験のない歯科医師も少なくないと思いますが、臨床上で必要な知識でも、作ってみなければわからないことがたくさんあります。自分で型を取って、作って、患者さんの口の中に装着して、うまくいかなければそれを修正して、という繰り返しは、とても勉強になりました。患者さんにセットするはずの日に間に合わなくて徹夜したり、上の先生に怒られたり、ということも何度もありましたが、失敗は次の機会に「ここをもっとこうすればよい」という教訓を与えてくれますし、非常に良い経験を積むことができたと思っています。患者さんから「うまくしっかり噛めるようになったよ」と言われるとうれしくて、徹夜の疲れは吹っ飛びましたね。

現在、診療上、大切にしているのはどんなことですか?

坂根瑞院長 坂根歯科医院4

何よりも大切にしているのは患者さんへのインフォームドコンセントです。わかりやすく説明して患者さんに納得していただくこと。患者さんは、治療技術の良し悪しなどよくわからないと思うのです。まずは、今困っていること、痛みなどの症状を一発で和らげてあげられるかどうかが鍵。それから、その原因を治したり、義歯を作ったりという段階に入るわけですが、きちんと治療方針を説明して、相談しながら処置の方法を決めていきます。例えば義歯を保険適用のものにするか自費のものにするかは、患者さんの価値観はもちろん、歯や土台のコンディションによっても違ってきます。まずは選択肢を示して、そこから選ぶ手助けをするのが私たちの役目です。模型を使ったり、これまでの症例をお見せしたり、目で見てわかりやすく、ということも心がけています。スタッフもそれぞれの立場に応じてきちんと患者さんに説明ができるよう、情報共有や教育に力を入れています。

治療終了はゴールでなく、スタート

今後、力を入れていきたいことについて教えてください。

坂根瑞院長 坂根歯科医院5

歯の健康を保っていただく「予防」に注力していきたいと思っています。私たちの仕事の大前提は、おいしく食事をかめるようにすること。1日3回食事をするのですから。それに加えて、見た目の美しさも大切です。口元で顔の印象はずいぶん変わるものです。さらに全身の健康管理まで配慮したうえでベストだと思われる治療を選択し、終えるわけですが、それはゴールではありません。新たなスタートです。歯の健康を維持するために重要なのはメンテナンス。そのことを多くの方にもっと理解していただきたいですね。開院から1年半あまり経ち、新規で来院され治療を終了した患者さんたちが、定期的なメンテナンスの時期に入ってきていますので、予防の体制をしっかり確立して、アドバイスしていきたいです。

訪問歯科にも対応しているのですか?

はい。近くで開業されている内科の先生と連携して、依頼があれば対応しています。月に10人くらいの患者さんを定期的に訪問している感じです。お昼休みや自院の休診日を利用して、自分の車で道具を一式持って行きますよ。高齢化社会で在宅医療を利用する患者さんが増えるなか、訪問歯科のニーズも高まっています。在宅患者さんは、噛めなくて困っている人が多いですね。でも、入れ歯を作るとなると4〜5回の診療が必要で、時間もかかり患者さんの負担も増えるので、できるだけ既存のものを修理して工夫するようにしています。とにかく「噛める」環境をつくってあげること、QOL(生活の質)を上げることを優先しています。

たいへんお忙しい毎日ですが、お休みの日はどんなことをされていますか?

体を動かすのが好きなので、ジムへ行って体を動かしたり、ゴルフに行ったりします。若い頃ずっとサッカーをやっていたので、運動しないとすごく体がなまってしまう感じがするんです(笑)。あとは子どもの相手をしています。4歳の娘と0歳の息子がいまして、かわいくて楽しくて仕方がありませんね。

患者さんに対してはどんな歯のケアを勧めていますか?

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どの年代の方にも言えますが、歯ブラシで歯を磨くだけでは不十分です。ぜひ歯間ブラシなどの補助用具を使ってください。そうでないと、例えばお子さんの場合、お母さんたちが頑張って歯を磨いてあげても、どうしても虫歯ができてしまいます。こうした小児を含めて家族ぐるみの歯のケア指導もどんどん取り組んでいきたいです。

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