東原 健人 院長の独自取材記事
医療法人 とうはら歯科医院
(岡崎市/美合駅)
最終更新日:2021/11/22
「とうはら歯科医院」があるのは、名鉄美合駅を出てすぐのビル2階。駅に近いという好立地にあり、仕事帰りに寄る人も多いそうだ。東原健人院長は、スタイリッシュな風貌と、親しみやすい笑顔が印象的な気さくで話しやすい先生。地元歯科医師会の活動にも積極的に関わり続け、20年以上、地域住民の歯の健康維持に貢献してきた。そんな院長の背中を見て育った2人の息子も父の背中を追って歯科医師となり、現在は勤務先が休みの時に非常勤でサポートしてくれているのだという。「毎日、どんな患者さんに会えるのか楽しみで仕方がない」、と、顔をほころばせて語る東原院長に今の想いを聞いた。
(取材日2021年10月12日)
長く地域住民の歯の健康を守り続ける歯科医院
前回は2017年にお話を伺いました。そこからの変化はありますか?
2017年当時も、だいぶ定期検診などの予防歯科的な要望が増えていましたが、最近はより一層ニーズが高まっているように思います。定期的なメンテナンスに通われるリピーターさんが増えたというのが1番大きな変化かもしれませんね。あとは、当時まだ学生だった息子2人が歯科医師になりました。現在はそれぞれ、愛知県内と、兵庫県で勤務しているので、勤務先が休みの時などに非常勤というかたちでサポートに来てくれています。息子たちには勤務先で新しいことをたくさん学んで戻ってきてほしいと思っています。
先生は、どうして歯科医師をめざされたのですか?
子どもの頃から手先が器用で、物作りが好きだったんです。中高生の時には木を削ってギターやバイオリンを作りました。材料になる輸入板や楽器作りについて書かれた本を買いに、夜行バスに乗って東京まで行ったものです。ギターは4つ完成させて、今も弾いています。ですから楽器作りの職人にもなりたいと考えたこともありました。また、私の父親は体育の教師で私も運動が好きだったので同じ道も考えたのですが、結局、最終的には自分の手を使ったテクニカルな仕事をと思い、歯科医師になることに決めました。削るなどの細かい作業は、どちらも繊細さが必要で、楽器作りも歯の治療も似ているかもしれません(笑)。かたちは変わっても、好きなことを仕事にしているので、今も毎日楽しくて仕方がないんですよ。毎日違う患者さんがいらっしゃるので、日々変化もありますしね。
この地で開業を決めたのはどうしてですか。
この場所を選んだのは、私が生まれ育ったところに近くなじみのある場所だったからです。あとは、駅からも近く、自分の住まいからも近かったので。やっぱり開業するなら、生まれ育ったこの岡崎で、という想いが強かったんですよね。最初は小さな規模で始めて、15、6年前に隣のテナントが空いたのを機にリニューアルして倍の広さにしました。その際、歯科衛生士が担当するメンテナンス専用のユニットを2台増やし、ユニットを計5台にしました。また、一つ一つのユニットを広くして照明も増設し、院内を明るくしたんです。メンテナンス専用のユニットでは、座り心地の良い椅子を採用して、さらに歯科衛生士が使いやすいしつらえにしています。先ほども申し上げたとおり、以前よりも患者さんたちの中で予防に対する意識が高まっていて、歯科衛生士が中心となるメンテナンスの需要が高まってきているのはとてもいい傾向だと思いますね。
頼れるスタッフとともに予防ケアとメンテナンスに尽力
どんな患者さんが多いのですか。
先ほども少しお話ししましたが、定期的にメンテナンスで来られる方が本当に多くなりましたね。患者さん全体の3分の1から半分ほどでしょうか。歯科衛生士にメインとなってもらい、お口の掃除や衛生指導をしています。メンテナンスエリアにある歯科衛生士担当の2台のユニットはフル稼働で、3ヵ月ほど先まで予約が埋まっている状態です。開業当初は3台のユニットの診療で手一杯でしたが、改装してスペースができ、歯科衛生士によるメンテナンスに力を入れる体制にシフトしてきたことで、歯のケアの大切さを理解してくださる方が増えてきたのだと思います。理想は、私の出番がないという状態です(笑)。治療が必要ないということは、口腔内のケアがしっかりできている、ということですし、患者さんも痛い思いをするなどの負担がなくていいわけですから。
メンテナンス重視の体制に移行されたのはなぜですか。
「削って詰めて、おしまい」というやり方は、その場の治療としては正しくても、結局良い状態を長く保てないと気づいた、ということがあります。当院の理念は「楽に楽しく来られる歯科医院」なのですが、「楽に」というのは患者さんはもちろん、私もお互いに「楽に」ということです。痛くなってから歯科医院に行って検査や治療をするより、痛くない頃から定期的にチェックしてトラブルを予防することで、お互い大変な思いをせずに済むいうのが理想です。歯医者イコール痛い場所、というようなネガティブなイメージがなければ楽しく通えるでしょうし、楽しければ継続することができる。メンテナンスや予防を一生懸命やりたいと思うようになった頃にちょうど増築できたので、本当にグッドタイミングでした。
歯科衛生士さんの果たす役割も大きいですね。
そうなんです、当院の歯科衛生士は受付などもこなせる「スーパー歯科衛生士」だと思っているんです。本当に頼りになるスタッフばかりです。それぞれの経験やパーソナリティーも生かしながら、非常に熱心に、一生懸命に患者さんに接してくれています。お子さんにも根気強く接してくれるので、小さなお子さんは、私よりも歯科衛生士に懐いているぐらいです。最初は歯磨きだけで大泣きしていたような子が、だんだん慣れて定期的に来院し、元気に成長していくのを見ると、こうして口腔ケアのできる子どもを増やしていかないといけないなと思います。歯科医院は多くの方にとっては、「あまり行きたくない場所」かもしれません。だからこそ、気持ち良くお迎えして真心で接して、「来て良かった」「また来たい」と思っていただける対応をするよう、スタッフ全員で心がけています。テクニックはもちろんですが、やはりハートの部分が大切だと思っています。
信頼関係を大切に、楽に楽しく通える場であり続けたい
先生の診療時のモットーをお聞かせください。
不必要に抜いたり削ったりせず、残せるものは残して差し上げたい、と思っています。その一方で、駄目なものは素早く決断して抜くことも必要なので、そのあたりの見極めをしっかりするようにしています。その上で、やらなくてはいけない処置については、無理強いせずに、患者さんの心が決まるまで待つということは心がけています。早くしなくてはいけない治療もありますが、ご本人が納得しているかということもとても大切だと思うので。あとは、よほどのことがない限り、「何とかしてほしい」というような電話をくださる患者さんがいたら受け入れて拝見するようにしています。初めての歯科医院に電話をかけるというのは、とても勇気がいることだと思うんです。だから、そうやって勇気を振り絞って頼ってくださる方を、何とかしてあげたい、と、やはり思います。頑張って来てくれたら、絶対何とかするよ、ということはいつもお伝えしています。
丁寧な説明を大事にされていると伺いました。
最初の段階で、原因と思われること、それに対する治療方法、結果まで、将来を見据えた丁寧な説明を心がけています。そうすると逆に、その後の説明がいらないんです。「この先生だったら任せてもいいな」と思ってくださるのか、リピートで通院されている患者さんの中には毎回の説明はなくても大丈夫、という方もいらっしゃいますね。ファーストタッチが一番重要だと思っています。治療のベースは、やはり、信頼関係にあると思いますね。
これからの展望と読者へのメッセージがあればお願いします。
当院には保育園の頃から通ってきてくれていたお子さんが親になり、またご自身のお子さんや家族を連れて来院してくださるというような複数世代の患者さんが少なくありません。思い出深いのは、開業初日にいらした患者さんが10周年目の日に「おめでとう」とお祝いに来てくださったこと。非常にありがたくうれしかったですね。いずれは当院も、息子たちに代を譲ることとなると思いますが、患者さんお一人お一人と信頼関係を築き、歯の健康維持のために患者さんが通い続けてくださるファンの多い歯科医院であり続けたいと思っています。困ったこと、相談したいことがあったらお気軽にご来院ください。