藤原 邦洋 院長の独自取材記事
藤原歯科医院
(岡崎市／岡崎駅)
最終更新日：2023/07/14
岡崎市の南に位置する福岡町で、50年以上にわたり地域住民の歯の健康を守ってきた「藤原歯科医院」。長く地域に根差しているのは、患者から愛されている証拠でもあるだろう。開業当初からの80代の患者が今も通い、スタッフとも顔なじみの患者が多くを占める同院の魅力は、アットホームな雰囲気だ。2023年4月から3代目藤原邦洋院長が継承し、「昔から通ってくださる患者さんには、恩返しのつもりで診療にあたっていきたいです」と話す。年上の患者から学ぶことも多いという。車とバイクが大好きで、日帰りで栃木県までバイクを走らせたこともあるというアウトドア派の邦洋院長に、同院の歩みや診療内容、新しく導入した機器などの話を聞いた。
（取材日2022年3月22日／情報更新日2023年6月2日）
3代続く外科的治療に研磨した歯科医師がいる歯科医院
開業からのクリニックの歩みについて教えてください。
当院は、私の祖父が開業したのが始まりです。道路を挟んだ向かいの場所で、チェア1台という小さな歯科医院として開業しました。早起きの高齢者も多かったので、朝5時から診療を開始することもあったそうです。約30年前に祖父が病気になったのを機に、他の歯科医院で働いていた父が戻ってきて現在の場所で2人で診療するようになりました。その後しばらくして祖父が他界してからは、父が一人で診療をしていました。祖父の代からの患者さんもたくさんいて、父は祖父の思いも引き継ぎながら地域医療に勤しんできましたが、4年前に体調を崩してしまいました。それを機に、私も父を助けようと副院長として当院で働くことになりました。現在は2023年4月から院長を継承し、地域の患者さんの歯の健康をサポートさせていただいています。
先生が経験を積まれた外科的治療とは、具体的にどんな内容なのですか？
康生歯科医院は、インプラント治療を得意とする歯科医院だったので、抜歯や歯周外科などの外科的な治療をたくさん経験させていただきました。当院の患者さんは入れ歯でお困りの方が多く、それに代わるものとしてインプラントは有用な手段です。そういった患者さんのお役に立てるかと思い、5年半ぐらいの勤務経験でしたがインプラント治療をしっかりと学びました。歯周病で歯を失った方や交通事故で歯を失った方、持病のある方など、さまざまな患者さんのインプラント治療をしてきましたので、ご相談いただければと思います。
患者への心遣いで痛みの少ない麻酔をする
どんな患者さんが来院されていますか？
地域で長く診療を続けているので、3世代で通ってくださるご家族も多いですね。私が子どもの頃からの患者さんも多く、中には、祖父が診療していた向かいの歯科医院に通っていた患者さんが久しぶりに来院されて「建物が新しくなったね」とびっくりされていたこともありました。もう30年たっているので、全然新しくないんですけどね（笑）。年齢層としては、地域のご高齢者が一番多いと思います。入れ歯や歯周病、虫歯などで痛みを訴えて来られる方が多いですね。19時まで診療をしているので、夕方以降になると会社帰りの患者さんが多いです。
患者さんに対してはどんなことに気をつけていますか？
患者さんの主訴をきちんと把握することです。患者さんが一番困っていることを丁寧に聞き取り、適切な治療をすることを心がけています。また、歯科医院に対して怖いイメージを持たれている方も多いので、患者さんの不安を取り除くよう努めています。例えば、麻酔一つとっても歯科医師の技術で痛みを軽減することは可能です。針を刺す時の痛みよりも、液を注入する時のほうが痛みを感じやすいので、細心の注意を払って注射しています。どれだけ忙しくても、そこは急がずに丁寧にすることを心がけています。また、削る時にもタービンの圧や熱の刺激で痛みを感じます。口の中ではわずかな刺激も痛みにつながるので、できるだけ加減をしながら進めています。
スタッフは何人いらっしゃいますか？
スタッフは、常勤とパートを含めて10人で対応しています。ベテランの人は、私が子どもの頃から勤めているので、私以上に患者さんのことをよく知っていて頼りになります。患者さんのほうも気心知れたスタッフがいることが安心なのか、「話しやすい」と言ってくださっていますね。患者さんの家族のことや仕事のこともよくわかっていて、問診をする上での助けにもなっています。スタッフは皆優しい人ばかりなので、院内の雰囲気はアットホームですね。
歯科用CTとガイドシステムで安全性重視の治療を行う
最近、歯科用CTを導入されたそうですね。どんなメリットがありますか？
2次元画像のエックス線は影絵のようなものですが、CTは3D画像なので、エックス線画像ではわからない立体的な部分が見えます。エックス線では映らなかった病変を見つけることにつなげやすいため、診断の補助として役立ちますし、インプラント手術や親知らずの抜歯などでも重要な役割を担います。例えば、エックス線画像では何も問題なさそうでも患者さんが痛みを訴えている場合、CT撮影をすると、根尖性歯周炎や歯の破折などの原因が見えてくることもあります。親知らずでは、下顎の場合、歯と神経が通ってる管が近いことが多いので、詳しい位置関係まで把握する必要があります。ただ、神経が近い場合はリスクが高くなるので、ケースによっては専門の口腔外科をご紹介します。
インプラント手術ではガイドシステムも使用しているそうですね。
ガイドシステムというのは、手術中にインプラントを適切な位置に入れるために用いる機器です。CTで撮影したデータをパソコンに取り込んで事前にシミュレーション設計したガイドを作り、手術当日に患者さんのお口にはめて使用します。ガイドシステムがなかった時代には、手探りで位置を確認していました。手術をしてみて、想定していた位置関係ではない場合、時間もかかる上、場合によっては再手術になることもあったようです。ガイドシステムやCTを導入することで、事前に適切な位置を測定することができるので、再手術にもなりにくいですし、時間の短縮にもつながります。
来院されている患者さんや読者に向けてメッセージをお願いします。
今後も地域の方が通いやすい歯科医院として、歯の健康を守っていきたいと思っています。歯の健康のためには、早期発見・早期治療が大切。当院の患者さんは痛くなってから来られる方が多いので、久しぶりに来られた患者さんには「痛みが出てから治療したのでは歯がもろくなるので、虫歯が小さいうちに治療できるよう3ヵ月に1度は定期検診に来てください」とお伝えしています。高齢の方は忍耐強い方が多いので、我慢せずに早い段階で気軽に来院してほしいですね。祖父の代から来院されている患者さんからすれば私はまだまだ若造で、患者さんから学ぶことも多くあります。父の診療も見習いつつ、これまでと変わらず地域に愛される歯科医院にしていきたいと思っていますので、よろしくお願いします。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント治療／35万円～
