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瀧 昌弘 院長、瀧 友紀 先生の独自取材記事

滝歯科医院

(一宮市/尾張一宮駅)

最終更新日:2021/10/12

瀧昌弘院長、瀧友紀先生 滝歯科医院 main

名鉄一宮駅およびJR東海道本線尾張一宮駅から徒歩5分の場所にある「滝歯科医院」。外観のクラシカルな雰囲気とは対照的に、院内は広々と開放的でモダンな雰囲気が漂う。同院は今年で開業112年を迎える歴史ある歯科医院であり、瀧昌弘院長は4代目。常に医療人としてどうあるべきかを模索し続ける瀧院長は、40代半ばで体調の変化を感じたことが契機となり、妻である瀧友紀先生とともに抗加齢医学や予防医学の観点から診療に取り組むことに。現在の診療体制や治療方針などふんだんに話を聞き、2人の“健康”に対する真摯な姿勢を感じることができた。

(取材日2017年10月10日)

歯科・医科双方から予防医療の提供をめざす

貴院は歯科・医科の両面からの診療も行っているそうですね。

瀧昌弘院長、瀧友紀先生 滝歯科医院1

【瀧院長】はい。私が歯科医師、妻が医師ですので、両面からのアプローチが可能です。例えばお口周りのレントゲン写真を撮ると、歯だけでなく顎の骨密度などの情報も一緒に得られるので、全身に関わる問題の一端を見つけることもあります。反対に口腔内疾病が、糖尿病や高血圧など全身の病気やさまざまな不調につながることもあります。特に健康への意識が高い方は一つの臓器に留まらず、全体的な健康の向上を希望されます。

抗加齢医学、予防医学との出会いとはどのようなものだったのでしょうか?

【瀧院長】私が1992年に東京歯科大学大学院を修了した頃には、エイジングは自然の変化と考えられ、そこに介入するという発想はありませんでした。きっかけは私自身の体調の変化です。40代半ばに何となく体調がすぐれない日々が続きました。そこで当時すでに抗加齢医学の勉強を始めていた妻の勧めで、先駆者と言われる先生にさまざまな検査を実施してもらうことに。検査の結果、「自分の身体にはこんなにエイジングによる変化が起こっていたのか……」と、とても驚き、なんとかしようと、私自身も本格的に勉強を始めたのです。そして妻と共に日本で抗加齢医学を専門的に学んだ後、ドレスデン国際大学大学院抗加齢・予防・再生医学の修士過程に入学しました。

友紀先生が抗加齢医学を学び始めたきっかけは何でしょうか?

瀧昌弘院長、瀧友紀先生 滝歯科医院2

【友紀先生】実は、私のもう一つの専門科は麻酔科です。さまざまな領域の疾患を持った方々の手術を担当していますが、先天的な疾患を持つ子どもや、病気が悪化した高齢者の手術などを経験するうちに、次第に「どうしてこのような病気は起こってしまうのだろう」と疑問を持つようになりました。そしてやがて、「病気になる前に医師としてできることはないだろうか」と考えるように。これが抗加齢医学や予防医学という学問に興味を持ったきっかけです。麻酔科学と抗加齢医学は共通点がないように思われるかもしれませんが、病気の診断に重きを置くのではなく、生化学や生理学に基づき身体の機能をより良い状態に整えるという意味では多くの共通点があります。現代はストレス社会とも言われ、80%もの病気の原因はストレスと言われています。そもそも麻酔科学というのは、手術という肉体的精神的ストレスから身を守るストレス医学でもあるのです。

不調になったら、ではなく、ならないために何をするか

予防医学の考え方について教えてください。

瀧昌弘院長、瀧友紀先生 滝歯科医院3

【友紀先生】皆さんが医療機関へ行くときは、「風邪を引いた」など症状ありきで、それに応じて医師から薬を処方されるのが一般的と思います。予防医学は「不調があるから医療機関へ行こう」ではなく、「元気で過ごすためには何をするか」を考えます。【瀧院長】健康は、毎日の積み重ねによってもたらされるものです。食事やビタミン・栄養素の補給、ホルモンの状態、遺伝子情報、運動、睡眠や心のあり方、神経伝達物質、環境汚染、体内のデトックスなどのすべてに気を配り、毎日丁寧に取り組むことが大切ということです。ドレスデン国際大学の最初の講義でも「もし一粒のサプリメントを飲むことがすべてだと思うならば、すぐにこの場から退場してください」という言葉を聞き、とても印象的でした。公衆衛生は広く住民を対象にした予防医学の分野でありますが、このドイツの大学院は個人に焦点を絞った実践的な予防医学でした。

患者層について教えてください。

【瀧院長】歯科治療だけを求めて来院する方、歯科診療を通して予防医学の観点によるケアに取り組むようになる方、さまざまです。当院のホームページを見て興味を持ち、全身的なより良い健康をめざすために足を運ばれる方もいらっしゃいます。私たちがめざしているのは、単に表層に表れる問題に対する医療ではありません。歯のホワイトニングにしろ、お肌のしみにしろ、ただ単に見た目をきれいにすれば解決、というものではありません。あるいは薬で症状を鎮めればそれで良しというものでもありません。病気の根源に焦点を当て、体の内側から改善をはかります。患者さんの悩みや問題を作らない方法を患者さんと共に考え、実践していただくようにしています。先々を見通すことも必要です。まだまだ一般的な考え方ではありませんが、新しい医療のあり方として多くの方に理解していただきたいです。

患者さんへの理解を深めるために、心がけていることは何ですか?

瀧昌弘院長、瀧友紀先生 滝歯科医院4

【瀧院長】常に唱える、といったことでしょうか。気づいて関心を示してくださる方もいますし、余計なことと感じる方もいらっしゃいます。もちろんそれぞれの感じ方を否定するつもりはありません。しかし誰しもがやがて迎える最期の時まで、自活して過ごせるようにするために何が必要かを考えることは、とても大切だと思うのです。「最期まで元気に、健康に」は実現できるものですから。また歯科診療においては、「若くて美しい口元」だけではなく、よく噛める、味わえる、発音できる、しっかり飲み込めるなどの口腔機能も重要視し、長年アレルギーなどで苦しんでおられる患者さんがいれば、銀歯などが影響している可能性をお伝えして新たな治療法を提案することもあります。運動などの習慣化は、導入として最初は週に1回のペースで取り組むことから始めます。誰であっても運動などはつらいもの。できる範囲のことをしっかり定着させることが最初は大切です。

健やかな生活を過ごせる

そもそも瀧院長が歯科医師を志したきっかけは?

瀧昌弘院長、瀧友紀先生 滝歯科医院5

【瀧院長】歯科医師の家系であったことは、影響の一つでした。当院も私の曽祖父が1905年に開業したクリニックで、私で4代目になります。両親も歯科医師でしたし、私自身自然と「自分も歯科医師となるのだろう」と感じていました。東京歯科大学大学院では口腔外科を専攻し、修了後はドイツ・ハイデルベルグ大学にて2年間、顎顔面外科について研鑽を積みました。当時は口腔がんの手術に多く携わりました。昔から人一倍負けず嫌いなところがありましたし、振り返ってみればそんな負けん気の強さから技術力や探究心が育っていったと感じます。

長い歴史を持つからこそ、現在の方針に行き着いたことでさまざまな変化もあったのではないですか?

【瀧院長】長年の患者さんにとっては、戸惑いもあったかもしれません。新しい分野でもありますし、拒絶される方も中にはいらっしゃいます。「この先の過ごし方なんて決まっているようなもの。今さら健康になったって仕方がない」と言われてしまうと、やはり寂しい気持ちになります。日本では医療によって長寿がもたらされたと喧伝されますが、世界史を見れば予防よってヒトの寿命が延伸したことは明らかです。正しく理解していただけるよう、これからも尽力していきたいです。

読者へのメッセージをお願いします。

瀧昌弘院長、瀧友紀先生 滝歯科医院6

【瀧院長】患者さんの中には「自分はこの病気に違いないんです」と、答え合わせのような相談をされる方がいますが、その症状を引き起こした原因は、患者さんによってまったく異なるものです。しかし多くの情報が得られる現代において、あらゆる可能性を多角的にとらえることが非常に難しくなってきているように感じます。そしてそういった情報の中には「これをする“だけ”で大丈夫」といったものもあります。お薬やサプリメントは、あくまでも手助けの一つです。生活を見直し、ストレスの少ない健康的な生活を長く維持していく、これが生涯幸せに過ごすために最も欠かせないものです。そしてそれをサポートしていくのが、私たちの役割です。これからも医科・歯科それぞれの観点を生かしながら、健康をめざす医療を提供していきたいと考えています。

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