舌の位置や呼吸の改善につなぐ
咬合誘導装置を用いた治療とは
ササキデンタルクリニック
(小牧市/春日井駅)
最終更新日:2025/03/14


- 自由診療
近年増加している常に口が空いている状態や舌・指しゃぶりなどの小児に見られる口周りの問題には、口腔機能や顎の発達が密接に関係しているという。小児の咬合誘導がこれらの悪習壁の改善につながることは、あまり知られていないだろう。「ササキデンタルクリニック」の佐々木成高理事長は、これまで予防歯科に注力してきた。その中で、子どもの口腔内と全身の発育・発達の状態に注目し、今後ますます小児の咬合誘導が必要になるだろうと強く感じているという。「小児の咬合誘導は始めるタイミングが大事。適切な時期に始めてほしい」と話す佐々木理事長。小児の咬合誘導のための設備・体制を整え、診療の充実を図っている。なぜ小児の咬合誘導が必要なのか、またその方法と小児期の口周りの問題について話を聞いた。
(取材日2024年5月16日)
目次
適切なタイミングで小児の咬合誘導を始めることで、口周りの問題の予防・改善、全身の健康につなげる
- Qいつ頃から小児の咬合誘導を開始すれば良いのでしょうか?
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A
▲咬合誘導を開始する時期が重要となる
口腔機能の発達・改善のために行う小児の咬合誘導は、小学校に入る頃から小学3年生の2学期頃までに行うのが理想です。マウスピース型の咬合誘導装置を用いて、口周りの筋肉を鍛え顎の成長・発達を促していきます。その結果、口呼吸の改善や永久歯が生えるスペースの確保などにつながるのです。タイミングを逃すと、顎の成長が止まってしまうため、歯列矯正は受けられても、口周りの筋肉や口腔機能を鍛える治療は受けられません。小児の咬合誘導はタイミングが重要と言えます。小学校入学前から開始することもできますが、治療にはお子さんの意欲や協力が必要です。これらの条件が整うのは、小学校に入る頃のケースがほとんどです。
- Q小児の咬合誘導をするメリットは何でしょうか?
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A
▲正しい舌の位置や鼻呼吸へ導くような指導を実施
お口ぽかんの解消、舌の位置や嚥下機能の改善など、口周りの問題や悪習癖の解消が期待できることです。マウスピース型の咬合誘導装置を装着し、舌が正しい位置に収まるよう促し、口呼吸から鼻呼吸へと変わっていくよう導きます。その結果、いびきや歯ぎしりの解消も期待でき、寝相や寝起きの悪さの改善にもつながるでしょう。また、口周りの筋肉を鍛えることで、食事中に咀嚼音を立てる「くちゃくちゃ食べ」の改善、嚥下機能の適正化につながるケースもあります。小児期に治療をしないまま成長すると、口呼吸の弊害として睡眠時無呼吸症候群になったり、脳に十分な酸素を取り込めず、集中力の低下などを引き起こしたりすることも考えられます。
- Qこちらのクリニックでの小児の咬合誘導の特徴を教えてください。
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A
▲小児の咬合誘導のトレーニングを行うアクティビティールーム
当院には、小児の咬合誘導を行うアクティビティールームがあります。口腔機能の発達・改善のための小児の咬合誘導では、アクティビティーと呼ばれるトレーニングも併せて行います。当院では、アクティビティールームでお子さんの口腔内や全身の健康状態の確認、マウスピース型の咬合誘導装置に慣れるための訓練、治療の経過観察などを行います。例えば、マウスピース型の咬合誘導装置を装着した状態で、正しく飲み込みや呼吸ができているかなどを確認します。また、当院には保育士や管理栄養士、言語聴覚士などの資格を持つスタッフがいますので、多角的に治療やお子さんの発達・発育をサポートできるのも特徴です。
- Q小児の咬合誘導の流れを教えてください。
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A
▲一人ひとりの子どもに合ったより良い提案を行う
まずは、当院が独自につくったチェックリストに沿って、お子さんの全身の状態を確認します。多岐にわたる項目を一つずつチェックし、お子さんの現在の状態を把握した上で治療のタイミングや治療方法を考えます。歯列を整えることを目的とする矯正治療との違いは、原因を取り除いて口腔機能を改善するためのトレーニングであること。その点を踏まえて、カウンセリングの際には、口頭での説明の他に動画も使って説明します。治療が始まったら、日中1時間と就寝中にマウスピース型の咬合誘導装置の装着が必要です。要する期間は2年間ほどですが、状態によっては期間を延長することもあります。治療中も定期的に通院し、治療経過を観察します。
- Qお子さんのお口周りで気をつけたいことがあるそうですね。
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A
▲小児期の咬合誘導の重要性を語る佐々木院長
口呼吸やお口ぽかんなどの小児の悪習癖は、舌が上顎についていないことが原因の一つです。舌が下がってしまうと、口が空いた状態になって鼻呼吸がうまくできなくなります。呼吸が浅くなれば姿勢も悪くなりますし、気道も狭くなってしまいます。舌を正しい位置に収めて気道が広くなれば、鼻呼吸がしやすくなるのです。呼吸が変われば、全身の健康状態の改善につながることはよく知られていますよね。小児期に舌の位置を正すことは、たいへん重要なことだと言えます。マウスピース型装置を用いた咬合誘導により、小児の悪習癖の改善や永久歯が生えるスペースの確保につなげ、結果的に適切な歯並びがめざせるのです。
自由診療費用の目安
自由診療とはマウスピース型装置を用いた咬合誘導/44万円~