生涯自分の歯で食べることを楽しむ
親子で取り組む予防歯科
林ファミリー歯科
(稲沢市/国府宮駅)
最終更新日:2021/10/12
- 保険診療
食べ物をおいしく食べて毎日の生活を送る。そんな「当たり前」を続けていくために、まず重要となるのが、歯が健康であり続けること。しかし虫歯や歯周病などをきっかけに、歯の一部や歯そのものを失うこともあるため、病気のリスクを避けるためにも、予防歯科の重要性は非常に大きいといえる。歯の健康を守り、健やかな生活を支えることに力を尽くす「林ファミリー歯科」の林寿男院長は「人生の中で、切れ目なく予防歯科に取り組んでいくことが何よりも大切」と語り、マイナス1歳からの予防歯科をはじめ、家族みんなで継続して取り組む大切さを発信している。そんな林院長に、予防歯科に取り組む意義や生活習慣で気をつけるべきポイントなどを詳しく語ってもらった。
(取材日2019年3月14日)
目次
天然の歯に勝るものはなし。年齢を重ねても歯を健康に保っていくためには、生まれる前からの予防が重要
- Q予防歯科はいつ頃から始めるべきなのですか?
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A
何もなくても、まずはお母さんの受診についてきてもらいたいですね。それこそ、赤ちゃんの頃からです。まず歯科医院という環境に慣れ、定期的に足を運ぶ場所だと知ってもらうことが、とても大切なんですよ。治療などから恐怖心が備わってしまうと、その後はどうしても積極的にはなれませんからね。当院でも赤ちゃん連れで受診されるケースは多いです。また、虫歯や歯周病などの原因菌の多くは、お母さんからお子さんへと移っていきます。裏を返せば、お母さんのお口の中が健康であればおのずと感染リスクを低くできます。ですのでマイナス1歳、つまり赤ちゃんがおなかの中にいる頃から、お母さん自身が予防に取り組むことが望ましいといえます。
- Q妊娠中に検診や治療を受けても大丈夫なのでしょうか?
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A
妊娠初期は、つわりなどによる不快感から治療を受けること自体が難しいケースもあるかもしれませんが、特に心配する必要はないかと思います。むしろ、妊娠中はホルモンバランスの変化から歯周病菌が活発になりやすく、歯周病菌にとって居心地の良い環境にしておくことで、早産や未熟児のリスクが高まるともいわれています。ですので、妊娠中はもとより、妊娠を考え始めた段階から、積極的にケアに取り組んでいただきたいです。エックス線写真撮影に対する心配もあるでしょうが、歯科で用いるエックス線検査装置は線量も低く、当院では妊婦さんに対しては、緊急を要する場面以外では撮影は控えていますので、ご安心ください。
- Q乳幼児期の口腔内管理で気をつけておくべきことは何でしょうか?
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A
口の中に絶えず糖分が残るような状態にならないよう、心がけていただきたいですね。例えば、チョコレートやソフトキャンディーが歯にこびりついたままになっていると、当然その部分が虫歯になりやすくなります。最近では離乳期を過ぎてからも、哺乳瓶を使ってジュースやスポーツドリンクなどを飲ませることで、虫歯を誘発する「哺乳瓶う蝕」が問題となっています。乳歯はいずれ永久歯に生え変わりますが、乳歯に虫歯ができ、膿ができてしまうとその下にある永久歯の発育にも影響し、生え変わった後も虫歯になりやすくなるといわれています。お子さんの将来を考えても、やはり乳歯の段階から虫歯にならないように配慮することが欠かせないですね。
- Q生え始めのタイミングや日常のお手入れで大切なことは何ですか?
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A
乳歯や永久歯が生えてきたらフッ素を塗布するなどして、歯を強くしていきましょう。生えたばかりの歯はやわらかく外側からの影響を受けやすいため、虫歯になると急激に進行するといわれています。しかしそのタイミングで予防の手を打っておけば、おのずと強い歯に成長していき、結果としてトラブルが起こりにくくなります。もちろん、毎日の歯磨きも重要です。当院では歯磨き教室を実施して親子に対しての指導を行っています。ただ、歯のケアは主体的に行わないといけないものとも思いますので、仕上げ磨きについては、心の成長に合わせてある程度になったらお子さん本人に任せ、親御さんは最後のチェックに徹することが大事かと思いますね。
- Q改めて、家族で予防歯科に取り組むメリットを教えてください。
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A
ご家族一人ひとりが予防に取り組んでいれば、当然病気のリスクの少ない環境で生活を送れるようになります。それだけでなく、例えばお母さんとお子さんが一緒に通っていれば「そろそろ歯が生えてくる時期だね」と、お子さんの発育に合わせたアドバイスも行えます。あとは、やはり「家族みんなで予防の大切さを理解し継承していく」ことが、とても大事だと思っています。親御さんが知らなかったりできなかったりすることは、お子さんにも教えられません。「8020運動」は、これから年齢を重ねる子どもたちの未来のための取り組みです。その連なりを途絶えさせることなく、親から子、子から孫へとつないでいく必要があると私は考えています。