南川 友紀 院長、谷本 佐枝 先生の独自取材記事
竹内歯科医院
(知立市/三河八橋駅)
最終更新日:2024/10/30

三河八橋駅から徒歩12分の「竹内歯科医院」。1946年の開業以来、3世代にわたって地域を支えている。現在は3代目院長の南川友紀先生と妹の谷本佐枝先生を中心に、両親も含めた家族4人で診療を行う。めざすのは「お口の総合医院」。4人の歯科医師がそれぞれの専門性を生かして、赤ちゃんから高齢者まで対応し、診療内容は予防歯科や訪問歯科など幅広く、設備面でもCT、レーザー等各種取りそろえているためいろいろな症状や治療に対応可能だ。また、南川院長と谷本先生の「地域の歯科医院に通うことができない方の力になりたい」との想いで、訪問歯科部門を立ち上げた。どんな人にも寄り添った医療に力を尽くす南川院長と谷本先生に同院の診療について話を聞いた。
(取材日2023年5月11日/情報更新日2024年10月28日)
「お口の総合医院」をモットーに、幅広い治療を提供
半世紀以上、地域医療に貢献されてきた歯科医院だそうですね。

【南川院長】祖父が戦後すぐの1946年2月に開業し、両親とともに診療を続けてきました。私が子どもの頃は自宅と診療所がつながっており祖父母と両親の働く姿を見て育ったため、歯科医師をめざしたのも自然の流れだったと思います。私は大学病院の歯科口腔外科に勤務、訪問歯科診療にも従事し、実家である当院に勤務するようになってから訪問歯科部門を立ち上げ15年以上になります。弟が奥さまのご実家で働くことになり、今年1月の院長就任とともに訪問歯科診療は午前のみとし、午後は院内で診療をしています。妹も含め家族4人が専門性を持ち幅広い歯科医療を行えることが当院の大きな強みです。父は歯科口腔外科、母は小児歯科と矯正、妹は入れ歯や差し歯等の補綴(ほてつ)と障害者歯科、私は歯科口腔外科と訪問歯科が専門で「お口の総合医院」をモットーに、どんな症状にも対応できるよう家族で協力しながら診療をしています。
どのような患者さんが来院していますか?
【南川院長】祖父や父の代からの長いお付き合いの患者さまもおいでになり、今でも温かい目で見守ってくださるので、ありがたいですね。母は日本小児歯科学会小児歯科専門医であり、小さなお子さんも多く来院されていますし、妹が補綴治療を得意としているので、入れ歯の方も多いです。保険でもよく噛める入れ歯をめざして丁寧に作っています。患者さまが周囲の方に入れ歯の話をされて、それを聞いた方のつながりの縁から、遠方から来られる患者さまもいらっしゃいます。
【谷本先生】補綴を専門にしているため、入れ歯はその方本来の顎の高さを測り、製作、型採りにもこだわっています。また、差し歯は入れていることがわからないほど自然に見えるように色調や透明感等に細心の注意を払って作るようにしています。
新しく建て替えられた院内は、広々としていますね。
【谷本先生】こだわったのは、完全バリアフリーであることです。というのも、当院は私の専門分野の一つである障害者歯科診療に対応していることに加え、高齢の患者さまも多いためです。エントランスには屋根があるので、雨の日でも傘なしで送迎車から降りられます。院内は段差がなく、緩やかな傾斜がつけてあるため車いすやバギー等も楽に入れ、診療室も転回できる充分な広さを設けています。音に敏感な方のために音が遮断できる診療室も造り、障害のある方でも満足していただけるような工夫と設計を心がけました。障害があっても、できるだけ外へ出ることは大切なので、どんな方でも通える院内環境は大事だと思っています。また、私も姉も子育て中ということもあり、同じ母親の立場から、お子さまを持つ方たちのために託児室兼キッズルームを設けました。
託児室があると、お母さん方も安心して歯科治療を受けていただけますね。

【南川院長】患者さまの安心のために、院長になって最初に取り組みました。常勤の保育士が治療中にお子さまをお預かりするシステムです。無料ですが、同意書を頂いた上で責任を持って預かっていますので、事前登録と予約が必要になります。同じ幼い子を持つ身として、子どもが気がかりで自分のことは後回しになってしまう親御さんの気持ちはよくわかります。そのため、当院ではいつでも通えるよう時間帯を区切らず、平日・土曜ともにすべての診療時間内に対応できるようにしています。ぜひ気軽にご利用いただきたいですね。
めざすは、どんな人にも優しい歯科
訪問歯科部門を立ち上げたのはどんな思いからですか?

【南川院長】経験を生かすことに加え、長く地域医療に関わる歯科医院だからこそ、地域のお役に立ちたいという思いが強かったですね。徐々に口伝えで広まり、現在は多くの方が利用されています。「まさか歯医者さんが来てくれるなんて」と驚かれることも多く、老老介護のために情報が得られない地域の実情を痛感しました。訪問歯科診療に携わって15年以上になりますが、まだ行き届いていないなと感じます。要介護者の一番の楽しみは食べること。ですが、口腔内が不健康できちんと噛めないと、家族とごはんを食べられないだけでなく、口の中の細菌が肺に入り誤嚥性肺炎を引き起こす可能性もあります。これを予防するには、口腔ケアを通じお口の中を清潔に保つことが欠かせません。訪問時はそのためのサポートをしながら、患者さまやご家族に喜んでいただける関わりを続けていきたいですね。
訪問歯科ではどんなことができるのですか?
【南川院長】訪問歯科診療といっても、当院では、大きなパノラマエックス線撮影装置以外の道具やポータブル機器はすべてそろっているので、ほとんどの治療が可能です。エックス線写真も撮れますし、虫歯治療もできるので、ご家族からも「今はこんなこともできるの?」とびっくりされますね。訪問歯科診療は、一定の条件が必要ですが高齢者だけではなく、障害のある方も対象です。
障害者歯科についても教えてください。

【谷本先生】私はこれまで大学病院の障害者歯科に所属し、障害のある方を多く診てきました。例えば、ベッドから落ちないように体を安定させる必要のある方、処置中に呼吸管理が必要な方、刺激に過敏で恐怖心が強い方やパニックになってしまう方等、さまざまです。こうした患者さまが安心して治療を受けられるようにするには、専門的な知識と技術が欠かせません。実は今も、月1回障害者センターに勤務し更なるスキルアップをめざしているんです。これらすべての経験を生かし、当院でも一人ひとりに合った工夫をしながら適切な治療を行い、事故のない診療をすることを大事にしています。ただ、利用される方が非常に多いことから、現在は新規の患者さまの受け入れが難しい状況で心苦しいです。それだけ地域に必要にされていることを忘れずに、ご利用者さまには健常者と同じレベルの治療を提供できるよう努めさせていただきます。
働きやすい職場環境づくりでスタッフも患者も笑顔に
南川院長はボランティアもされているそうですね。

【南川院長】歯科医師になってから毎年、お世話になった大学の教授が立ち上げたボランティア団体の一員としてカンボジアを訪れています。私たちが行くのは地図にも載っていないような小さな村。現地の方々にとても喜んでいただけることや、自分の知識や技術で貢献できることは、大きなモチベーションになっていますね。
今後取り組みたいことはありますか?
【南川院長】スタッフの働く環境を整えていきたいです。歯科スタッフは女性が多く、結婚、出産を機に辞めてしまうこともあり、医療は日々進歩していて職場復帰もまだまだ大変なのが現状。それでもここなら安心して職場復帰できると思ってもらえるような環境にしていきたいです。私も子育て中ですから、家庭と両立しやすい、子育てしやすい職場環境があってこそ、患者さまにも良いホスピタリティーが提供できると実感しています。
最後に読者へのメッセージをお願いします。

【南川院長】悪化する前に治療すれば痛みは少なくて済みますし、特に歯周病は気づかない間に進行していきます。だからこそお口の定期検診を受け、不安な気持ちや気になることを何でもお聞かせください。お口は体の入り口ですから、健康のためには「健口」でいることが何より大切です。
【谷本先生】対外的なところは主に姉、院内は主に私というように2人で力を合わせ、当院を選んで来てくださった方々のために力を尽くしていきます。子育て中の方からは「いつから歯科医院に連れて行けばいいのか」「離乳食はどうしたらいいのか」等の質問をよく受けますが、母親の立場からも共感、アドバイスできると思いますので、小さなことでもご相談ください。
自由診療費用の目安
自由診療とは歯列矯正/8万8000円~