梶浦 哲也 院長の独自取材記事
カジウラ歯科
(岩倉市/岩倉駅)
最終更新日:2022/03/18

桜の名所、五条川沿いにある「カジウラ歯科」は、梶浦哲也院長のこだわりが細部にまで詰め込まれた洗練されたデザインの建物が印象的だ。治療でなくても通いたくなるような院内は、感染対策が徹底されていることも特徴の一つ。梶浦院長は歯周病治療を得意とし、診療でも「細部にまでこだわる」姿勢は一貫している。高校時代にはバスケットボールでインターハイ出場したという梶浦院長。何においても一生懸命、決して手を抜かない院長に、診療への思いを余すところなく語ってもらった。
(取材日2018年3月6日)
一本の歯を確実に守ることに尽力
こちらにはどんな患者さんがおみえになるのでしょうか?

患者さんの希望される治療はさまざまです。歯周病はもちろんインプラント、ホワイトニングといった審美歯科、義歯、レーザー治療、小児矯正などさまざまな患者さんがおみえになっています。中でも、歯周病のメンテナンスの患者さんが多いですね。また総入れ歯の患者さんもかなりいらっしゃいます。わかりやすく丁寧な診療を心がけていることもあってか、当院のファンになって長く来ていただいている方が多いです。口腔内を良い状態に維持するためには、定期的に受診していただくことが大切です。保険診療・自由診療を問わず、患者さんの希望をお聞きしながら適切な治療法を提案させていただいています。
先生が特に力を入れている治療は何ですか?
当院では歯周病に重点を置いた治療を早くから取り入れています。段階を踏んで歯石除去を行い、ポケットの深い所まできれいにしていきます。重症の方には歯周外科治療、つまり手術も行いながら、歯周ポケットの改善を図り、管理していきます。歯周病は細菌感染症なので、細菌がきちっとコントロールされていることが何より重要です。患者さんご自身でのプラークコントロールが十分にできていないと症状が後戻りするため、モニター上に大きく映したデジタルレントゲン写真や口腔内カメラの画像、アニメーションを用いて丁寧に説明した上で、歯科衛生士がブラッシングを指導します。当院には、15年、20年と歯周病のメンテナンスに継続して通う患者さんもたくさんおられるんですよ。
いつもどんな思いで診療をしていますか?

一本の歯に多方面から総合的にアプローチしていき、歯を残すことに全力を尽くしています。患者さんにとって、持って生まれた歯が一番です。だからこそ、一本の歯をいかに残していくかが大切。このベースとなるのが、歯内療法であり、歯周病治療であり、噛み合わせであると考えています。そうした取り組みにより、かなりの歯を抜かずに残すことができるようになります。個々の患者さんに合った最良の治療を模索しながら治療にあたっています。噛み合わせについてもう少しふれてみますと、歯科において、多方面に関わってくるのが噛み合わせです。噛み合わせのバランスが崩れていたり、噛み合わせの力が強過ぎても、歯や歯を支えている歯周組織を傷めてしまいます。入れ歯においては、噛み合わせが悪いとすぐに外れる噛むと痛い入れ歯になってしまいます。噛み合わせは、重要なポイントの一つです。
スタッフと連携し患者の健康寿命の延伸を支える
スタッフさんの役割については、どうお考えですか?

特に歯周病の治療では、歯科衛生士の力が不可欠です。当院には5人の歯科衛生士が在籍し、歯周病はもちろん、周術期の口腔ケアなども担当しています。周術期とは手術前後の期間の総称で、がん等の手術前には口の中を清潔にして虫歯も治しておくことが重要なんですね。というのも、手術にあたって全身麻酔をする際、気道を確保しますから、手術中は肺と口の中が行き来できる状態なので、口の中が汚れているとがんは治っても肺炎を起こしてしまうというケースもあるのです。近隣の病院と連携してそうした口腔ケアを行うことも、最近では増えてきました。また、当院では歯科衛生士をあえて担当制にしていません。一人の患者さんを多くの目で診ることによって、患者さんの情報が衛生士全員にいきわたり、誰でも対応できる基盤があることは、当院の強みといえるかもしれませんね。彼女たちが頑張ってくれているからこそ診療が成り立っている。スタッフは宝です。
先生もスタッフの皆さんも、精力的に勉強会に参加されているそうですね。
ちょうど先日もスタッフとともに、摂食嚥下セミナーに参加してきました。口や喉の機能が衰えてきた人が、誤嚥しないように食物を摂取するための講習内容でした。「フレイル」という言葉があるのですが、これは健常と要介護の中間の、だんだん体が衰えてくる状態を指します。フレイルの初期には、口の筋肉が弱ってきたり、物を飲み込む時にむせたり、唾液の量が少なくなったりして、うまく飲み込めなくなるオーラルフレイルが現れることがあります。これを改善することによりフレイルから脱却できるといわれているんですよ。
歯だけではなく、口の機能にもアプローチされているのですね。

今まで歯科は、詰め物やかぶせ物、入れ歯やインプラント治療といった、いわゆる「形態の回復」を行ってきました。しかし現在、歯科に求められているのは、食べ物をうまく咀嚼し飲み込み、栄養を摂取する、すなわち口腔や咽頭の「機能の回復」といわれています。長年にわたって治療に通っていただいた患者さんも、徐々に年齢が上がり、そういった機能が衰えてきている方が見受けられるようになりました。口腔機能の回復は、健康寿命の延伸にもつながります。口腔機能の衰えてきた患者さんにも対応していくことにより、健康で長生きするための一助となればと考えています。
すべては患者のため、こだわりの環境で患者と向き合う
そもそも、先生が歯科医師をめざしたきっかけは?

もともと人の役に立つ仕事に就きたいという思いがあり、それに理系の学科が好きなのと、いろいろ工夫しながら手先を使って物を作るのが好きで、いつからともなく歯科医師をめざすようになりました。歯学部で歯科全般を学んだ後は、歯内療法や歯周病の治療に注力している先生のもとで3年ほど勤めたのですが、そのクリニックは1時間に1人しか患者さんを診ないところだったので、じっくり丁寧に学べたのが良かったですね。その後、1979年11月に岩倉駅前で開業し、2007年6月にこちらに移転しました。
内装もとてもおしゃれですね。
ありがとうございます。知り合いの設計士さんにお願いして、細部までこだわってつくりました。待合室からの桜の見せ方もこだわりの一つで、春の桜はもちろん新緑や紅葉もすてきですよ。桜や五条川を眺めながらここでずっと本を読んでいたいと言われる患者さんもいるくらいです。診療室は半個室で、仕切りにはすりガラスを入れ、パーティションの高さにも気を配って、閉塞感のない感じにしているんですよ。診療室はあえて北側から採光しています。というのも、南からの光に比べ北からのほうが安定したやわらかい光が得られるので、歯の色を見るのに適しているのです。またバリアフリーに配慮した設計のため、車いすでの入室も可能です。
衛生面にも強いこだわりがあると伺いました。
診療器具はできる限り使い捨てに、他のものは厳重な滅菌システムにより患者さんごとに滅菌パックして準備しています。それから、口腔外バキュームや医療機関専用の空気清浄機も設置して、クリニック内の環境を整えています。歯を削る時などには、口腔内の細菌が目に見えない形で空気中に浮遊・飛散し診療室内の空気を汚染します。口腔外バキュームというのは、その浮遊した細菌を吸い取るものです。そのため、すべての治療台に1台ずつ設置しています。患者さんには、よい環境下で診療を受けていただきたいと思いますし、スタッフにも気持ち良く仕事をしてもらいたいですしね。
日々の生活の中で、お口の健康を保つためのアドバイスはありますか?

例えば唇や舌、頬の筋肉や喉の筋肉を鍛えることで、食べ物を奥へ送り込みやすくなる、飲み込みの機能の改善がめざせるということがあります。また、唾液腺のマッサージによって唾液が出やすくなり、物が食べやすくもなりますね。今来ている患者さんが通院できなくなった時に、在宅で口腔ケアや機能訓練ができるよう体制を整えています。こうした取り組みも、すべては患者さんに笑顔になっていただきたいから。患者さんの笑顔が私たちの何よりの喜びなんです。これからも進化し続ける歯科医療に対して日々研鑽を積み、プロのデンタルチームとして、体の入り口であるお口の健康づくりをお手伝いしていきたいです。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント治療:人工歯根施術 19万8000円、チタンコア 3万3000円、上部構造 4万9500円~/ホワイトニング:ホームホワイトニング 2万7500円~、ホームホワイトニングジェル 5500円(4本入り)、オフィスホワイトニング 3万9600円~/小児の矯正治療:診断料 3万800円、ブラケット矯正装置 11万円(片顎)、床矯正装置 6万6000円