小山 剛輝 院長の独自取材記事
岩倉中央歯科医院
(岩倉市/岩倉駅)
最終更新日:2024/09/11

名鉄犬山線・岩倉駅から車で5分。三角屋根が目印の「岩倉中央歯科医院」は1993年に開業した、子どもから高齢者まで全年代に対応可能な、地域密着型歯科医院だ。小山剛輝(こうき)先生は父である現理事長から継承し、2023年に院長に就任。家族で長年通う患者も多く、患者との信頼関係を大事にした診療スタイルを守り続けている。当たり前に定期検診に来てもらうためにはどうすればいいか、その課題に真剣に取り組んでいる小山院長に、得意な治療や訪問診療のこと、これからの展望などについて詳しく聞いた。
(取材日2024年8月6日)
審美歯科で培った技術で地域へ貢献
まずは先生のご経歴についてお伺いします。

大学を卒業後、名古屋大学医学部附属病院を経て、東京の歯科医院に2年勤務し、矯正などの主に審美面に配慮した治療について経験を積みました。その間も週に1回はここに来て患者さんを診ていたのですが、その後はここでフルに診療を行うようになり、2023年に院長に就任しました。父が理事長をしていますが、診療は理事長と私と副院長の3人体制です。この地域の人は皆さん優しいんですよ。歯科医院の規模がそこまで大きくないことと基本的には担当制ではないので、皆さんと接する機会が多いのがいいですね。全員で情報共有しており、誰が担当しても同じ方針で治療できる体制を整えていますのでご安心ください。
得意な治療、診療で心がけていることを教えてください。
セラミックのかぶせ物をはじめとする審美歯科の分野ですね。これは東京の歯科医院での経験が生かされています。審美歯科は自費診療になるケースも多いので、特に事前の説明を重要視し、しっかり納得いただいてから始めます。保険診療でも同じですが、信頼関係の構築は大切にしていますね。心がけているのは、どれだけ患者さんの負担を少なくするかという部分です。やはり歯科医院は来たい場所ではないと思うので、なるべく回数や日数は少ないほうがいいですよね。そのためには、痛くなったり、かぶせ物が取れたりしてから受診するのではなく、定期的な検診やメンテナンスを受けることが大事です。3~4ヵ月に1度来ていただくのがベストなので、それが世の中の常識になるといいなと思います。
セラミックのかぶせ物の良さは何でしょうか。

セラミックには、種類によってダイアモンドと同じくらいの強度を持ったものもあり、割れにくいことですね。かぶせ物の場合だと、当院では前歯のかぶせ物に用いる透明性のあるものと、奥歯に使う強度のあるものの2種類を扱っています。保険診療でも、歯科用プラスチックによる白いかぶせ物がありますが、強度が弱いためどうしても割れやすいので、使う箇所によっては厚みを出すために天然歯の削る量を増やさなければならないですね。あとは、メタルだと少しずつ溶けてしまうので、隙間ができて菌が入り虫歯が再発するというリスクがあります。一方、セラミックは溶けないので隙間もできず、隣の歯との段差もできにくいので、虫歯が再発しにくいのがメリットです。どの素材を用いる場合でも、よく説明をして納得していただいてから治療を進めていきます。
高齢者へのケアを考え、訪問診療にも注力
今は訪問診療にも力を入れていらっしゃるのですよね。

はい、ご高齢の方々にも多く来院いただいていますが、中には来たくても来られない状況の方もいらっしゃいますし、高齢者施設も増えてきましたので、以前はやっていなかった訪問診療に少しずつ力を入れているところです。訪問診療では歯科衛生士も一緒に行くので、ブラッシングの仕方や歯磨きの重要性についてお話しする講習会みたいなことも施設のご協力によって行ったりしています。もともと訪問診療を始めたきっかけは、ずっと通院してくださっていたご夫婦がご高齢になられて、出かけられなくなったという相談を受けたことですね。それからは週に1回訪問診療の勉強会に参加していて、今では私の中でそれがベースになっています。訪問診療では専用の治療機器を持って伺います。虫歯治療もクリーニングも歯科医院で行うのと同じレベルでできますよ。
訪問診療ではどんなことに注意していますか?
ご高齢の方が多いので、嚥下機能についても注意して診るようにしています。例えば、高齢になって歯がないためにゼリー状など流動食が多くなると、どうしても体重が落ちてしまいます。そういった方には飲み込めるかどうかをチェックして、飲み込む能力があると判断した場合は入れ歯を提案します。入れ歯を入れることで食べることが楽しくなったり、しっかり食べられるようになって体重が増えたり、会話も楽しくなったりと、可能性が広がればいいなと思うんです。
歯科技工所を併設しているメリットをお聞かせください。

院内に歯科技工士が常駐しているので、直接患者さんとコミュニケーションを取りながら補綴物を作製していくので、歯の色合いの確認などでは齟齬が生まれにくいですね。あとは、とにかく入れ歯の修理に関しては早いと思います。もちろん壊れている度合いにもよりますが、大抵は即日で可能です。入れ歯がないと大変ですものね。自費のかぶせ物は基本的には外の歯科技工所に出しますが、どうしても早めにほしいという場合、例えば連休前にどうしても入れたいので数日早めるなどのご要望にはできる限りお応えできるように努めています。これは院内に技工所があるからこそできることでしょうね。とはいえ、機械や技術の都合上当院ではできない処置もあるので、いずれは院内ですべて対応できるようにすることが目標です。
天然歯に勝るものはない。定期検診で自分の歯を守る
デジタルマイクロスコープはどのように活用していますか?

デジタルマイクロスコープ(拡大鏡)を導入しています。お口の中を画面に大きく映し出せるので、患者さんに見せて説明しやすいですね。お母さんにはお子さんの虫歯をしっかり見てもらったりします。あとは動画も撮れるので、虫歯の治療の流れやお掃除の様子なども見てもらいながら説明できます。エックス線で撮って「これが虫歯です」と説明するよりも、奥歯でも大きく映せるので説得力がありますね。ちゃんと磨いているつもりなのに磨けていなかったんだという状態をリアルに見ることができますよ。歯石はしっかり磨いている人でもどうしてもついてしまうもので、いったんついたら歯ブラシでは取れないので、やはり定期的にクリーニングに来てプロに任せていただきたいですね。
歯周病の予防にもやはり定期検診が必須ですよね。
はい、歯周病にならない近道は定期検診でのクリーニングだと思います。歯周病にかかってしまったら、最悪のケースでは歯を抜いて骨を足してインプラントを入れるか入れ歯になります。永久歯は二度と生えてこないので、失くすと取り返しがつかないですよね。でも実際は、取り返しがつかなくなってから来る人が多いので、これをどうにかするのが歯科医院の宿命じゃないかと思っています。何も問題ないと思っていても、お口の中は自分ではなかなかわかりにくいものです。自治体の歯科健診も歯科医院に来るための良いきっかけになるのではないでしょうか。
これからの展望と読者へのメッセージをお願いします。

やはり生涯自分の歯で食事されたほうが絶対いいと思いますので、インプラントを入れれば大丈夫などと思わないでほしいです。また、セラミックも優れた素材ではありますが、それでも天然歯に勝るものはありませんから、まずは歯ブラシを頑張ってほしいと思います。お口の中には何千、何万もの菌が生息しています。面倒かもしれないですけれどそれを理解して日々のホームケアを行っていただきたいですね。そして、定期的にメンテナンスに来ていただくことが生涯自分の歯で噛むための近道だと思います。定期検診は小学生くらいからでもいいと思っていますよ。「何もなくて良かった」というのが一番なので、痛くなってから歯科医院に行くという概念を変えていきたいです。歯科医院に対する嫌なイメージや質問しにくいなどもあると思いますが、相談窓口みたいに気軽に来ていただける歯科医院でありたいですね。
自由診療費用の目安
自由診療とは矯正/6万円~
インプラント治療/30万円~
セラミック治療/9万円~
前歯のかぶせ物に用いる透明性のある素材/9万円~
ジルコニア/10万円~