重症化すれば歯を失う原因にもなる歯周病。3ヵ月に1度のメンテナンスと毎日のセルフケアで予防をめざす

Q歯周病の特徴や進行のサインについて教えてください。

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▲進行は進む前に相談に来てほしいと語る院長

歯周病とは、食べ残しなどが口の中に留まることで増殖した歯周病菌によって、歯周組織が侵襲され、溶かされてしまう感染症です。40代以降では、ほぼすべての人の口の中に歯周病菌が存在するといわれています。初期の段階では、痛みを感じないことが多いため、自覚症状がないまま進行する点が歯周病の怖いところです。歯茎の炎症や出血をはじめ、口臭がする、歯がぐらつく、など自覚症状が出てきた頃には、歯周病が進行していると考えられます。ごく軽い歯周病であれば、毎日のブラッシングを丁寧に行うことで改善も期待できますが、進行後は自然治癒は困難となります。やがて歯を支える骨が溶けてしまったら、最終的に歯は抜けてしまいます。

Q歯周病の検査方法について伺います。

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▲患者へのわかりやすい説明を心がけている

歯周病検査では、専用の器具で歯周ポケットの深さを計ります。歯周ポケットとは、歯と歯茎の間が、細菌により炎症を起こし深くなった溝のことで、その数値が深ければ、歯周病があると診断されます。具体的には、3ミリまでが正常値、4ミリから5ミリが歯肉炎で、6ミリ以上が歯周病と判断されます。当院では、タブレットを用いて患者さん自身にも結果の確認をしてもらっています。検査データは数値化され、前回との比較が可能なため治療のモチベーションアップにもつながると思います。また、エックス線検査では、歯石の付着程度を確認します。歯周病によって顎の骨が吸収されることがあるため、吸収の具合を診るためにも撮影します。

Q歯周病治療の方法について教えてください。

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▲スタッフへの相談もしやすい雰囲気

歯周病菌の侵入経路である歯と歯茎の間のお掃除をすることが、歯周病治療の基本です。専用の器具を用いて、歯ブラシでは届かない箇所に付着した歯の汚れや歯石を除去します。症状が進行し、歯のぐらつきが生じていたり、噛み合わせがずれているケースでは、不具合の調整も行います。重症の方を対象にした外科的な治療法もありますが、切開をする必要があり、患者さんにとって負担が大きいです。最良なのは初期段階で発見し、治療を開始、予防すること。痛みが出てから治療を開始するのではなく、自覚症状がなくても普段から歯科医院に足を運び、検診を受けることが大切です。同時に、毎日の歯磨きを正しく行うことも歯周病の予防には重要です。

Q症状が進行し、歯を失った際の治療法の選択肢は？

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▲技工室が院内に設置されている

入れ歯、ブリッジ、インプラントなど複数の選択肢があります。中でも、金属のバネを用いない入れ歯は、バネの代わりに歯茎に近い色の樹脂を用いており、見た目が自然で支える歯を削る必要もなく、入れ歯と自分の歯の間に食べ物が挟まる心配もほぼありません。弾力があり強度にも優れていて割れにくいことも特徴的で、支える歯を削ることに抵抗がある方が選ばれることが多いです。自費診療のため費用はかかりますが、インプラントと比較すると価格は抑えることができるでしょう。2、3本程度の欠損に対応が可能な部分入れ歯のほか、より多くの歯が欠損している場合に対応可能な入れ歯もあります。また、金属アレルギーがある方にもお勧めです。

Q詰め物やかぶせ物治療で耐久性に優れた素材はありますか？

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▲さまざまな治療法を相談することができる

歯周病にかかっていないか、軽症の方が虫歯治療で歯を削った際の詰め物やかぶせ物としては、セラミックが有用です。保険診療で用いられるプラスチックと比較して汚れが付きにくいため、二次的な虫歯になりにくいです。強度があるため割れにくく、再治療のリスクは低いでしょう。着色しにくいという特徴もあり、審美面でも優れています。歯の土台から作製する場合には、通院回数は2、3回程度。長く状態を維持するためには、セラミック治療を終えた後も毎日の歯磨きを丁寧に行い、歯科医院でのメンテナンスを続ける必要があります。先ほどの入れ歯と同様、金属を使用していないので、金属アレルギーがある方にもお勧めです。