杉山 穣 院長の独自取材記事
わかば歯科医院
(横浜市緑区/鴨居駅)
最終更新日:2025/08/07

鴨居6丁目バス停から近くにある「わかば歯科医院」。2005年の開院以来、地域に根差した歯科医院として、子どもから高齢者まで幅広い世代の口腔内の健康を支えている。一般歯科を中心に、小児歯科や予防歯科、歯周病治療など「なるべく抜かない・削らない治療」を大切にする。院内は清潔感のある明るい空間となっており、乳幼児連れでも安心して来られるようキッズスペースを完備。平日は19時まで、土曜も診療を行い、仕事や学校で忙しい人も訪れやすい環境を整えている。患者一人ひとりの不安に寄り添い、丁寧なカウンセリングとわかりやすい説明を徹底。明るく会話が楽しい杉山穣院長と朗らかなスタッフの笑顔の中、リラックスして治療を受けられるハートフルな歯科医院だ。
(取材日2025年2月27日)
地域の暮らしに溶け込む歯科医院として尽力
なぜこの地域で開院されたのですか?

開院を考えた時、最初は駅に近い立地を中心に探していました。しかし、なかなか条件に合う物件が見つからず、いろいろと検討を重ねていたところ、現在の場所に巡り合いました。住宅街の中にあり、近隣には団地も多く、地域の方々が通いやすい環境だと感じました。勤務医時代に団地の近くにある歯科医院で働いた経験があり、その時の患者層を考えると、同じように地域に根差した歯科医院にできるのではないかと思いました。駅から多少距離はありますが、そのぶん落ち着いた環境の中で、じっくりと患者さんと向き合いたいという想いから、この場所に決めました。
どのような患者さんが多く来院されますか?
幅広い年齢層の方が来院されますが、やはりご高齢の患者さんが多いですね。当院は開院から20周年を迎えたのですが、開院当初から通ってくださっている方々が今も継続的にメンテナンスに来てくれます。当時、働き盛りで子育て真っ最中だった方が年月を経ることで、最近では「歯がグラグラしてきた」「歯茎から出血する」といった歯周病の症状で来院される方が多いですね。特に最近は、メディアなどでさまざまな歯周病予防の商品について言及されることが多くなり、歯周病への関心が高まっていることを実感します。歯の健康を長く維持したいという意識も、以前より強くなっていると感じます。
開院から現在まで、地域や患者層に変化はありましたか?

実は開院当初も、比較的高ご齢の患者さんが多く来院されていました。「自分が通って良かったから」と、その後、お孫さんやご家族を紹介していただくことが増えていきました。当時のお父さん・お母さん世代が年齢を重ねた今も継続して通ってくれているので、患者層としてはあまり変わらないものの、世代交代している、というところでしょうか。昔と違うと感じているところは、今はどの世代においても口腔内への健康意識が高まり、乳幼児から大人まで、歯科医院で行う治療に抵抗感を抱く方が少なくなっていることです。近所の幼稚園や保育園の歯科検診に行く機会があるのですが、昔は怖がる子どもが多かったのに対し、今では学年でほんの数人程度しかいないことが多いですね。保護者の意識が高まり、仕上げ磨きなどで大人に口腔内を見せることに慣れているからかもしれません。歯科医院を怖がるお子さんは減ったと感じます。
開院までのご経歴について教えてください。
高校卒業後、鶴見大学の歯学部を知り、受験して歯科医師をめざすことにしました。卒業後は鴨居駅前の歯科医院に勤務したのですが、そこは1日の患者数がとても多く、それを3人の歯科医師で診療するというハードな職場でした。患者層も幅広く、臨床経験をたくさん積むことができたのが良かったですね。この職場で歯科医師として総合的な診療に4年間従事した後、同級生から「開院するから手伝ってほしい」と誘われて8年間勤務し、その後は別の歯科医院に2年ほど勤務しました。どの歯科医院も一般歯科で幅広い症例の患者さんを診療するという治療方針で、これらの経験から、自分で開院する際も「一般歯科として幅広い患者さんを診療する」というスタイルを自然と選んでいました。
歯の健康を第一に、治療内容への理解を大切にしたい
治療方針について教えてください。

治療方針としては、まず「無理強いをしない」ことを大切にしています。治療内容は丁寧に説明をし、患者さんにはしっかりと納得した上で治療を受けてもらうことを大切にしています。また、「ハードルを下げる」ことも意識しています。歯科医院が苦手な方や小さなお子さんも通いやすいように、どなたでもできるだけリラックスできる雰囲気をつくるよう心がけています。「歯をできるだけ残す」という方針を基本とし、患者さんが求める治療にしっかり応えられるよう、一人ひとりに適した治療方針をご提案しています。歯が残っていることで、しっかりと食事ができ、健康寿命を延ばすことにもつながります。最近では、ご家族の誰かが歯周病になり、「私もチェックしてほしい」と来院されるケースも増えています。ご自身の歯を守る意識が高まっているのは、とても良い傾向だと思います。
最近では、審美面に配慮した治療にも注目が集まっていますね。
審美歯科については、「まずは歯の健康が大切」という考えを基本としています。歯を白くしたい・歯並びを整えたいという要望はありますが、それ以上に、歯の機能を維持してしっかり噛めることが最も重要だと考えています。機能的な問題や精神的な健康を維持するために審美的なケアが必要な場合でも、できる限り削らず、歯を傷つけない方法を選択するようにしています。自分の歯を健康に保つことが最優先ですし、結果的に長く美しい歯を維持することにつながると考えているのです。なので、患者さんにもそのようにお伝えしています。治療の選択肢についてはそれぞれのメリット・デメリットをしっかり説明し、納得した上で選んでもらうよう心がけています。
患者さんに安心して通ってもらうため、取り組んでいることはありますか?

院内はバリアフリーで、車いすやベビーカーで来院しやすいよう段差をなくし、廊下や待合室のスペースを広く取りました。当院は駅から坂の上にある団地に向かう間に位置しているので、高度成長期に開発された団地に住まう高齢者の方から「来院するときは下り坂だけど、帰りは登り坂なのでつらい」という声が多くなってきました。そういう方のために送迎サービスを提供しています。診療後、送るのはもちろん、希望があればお迎えにも伺います。寝たきりや車いすの方など、通院が難しい場合は往診にも対応します。
初心を忘れず、一人ひとりと向き合う丁寧な診療を
モットーを教えてください。

初心を忘れないことです。長く診療していると、「虫歯だからこの手順、歯周病治療だからこの手順」と、どうしても慣れが出てきていわゆる作業になってしまいがちですが、それは良くないですよね。一人ひとりの患者さんとしっかり向き合い、最初に来てくださった時と同じ気持ちで診療を続けることを大切にしています。特別なことをするのではなく、基本をしっかり守り、患者さんが安心して通える歯科医院であり続けたいと考えています。
先生の趣味を教えてください。
古いオートバイをよみがえらせることです。廃車寸前のバイクを探してきては、ぴかぴかに磨いたり部品を交換したりして修理するんです。動きそうもなかったボロボロのバイクのエンジンが吹き返したときのあの音がたまりません(笑)。そうやって生き返らせたバイクがたくさんあって、あちこちに置いてあります。でもそのバイクにはほとんど乗らないです。たまに乗ってもほんの少し動かす程度。乗るというより、生き返らせるその工程を楽しんでいるわけです。古い車も好きです。今の車はどれも似たような形ですが、昔の車は個性があります。自分が生まれた年の車も持っているんですよ。
最後に、読者にメッセージをお願いします。

歯科医院は歯を守るために通う場所です。虫歯も歯周病も早期発見・治療によって、歯を削ったり抜いたりせずに済むことにつながり、将来的に大きな治療を避けることができるのではないでしょうか。患者さんが通いやすい環境やわかりやすい説明を心がけ、痛みや負担に配慮した治療で患者さんに寄り添い、適切な治療を提供できるよう努めています。今後も地域の方々の口腔内の健康をサポートしていきますので、気軽にご相談ください。