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加藤 智也 院長の独自取材記事

かとう歯科

(四日市市/内部駅)

最終更新日:2020/05/15

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県道44号線沿い、公園の緑を背景に、一部が円筒型の「かとう歯科」は建つ。加藤智也院長は2代目で、建物は十数年前に先代院長、加藤卓也先生がこの地に移転、新築した。現在は加藤院長と卓也先生が曜日を分けて診療している。主に補綴治療に関わってきた加藤院長は、かぶせ物や入れ歯などの治療が得意で、「ひとくちに虫歯と言っても、若い方、高齢の方、また口内の状態、生活環境によって治療法は変わってきます」と一人ひとりに合わせた治療を重視する。子どもの患者には、「大人になってからも定期検診に通う意識を持ってほしい」と長期的な目線を大切に接している。終始フランクに質問に答えてくれた加藤院長。生まれ育った地域の住民の健康を守り続けたいという思いがまっすぐ伝わってきた。
(取材日2020年4月24日)

口内環境に合わせ将来を見据えた治療を追求

先生が歯科医師になられた経緯について教えてください。

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かつてはこの近くの場所で、父が歯科医院を開いていました。小さい頃私は体が弱くてよく近所の病院に通っていたのですが、そこの先生には、「大きくなったら、今度は君が人を治すんだよ」と言われたものです。しかし高校生の頃は反抗期でもあり、卒業後は県外で一人暮らしをしていろいろなアルバイトを経験しました。その中で、事務系の仕事や物を扱う仕事よりも人と関わる仕事がしたいと思うようになったんです。歯科医師は人と関わり健康を支える仕事であり、生まれ育った地には父の歯科医院があるという環境に自分はいるのだと改めて感じ、将来を決めて歯学部へ進学しました。大学卒業後は大学病院や鈴鹿市の歯科医院で勤務、2019年に院長に就任した次第です。

こちらはかわいらしい建物ですね。

これは私の趣味ではなくて(笑)、母の好みですね。父が院長だった頃、母は受付をしていました。どなたにも来ていただきやすいように、クリニックらしくない、親しみやすいデザインにしたのだと思います。現在、父は日曜と木曜、私はそれ以外の曜日を担当しています。父の担当日には昔からの患者さんが多く、母とおしゃべりするのを楽しみに来られる方もいるようです。長く通ってくださるのはとてもありがたいですね。この地域には一軒家にお住まいの方が多いので患者さんは高齢の方の割合が高いのですが、30~50代の方、また近くの幼稚園のお子さんも検診で来られます。

先生の得意な治療は何ですか?

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人よりスタートが遅いので得意というのもおこがましいですが、大学では、かぶせ物や入れ歯を専門に学ぶ補綴科に在籍し、大学病院でもそうした治療に携わってきました。気をつけているのは、患者さん一人ひとりに適したものを作るということです。例えばひとくちに虫歯と言っても、子どもと大人、さらに高齢の方とでは治療の仕方が変わります。簡単に言うと、歯の神経がある「部屋」が子どもは広く、年を重ねるにつれて狭くなりますので、神経に触れないよう、どのように削るかはケースバイケースで慎重に判断するんです。かぶせ物も入れ歯も、他の歯がすり減って平らになっている方、でこぼこしている方などさまざまですので、その方の口内の状態、さらには将来までを考えて治療しています。

話をよく聞き、状態をよく見て希望をくみ取る

口内環境を把握し、一人ひとりに適した治療法を考えていらっしゃるのですね。

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口内環境だけではなく、その方の癖や生活環境も考慮することが大切になります。若くても歯ぎしりや食いしばりが強く、咬耗(こうもう)といって歯がすり減ってしまった方もおられますので、全体的に、噛み合わせも考えていくことが必要なのです。人工物の作製は、以前勤務していた歯科医院の歯科技工士にお願いしていて、お互いに行き来して何回も検討しています。直接、歯科技工士と顔を合わせて、「この患者さんは、ここをもっと調整しよう」「将来こうなる可能性があるからこのほうが良いだろう」と細かいところまでじっくり相談できるのです。これは大きなメリットだと考えています。特に、入れ歯は意見交換が多くなりますね。

丁寧な仕事にはスタッフの方々のフォローも必要ですね。

そうですね。本当は、「この状態の虫歯ならこの治療」と決めてシステム化したほうがスタッフは楽かもしれません。器具や薬の準備、治療のアシストもしやすいでしょう。私もちゃんと理由を挙げて、「前回はこうだったけど、今回はこの薬でこの治療法」と説明はするのですが、スタッフは大変だと思います。それでもよくやってくれていて感謝しています。受付スタッフも、私が「親しみやすい、来やすい歯科医院にしたい」と言っているものですから、いつも笑顔で受け答えをしてくれています。スタッフみんなのそんな姿勢がわかるので、私もうれしいですね。院長としては、スタッフに、ここで人との関わり方を学んでほしいと願っているんです。今後もし仕事を変えたり家庭を持ったりしても、人生の時々で当院での経験を生かしてほしいと思っています。

普段、先生が心がけておられることとはどんなことですか?

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患者さんのお話を聞くことですね。だらだら長く聞くということではなくて、この方は治療について「何を」「どこまで」求めているのか、くみ取るということです。「何を」を取り違えると、後で「本当はこうしてほしかったのに」となるし、「どこまで」を取り違えると足りない、もしくは過剰な治療になります。私たちには歯科的に最も良いと考える理想の方法やゴールがありますが、それが患者さんにとってベストかどうかは、きちんと考える必要があります。ライフスタイルや歯に対する意識によっても望むことは違ってきますので、私たちはとにかくお話をよく聞き、症状を観察することをしっかりやる。あくまで患者さんの人生ですから、サポートをさせていただく立場です。

健康を守るという責任を忘れず予防に注力

子どもの患者にはどのように接しておられますか?

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恐怖心や不安を与えないことを一番に考えています。大人の患者さんの中には、「小さい頃行った歯医者さんが怖くて、なかなか来られなかった」とひどい状態になってからやっと来たという方が少なくありません。いかに小さい頃の体験がその後の人生に影響しているかわかりますよね。子どもは成長して大学や就職で地元を出ていくので、当院を離れても歯科医院に定期検診に行くぐらいの習慣を身につけてほしくて、歯科医院に慣れるよう長い目で見た治療を心がけています。3歳になればちゃんと話が通じると思っているので、親御さんと相談して本人の意思に任せることもあります。「嫌だったらまた今度ね」と。そうすると自分なりに考えて、ちゃんと頑張るようになりますよ。

先生が力を入れていきたいことは何ですか?

最近よくいわれていますが、予防は大切ですね。具体的には、歯科医院に通うことを継続することです。ただ、ブラッシング指導においても歯科的に理想的な磨き方を患者さんに求めなくてもいいと思っています。たとえ磨き方が不十分でも、継続して歯科医院に通うことのほうが大事。来てくだされば、こちらがしっかりケアしますよ、という姿勢です。定期的に顔を出してくださるのが一番の予防になると考えているんです。当院はもともとアットホームな雰囲気で、昨年、駐車場も広くして車をとめやすくしました。玄関前には季節の花を植えています。これらのことも気軽に定期的に来ていただいて、予防につながればいいなという思いからです。

今後の展望についてお聞かせください。

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この地域に当院が存在し続けていきたいと思っています。当院が存在していれば、患者さんがケアを継続することにつながりますから。皆さんに伝えたいのは、口は食べ物の入り口であり、口内の状態の良しあしがそのまま体の健康につながっているということです。私は若い頃に介護施設へ歯科訪問していたのですが、毎日流動食を取っていて、最初はあいさつもおぼつかなかったお年寄りに、しっかりした入れ歯を作り、普通食ができるようになったらそこから元気になっていき、本人はもちろん施設のスタッフの方々からも感謝の言葉をいただいたということがありました。その時、口に関わることはその方の人生に影響を与えるのだと、やりがいとともに責任の重大さも痛感しましたね。今も、そう見えないかもしれませんが(笑)、責任の重さは常に心の奥で感じています。今後も、その日その時だけの治療と思わず、長い目で見た治療を行っていきたいと思います。

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