久保田 正 院長、久保田 玲子 副院長、久保田 卓 副院長の独自取材記事
クボタ歯科医院
(横浜市青葉区/市が尾駅)
最終更新日:2024/08/20

市が尾駅から徒歩約2分の坂の途中にある「クボタ歯科医院」。1982年の開業以来、久保田正院長が主に一般歯科を、妻で小児歯科が専門の久保田玲子副院長が子どもの患者を担当。2023年からは大学病院や総合病院の歯科口腔外科で研鑽を積んだ息子の久保田卓先生が加わり、親子3人で地域住民の口腔内の健康を守ってきた。「痛みのわかる治療」をモットーに、虫歯や歯周病治療から予防歯科、インプラント、審美歯科、口腔外科まで、多岐にわたる診療を提供。穏やかな口調と明るい笑顔が似ている3人に、クリニックの特徴や診療への思いを語ってもらった。
(取材日2024年5月1日)
患者の気持ちに寄り添った「愛のある治療」を継続
初めにクリニックの歴史について教えてください。

【正院長】私は大学を卒業後、横浜市のクリニックで経験を積み、1982年に「クボタ歯科医院」を開院しました。当時の青葉区(旧・緑区)は東急田園都市線ができたばかりで、次々と新しい住居や商業施設が建てられていく時代でした。そのため町全体の平均年齢が若くて、発展性があり、地域の方々と一緒に成長していける環境に惹かれた記憶があります。当院には開業当初から親子で通ってくださっている患者さんが多く、それが近年はお孫さんまで含めた3世代に広がっています。これまで40年以上も診療を続けることができたのは、たくさんの出会いに恵まれたおかげ。今後も患者さんに人生を通してお口の健康を任せていただけるようなクリニックをめざしていきます。
先生方の治療の得意分野を教えてください。
【正院長】開業以来、当院では私が大人の患者さんを、小児歯科が専門の歯科医師である妻がお子さんを診てきました。2023年から副院長を務める息子は主に新規の患者さんを担当しています。私は町の歯科医師に求められるのは「何か一つに特化する」ことより、「幅広く診ることができる力」だと考えるので、どんな治療も得意だという気持ちで臨んでいます。
【玲子副院長】私が担当する小児歯科では、大人用とは別のお子さん専用のユニットで治療を行います。虫歯の治療はもちろん、食べ方の癖や歯並びなどを診て、お子さんの歯の健康をサポートするための検診にも力を入れています。
【卓副院長】私は大学卒業後、約10年にわたり大学病院や総合病院の歯科口腔外科に従事し、一般的な歯科治療はもちろん、救急外傷や口腔がん、顎の骨折などの口腔外科手術を行ってきました。当院でも、その経験を生かした治療に携わっています。
「歯科治療は愛のある作業だ」という正院長のモットーは、卓副院長にも受け継がれていますか?

【卓副院長】父と同じく、私もできる限り患者さんの気持ちに寄り添った歯科医療をめざしています。不安な気持ちを抱えながらクリニックに足を運んでくださる患者さんも多いはずなので、いきなり歯を削るようなことは避けて、治療方針をわかりやすく説明するインフォームドコンセントのために時間をかけています。ついつい会話の声が大きくなってしまうこともあるのですが、実はそこも父親譲りです(笑)。ボソボソ話すよりは患者さんに安心していただけるのではないかと思っています。
【正院長】たとえ忙しくても、患者さんの気持ちを忘れないようにしています。教科書どおりの治療ではなく、その人の環境や年齢、価値観に合った治療を提供できるように、当院は患者さんとのコミュニケーションを重視しています。
幅広い取り組みで区民の健康寿命延伸をめざし尽力
卓副院長が加わってから変わった部分はありますか?

【正院長】大きく変わったのは歯科用CTを導入したことです。従来のエックス線撮影では把握できない歯の根の形状や歯と骨の位置関係、顎の骨の厚みなどの情報を立体画像で把握できるようになりました。口腔外科を専門とする卓副院長が、親知らずの抜歯やインプラントの手術をする前の検査にも役立てています。
【玲子副院長】小児歯科においても、これまでは他院を紹介することを検討していた外科治療を卓副院長に任せられるようになりました。当院で一貫した治療ができるので、患者さんにとってもメリットとなっているのではないでしょうか。
【卓副院長】私がクリニックのホームページ開設を主導しました。国を上げての政策でもある医療のIT化を、当院でも少しずつ実現していきます。また、今後は子育て世代の若いご両親からご高齢の患者さんまで、誰もが便利に利用できる診療システムを構築していかなければならないと思っています。
正院長が長年活動に尽力されてきた青葉区歯科医師会では、どのような取り組みをされてきましたか?
【正院長】「日々の生活に生きる力を与えるのが歯科治療だ」という考えのもと、区民のために活動してきました。平均寿命と健康平均寿命の差を縮められるよう導き、元気に長生きできることをめざすことが歯科治療の役目であり、そこで大切なのは予防です。そこで青葉区歯科医師会では、妊産婦健診や乳幼児健診、口腔がん検診、フッ素塗布、虫歯予防デーのイベント、子ども向け治療体験などを積極的に行ってきました。その成果とはいい切れませんが、近年は青葉区全体として「歯科医院は痛くなる前に行くべき」と考えてこまめに検診に通ってくださる患者さんが増えている印象です。歯科医師の仕事は口全体を診て健康管理をすることですから、私は「口腔医」という呼び方を浸透させることをめざしてきました。今後も地域に貢献する取り組みを続けていきたいですね。
地域貢献の一環で継続している取り組みを教えてください。

【正院長】青葉区は全国でも顕著な「高齢者の町」になりつつあります。そのため持病などが原因でクリニックに通うことができなくなってしまった患者さんに向けて、当院は訪問診療を行っています。息子に新しい世代の患者さんを診てもらいながら、私は長年通ってくださった患者さんに寄り添うことにシフトしていきたいですね。一方で私は近隣の小学校の学校医も務めています。歯科検診を通して子どもたちの健康を支える活動も続けていきたいです。
生涯にわたり地域住民の口の中の健康管理を担う
先生方はなぜ歯科医師という職業を選ばれたのですか?

【正院長】父が内科の医師だったので、子どもの頃から将来は医療に関わりたいと思っていました。肉体的にも精神的にもハードな仕事ですがやりがいも大きく、この道を選んで良かったと思っています。
【玲子副院長】私は両親や祖父も歯科医師で、小さい時から自分も歯科医師になるものだと思っていました。子どもを育てながら働いてきた経験は、小児歯科の診療で役立っていると思います。
【卓副院長】幼い頃から学校帰りに当院に立ち寄って両親が患者さんに感謝されている姿を見てきたので、自然と同じ道を歩んでいました。二人ともこの仕事が好きで、楽しんでやっているなと思ったのも一つの理由かもしれませんね。
最近の患者さんを診て気になることはありますか?
【正院長】高齢化の影響で、歯周病に悩む患者さんが増えているといわれています。歯周病は歯を失うリスクがあるだけでなく、全身の健康にも悪影響を与えるため、早めに予防や治療に取り組むことをお勧めします。
【玲子副院長】歯並びを気にする親御さんが増えた印象です。アレルギーなどの影響で口呼吸になることが原因で歯並びが乱れてしまったり、ゲームや勉強で前かがみになる時間が長いことで顎から喉のあたりの発達を妨げたりすることがあります。年齢や骨格によっては処置を控えて様子を見るケースもありますし、永久歯が生えてくるまで歯列矯正は焦らなくても大丈夫と考えますが、お子さんのお口のことで気になることがありましたら何でもご相談ください。親御さんたちに対しては一方的にアドバイスをするのではなく、悩みを聞き出すことを心がけています。
最後に今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。

【正院長】今後もスタンスを変えず、地域のかかりつけ医として、老若男女の健康を維持する役割を果たしていきたいですね。それに尽きます。
【卓副院長】正院長が40年以上もインフォームドコンセントを大切にして患者さんとの信頼関係を築いてきたので、私もそれを真摯に継続していきたいと考えています。生まれ育ったこの町で地域の方々の健康のお手伝いをできることを幸せに思います。院内の設備や自分自身の知識をアップデートすることを怠らず、お口の中全体を治療できる「口腔医」をめざして頑張り続けたいですね。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント/30万円~、セラミックを用いた補綴治療/7万5000円~