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久保田 正 院長、久保田 玲子 副院長の独自取材記事

クボタ歯科医院

(横浜市青葉区/市が尾駅)

最終更新日:2024/04/02

久保田正院長、久保田玲子副院長 クボタ歯科医院 main

市が尾駅から続く坂道の途中にある「クボタ歯科医院」。1982年の開業以来、久保田正院長が一般歯科、口腔外科などを担当し、妻で小児歯科が専門の久保田玲子先生が子どもの患者を診るという、夫婦二人三脚で地域住民の口元の健康を守ってきた。正院長は青葉区歯科医師会の活動にも尽力し、同院での診療のみならず青葉区全体の口腔内の健康向上にも力を注いできた。古くからの付き合いの患者も多く、家族そろって通院し、親子3代でかかる患者も少なくないという。患者の痛みのわかる治療をモットーに長年の経験を踏まえて丁寧な診療を行う正院長と玲子副院長。息もぴったり、おしどり夫婦ぶりがすてきな二人に、診療への思いや歯科医師会での取り組みについてなど、話を聞いた。

(取材日2014年3月26日)

患者の気持ちに寄り添った愛のある治療で約40年

はじめにクリニックの歴史について教えてください。

久保田正院長、久保田玲子副院長 クボタ歯科医院1

【正院長】当院は1982年に開業しました。当時の青葉区(旧緑区)は東急田園都市線の走る魅力的で新しい町だったので、ここで歯科医院を開こうと思ったのです。以来約40年もの間、地域の皆さんのために歯科治療を行ってきました。その頃は若い人や子どもが多く、町の平均年齢が30~40歳だったように記憶しています。今は高齢の患者さんも増えつつありますね。開業第一号の患者さんとは今でもご家族でお付き合いが続いているんですよ。他にも小さい時に診ていた方が里帰りのたびに親子で顔を出してくださるなど、この40年近くを振り返ってみると、いろいろな方との出会いがあったなあとしみじみ感じます。町や患者さんと当院が一緒に年を重ねているといったところでしょうか。

患者層や治療の得意分野を教えてください。

【正院長】患者さんはこの地域にお住まいの方がほとんどですね。当院では僕が大人の患者さんを、小児歯科の専門家である妻がお子さんを診ていますので、幅広い層の方が来られます。開業当初、子どもだった患者さんが今は自分のお子さんを連れて来るなど、ご家族で長い付き合いの方も多いです。僕は開業医に求められるのは「何か一つに特化する」より、「すべてを診ることができる力」だと思っているので、どんな治療も得意だという気持ちで臨んでいます。
【玲子副院長】私が小児歯科専門ということで、他で泣いて治療できなかったという子どもさんが来られることもありますね。泣いている子を無理やり押さえつけて治療することはせず、楽しいと思って続けて通ってもらえるような治療を心がけています。

「歯科治療は愛のある作業だ」というモットーをお持ちだそうですね。

久保田正院長、久保田玲子副院長 クボタ歯科医院2

【正院長】ちょっと大げさに聞こえるかもしれませんね(笑)。要するに、患者さんの気持ちになって治療しようということなんです。患者さんにとって、やはり歯科医院は怖いところなのかなと思うのですが、忙しかったり、急性の症状ですぐに処置に入らなければいけなかったりすると、ついそうした患者さんの気持ちを忘れてしまいがちです。また教科書どおりの治療ではなく、患者さんの環境や年齢によって治療方法は変わりますから、その方全体を診て治療を進めるように心がけています。答えは一つじゃない、ということがこの年になってやっとわかりました。これは経験値から得られる貴重な財産だと思っています。

歯科医師会の活動を通じて区民の健康寿命延伸に尽力

患者さんとのコミュニケーションで気をつけていることはありますか?

久保田正院長、久保田玲子副院長 クボタ歯科医院3

【正院長】抜歯など外科的な処置のときは緊張される方も多いので、昔からの患者さんにはご家族の話などをしてリラックスできるよう接しています。初診の方はそういうわけにはいかないので、問診票に沿って聞き、初回は治療に徹して2回目以降から徐々に話すようにしています。歯科の治療は例えば注射を打って薬を出して帰すだけではありませんから、相手がどんな方か、何を望んでいるのかを知り、お互いに理解しあうことが大切だと思います。
【玲子副院長】お母さんが仕上げ磨きをしてあげているおかげで、昔より子どもの虫歯が減っていますね。ただお子さんの口のことで悩むお母さんは多く、できるだけ話を聞くように心がけています。例えば、子どもが歯磨きを泣いて嫌がるという悩みには、「それはお母さんの愛情ですからね」とお答えして、嫌がることをするのではなく愛情があるからする、と視点を変えて考えるといいですよとアドバイスしています。

長年活動に尽力されてきた青葉区歯科医師会での取り組みについて教えてください。

【正院長】日々の生活に生きる力を与えるのが歯科治療だという考えのもと、区民のために活動しています。平均寿命と健康平均寿命の差を縮め、元気に長生きできるようにすることが歯科治療の役目であり、大切なのは予防です。そこで妊産婦健診や乳幼児健診、口腔がん検診、フッ素塗布、虫歯予防デーのイベント、子ども向け治療体験などを行っています。また青葉区は訪問診療のモデル地区のため、医師、薬剤師、ケアマネジャーと協力し、より良い医療を提供するモデル事業にも取り組んでいます。歯科医師は虫歯だけを治していると思われがちですが、本来の仕事は口全体を診て健康管理をすることです。ですから、「口腔医」という呼び方を浸透させられたらと思っているんです。医療の道を選んだからには「職業奉仕」の心を大切にしたいと、こうした活動に励んでいます。同じ思いの先生が当会には大勢いることを知ってもらえたらうれしいですね。

歯科医師会の活動を通して、実現したいことは何ですか?

久保田正院長、久保田玲子副院長 クボタ歯科医院4

【正院長】地域の病診連携をつくっていくことですね。例えば乳がんの患者さんは、使用する薬などの関係上、手術の前に歯科治療を終えたほうが良い場合があります。他にも骨粗しょう症や誤嚥性肺炎など、口腔内の環境と全身の健康は関連しています。これまでは大規模病院から歯科医院の受診を勧められた場合、自ら探して来院される方も多かったのですが、今後は病院から歯科医院への紹介状など、連携を強化できたらと考えています。

子どもから大人まで、生涯の口の健康管理を担う

ところで、先生方はなぜ歯科医師という職業を選ばれたのですか?

久保田正院長、久保田玲子副院長 クボタ歯科医院5

【正院長】父が医師だったので医療に関わりたいと子どもの頃から思っていました。夜中でも往診に出かける姿に、歯科医師のほうが楽かなと思ったこともありましたが、なってみると体力が必要で、知識だけでできる仕事ではないと感じます。でも誰かの役に立つという意味では歯科医師は非常にわかりやすく、今はこの仕事を選んで良かったと思っています。
【玲子副院長】私は両親や祖父も歯科医師で、小さい時から自分も歯科医師になるものだと思っていました。やりがいが見つけやすい職業なので楽しいですね。夫婦一緒に働いてきたので、子育てとの両立もあまり大変には感じませんでした。夫は大人の患者さんを、私は子どもを担当して、それぞれの領域に立ち入らないことが2人で長く働いてもうまくいく秘訣かもしれませんね。

最近の患者さんを診て気になることはありますか?

【正院長】虫歯のある子どもは少なくなりましたが、歯肉の炎症や歯石のある子が増えていると感じています。
【玲子副院長】子どもが前かがみの姿勢でゲームや勉強をすると、顎の上にくっつくはずの舌が、下に沈み込んでしまい、顎から喉のあたりの発達を妨げることがあります。適切な離乳食を取り、飲み込む練習をしていると多くは正常に発達しますが、この発達がうまくいかないと歯並びに影響することもありますね。また、最近はアレルギーなどから口呼吸になり、歯並びが乱れるお子さんも見られます。今は虫歯よりも歯並びを気にするお母さんも多いことから、いろいろな勉強会に参加して新しい知識を習得するようにしています。

最後に今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。

久保田正院長、久保田玲子副院長 クボタ歯科医院6

【正院長】歯科医師会の活動では、今後も区民の口の健康を維持するための役割を果たしていきたいですね。当院については、地域のかかりつけ医として子どもから大人まで一生お口の中を診ていけることが大きな特徴です。予防啓発のため、虫歯予防デーに合わせて子どもを対象にフッ素の塗布を推進する活動もしています。気になることがあれば何でもご相談ください。
【玲子副院長】お母さんたちは、ちょうど私たちの息子と同じくらいの年齢の方が多いですね。アドバイスを求めるより、聞いてほしいという方が多いと思うので、悩みを聞きだしてあげることを心がけています。何か力になってあげられることがあればうれしいです。

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