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田中 淳一 院長の独自取材記事

田中歯科医院

(四日市市/楠駅)

最終更新日:2024/02/06

田中淳一院長 田中歯科医院 main

四日市市楠町に35年近く根差し、町民とともにその歴史を重ねてきた「田中歯科医院」。田中淳一院長は歯科医師として地域医療に長く貢献し、プライベートでは町の一員として多くの人との交流を深めてきた。診療では常に患者の幸せや満足、そして本人の意思を第一に、可能な範囲で最大限の治療を実施することに努める。「たくさん運動をしているはずだけど、なぜか太っちゃうんだよ」とユーモアを交えながら気さくに話す姿も田中院長の魅力だ。そんな院長に同院の方針や特徴、日々の心がけなどについて聞いた。

(取材日2024年1月10日)

「医は仁術」を信念に、町とともに歩んだ歯科医師人生

この地で開業し、現在に至るまでのお話を伺います。

田中淳一院長 田中歯科医院1

もともと楠町に実家があるため、家族と相談してこちらに開業を決めました。ただ、幼少期は転勤族だったので長く住んでいたわけではなく、高校は県外、大学も大阪でした。当院は診療台が3つでスタッフも少数の、比較的ゆったりとした雰囲気の歯科医院です。以前は勤務医の先生もいましたが、現在は私のみですべての診療を行っています。毎回担当する人間が同じという点では、患者さんに安心して通っていただけていると思いますね。スタッフも同様に、少ないからこそ患者さんの顔が見え、信頼関係を構築できています。また、看板の院名が田中歯科医院ではなく「たなかはいしゃ」なのは、大阪にある平仮名表記の警察署の看板に影響を受けてのことです。これなら漢字が読めないお子さんなどにもわかりやすく、当院をしっかり認識していただけますからね。

楠町で30年以上診療する中で感じた変化や、先生が思う土地の魅力を教えてください。

昔は人口が1万数千人規模の小さな町でみんな仲が良く、地域で運動会などを開催していました。足の速い子が多く、サッカー部や陸上部も結構強かったんですよ。四日市市と合併してからは少し雰囲気が変わり、開業当時たくさんいた子どもの患者さんが大きくなったこともあって、現在は高齢の方が増えています。その中で、子どもだった患者さんがご自身のお子さんを連れてきてくれることもあり、とてもうれしいですね。私も今ではすっかり楠町になじみ、年に1回行われる鯨船という祭りに20年ほど参加しています。若者は力仕事、高齢者は歌を基本担当するのですが、私は歌詞を覚えられないので若者と船を押して走る役を担っています(笑)。そして祭の度にみんなと会い、一つずつ年をとっていくんです。小さい時にこの町にいなくとも、祭りを通して多くの方と仲良くなれましたね。あとは小学校から続けているサッカーも町民の方と楽しんでいます。

先生の座右の銘は何でしょうか。

田中淳一院長 田中歯科医院2

座右の銘は「医は仁術」です。これは私の出身である、大阪歯科大学の倫理学の授業で最初に習った言葉。歯科医院側の利益ではなく、患者さんの利益のためにという気持ちで日々診療しており、診療は保険診療中心なのが特徴です。自身の利益ばかり追っていると治療の自由度が狭まり、次第に何もできなくなってしまいます。そのため私はある時から「利益などについて考えるのはやめよう」と思い、保険であってもその範囲内でどこまでできるかを常に考えながら治療にあたっています。楠町には、保険診療を求めている層が一定数いらっしゃるのも事実です。そんな方たちが安心でき、またご満足いただける治療を提供できる場所でありたいと思っています。

患者と対話し、本人の意思に応じて治療方針を決定

得意分野や力を入れている診療は何ですか?

田中淳一院長 田中歯科医院3

どの治療も一生懸命やってきたつもりですが、中でも入れ歯治療は長年注力してきました。入れ歯の即日修理に対応しているほか、作製の際も歯科技工所と連携し、保険であっても自費のような質の高い入れ歯作りに取り組んでいます。また当院ではインプラント治療は行っておらず、歯を失った際は治療法として入れ歯とブリッジをご提案します。しかし最近は患者さんの歯を削ることに抵抗が出てきたため、新たな方法として、ノンクラスプデンチャーという自費の入れ歯も始めました。ノンクラスプデンチャーはやわらかい素材で金属の留め金がなく、見た目の良さとしっかり噛める感覚の両方を手に入れることが望めます。自費である上、手入れが大変だからと入れ歯に前向きではない患者さんもおりますが、あくまで選択肢として増やした感じですね。

最終的には患者さんに選んでもらうスタンスなのですね。

そうですね。当院からは入れ歯とブリッジをご提案し、インプラント治療をご希望の場合には他院にご紹介します。若い頃は自我が強く「こうしないといけない」とお話しするようにしていた時期もありましたが、今は「どうする?」とご本人の意思を尊重しますね。さらにいうと最近は、必要な説明を行った上で「そもそも治療をしない」という選択肢も設けています。例えば奥歯を1本失ったけれど、歯を削るのも入れ歯も嫌だからそのままで、とおっしゃる方もいらっしゃるでしょう。ただし、放置すると隣の歯が寄ってきたり噛み合う歯が伸びてきたりするリスクがある旨ももちろんお伝えし、十分にご理解・ご納得いただくようにしています。

ほかにも診療で心がけていることはありますか?

田中淳一院長 田中歯科医院4

どれだけ忙しくても、患者さん一人ひとりとのコミュニケーションを大切にしています。あいさつから始まり、診療後は次回のお話をする。最低でも最初と最後は顔を合わせ、できるだけお話をします。お子さんには治療の励みになるようカプセルトイやキシリトール入りのお菓子なども用意していますよ。そして年齢を問わず心がけているのが、安心してもらうための優しい声かけです。特に高齢の方は緊張すると血圧が上がってしまうので、初めが肝心なんです。加えて、高齢の方の場合はその日の体調もきめ細かくチェックします。中には何かしらのリスクを抱えながら生活しており、外出先で意識を失うなどの経験をした患者さんもいらっしゃいます。だからこそ、まずは診察室に入って来るときの表情を確認し、治療も体調に応じて早めに切り上げるなど配慮します。

患者とお互い健康で、いつまでも診療し続けたい

大学卒業から開業までのご経歴も伺います。

田中淳一院長 田中歯科医院5

卒業後は間もなく結婚し、兵庫県のとある無医村で診療を始めたので、大学で得た知識をもとに、本を購入しながら独学で診療スタイルを確立するしかない大変な状況でした。ただ、幸い大学時代のサッカー部の先輩が教えに来てくれることもあり助かりましたね。その先輩が専門に学んでいたのが入れ歯だったため、私も同じ分野を深く勉強しました。それまで歯科医師がいなかった山奥の地域でしたので、患者さんの口腔内は当然手つかずです。そんな方たちを数多く治療してきましたが、楠町でもお口のトラブルを抱えている方を治療したり、歯磨きへの意識が低い方に啓発したりと働きかけたいことは多いですね。

どのようなタイミングで歯科医院を受診したら良いですか?

例えば、口腔がんは早期発見が重要ですので、歯科医院には定期的に足を運んでほしいと考えています。たとえ虫歯が治って歯茎の状態も回復しても、半年に1回は受診するのがこれからの歯科医療ではないでしょうか。近年はプロフェッショナルケアという、歯科衛生士による専門的な口腔ケアも普及してきました。また、高齢になると誤嚥性肺炎などが起きる可能性もあります。そうした病気を予防できるよう、当院ではリスクのある方には治療終了後に半年後の予約をとってもらうようにもしています。

今後の展望と、読者へのメッセージをお願いします。

田中淳一院長 田中歯科医院6

私は今月で63歳になります。可能ならば、いつまでも患者さんと一緒に年を重ねていきたいですね。自身が健康であるために、週2回は片道14kmを自転車通勤、月曜の夜にはフットサル、最近は会議で行けていないものの土曜・日曜はサッカーの練習や試合と体を動かしています。そして診療では、患者さんの主訴を真っ先に治すことをめざすのが第一です。見た目が悪い、うまく噛めないなどのお悩みに対し、求めるものを仮であってもいち早くご提供する。そして必要に応じて、専門性が高い分野は専門家のもとにつなげる役割も果たしたいと考えています。より早く患者さんのお困り事を解決できるよう努めますので、何かあれば一度ご相談ください。

自由診療費用の目安

自由診療とは

ノンクラスプデンチャー/8万8000円~ ジルコニア/6万6000円~

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