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辻 耕造 院長の独自取材記事

つじ歯科医院

(京都市左京区/一乗寺駅)

最終更新日:2023/05/29

辻耕造院長 つじ歯科医院 main

扉を開けるとすぐに楽しげなやりとりが聞こえてくる「医療法人社団つじ歯科医院」。1985年に院長である辻耕造先生が開業し、近隣住民を中心に長年愛されてきた地域密着型の歯科クリニックだ。気さくな院長を中心に、スタッフと患者の笑い声が聞こえるクリニックには、地域に関する情報誌や患者からのプレゼントだという置き物が並べられ、地域のコミュニティーサロンとしての役割も担っていることがわかる。「歯科医師は天職。毎日が楽しい」と話す辻院長に、予防に注力する理由や診療に対する思いについてなど、たっぷり語ってもらった。

(取材日2019年12月26日)

感謝の心に応えるべく、一人ひとりに合った診療を提供

歯科医師をめざしたきっかけを教えてください。

辻耕造院長 つじ歯科医院1

外科医師だった父親の影響です。父に「兄のほうは、自分の後を継がせて外科医師にさせる。親戚に歯科医師はいないし、お前は歯科医師になれ」と言われて、半ば強制的に将来を決められました。父は実家の農業を手伝いながら、苦学して医師になった昔気質の厳しい人です。父に逆らうなんてできませんでした。また、外科医師として社会貢献している父を尊敬もしていましたので、素直に受け入れましたね。

実際に歯科医師になられて、今はどのように感じていますか?

この仕事に向いていると思っています(笑)。子どもの頃、毎週日曜日になると、父が兄と私にプラモデルを買ってくれていました。そのおかげか、手先が器用なんです。もともとは左利きだったのですが、今ではどちらの手も自由自在に動かせます。例えば、一般的に右利きだと、患者さんの右上の奥歯の治療はしにくいものですが、私の場合はどちらの手からでも麻酔が打てますから、患者さんに無理な姿勢を取らせることもありません。また、おしゃべりも得意なんですよ。スタッフには「しゃべり20分、治療5分」なんて冗談を言われるほど、患者さんとの会話にのめり込んでしまうことも。でも、生活背景を知ることで治療に結びつくこともありますから、コミュニケーションも含めて治療の一環だと思っています。

開業されるまでのご経歴を教えてください。

辻耕造院長 つじ歯科医院2

大学卒業後すぐに勤めたのが、保険診療をまったくしていないクリニックでした。そこでは、服装や身だしなみ、言葉遣い、器具の持ち方など、細かい部分まで徹底的に教え込まれました。まだ若かった私には毎日がプレッシャーとの戦いでしたが、カウンセリングの大切さや診療におけるホスピタリティーなど多く学ばせていただきました。その後、京都府立医科大学で2年間研究員を経て、知り合いの先生が分院を出すということで、自分が開業する際のマネジメントの参考になればと、転職しました。そこでは「われわれの出す診療報酬明細書は請求書とは違う。報酬という言葉には、患者さんからの感謝の心がこもっているのだ」と教えられました。その考え方は今でも、私の仕事に対する考え方のベースとなっていますね。

丁寧なブラッシング指導で、予防に尽力

こちらのクリニックではブラッシング指導に注力されているそうですね。

辻耕造院長 つじ歯科医院3

はい、「つまようじ法」というブラッシング方法を推奨しています。これは、歯ブラシの毛先をつまようじのように歯間に押し込んで、歯間と歯の表面を同時に効率的に磨いていくブラッシング方法なんです。また同時に歯間の歯茎をマッサージしていくことにもなり、毎日続けて歯だけでなく、歯茎も丈夫で健康になることをめざします。当院では、月1回のメンテナンスにお越しいただく際には、歯ブラシをご自宅から持って来ていただいています。難しいテクニックはいりませんが、長年習慣化した従来のブラッシング方法を変えることは難しいもの。スタッフにとっても根気のいる作業ですが、何度も通ってもらい、習慣としてブラッシング方法を身につけていただけるようチーム一丸となって取り組んでいます。

なによりも予防に力を入れておられるのですね。

ええ。歯科医師が携わる二大疾患といわれる虫歯と歯周病は、完全に元の状態に戻ることはありません。そのため、日頃からのケアが重要になってきます。例えば、医師と歯科医師は、患者さんから見れば同じような職業のように映っていると思います。しかし実際は、根本から異なります。医師は、病気やケガをされた患者さんを救い、多くの場合で元の状態にすることができる。つまり、病院は病気やケガをしてから行くところなんです。しかし、歯科医師は虫歯を除去し、痛みの軽減を図って詰め物はしますが、元通りの歯にすることはできません。ですから、歯科医院は虫歯になる前に行くところなんですね。このお話をすると、多くの方が納得され、以後は熱心にブラッシングに励んでくれることが多いですね。

患者さんに接する際に、心がけていることを教えてください。

辻耕造院長 つじ歯科医院4

まずは、歯科に対する間違った考え方を捨てていただき、正しいケアを指導していくことですね。例えば、歯をなくした人の中には、入れ歯をしたら何でも噛めると思っている人は多いんです。ですが、交通事故で足をなくされた人が義足をしても、なかなかうまく走れないし、義足がうまく体にフィットしないことも。それと同じなんです。こういった例え話をたくさんして、治療やメンテナンスの方向にもっていくのが私の仕事。あくまでも治すのは患者さん本人の仕事なんです。時には厳しく指導することもありますが、ありがたいことに開業してから、地域の方々にたくさんお越しいただいています。周辺は学生街で4年で離れていくものですが、社会人になっても来てくれる人や、子どもの頃から通っていて、結婚した後も里帰りのタイミングで寄ってくれる人もいます。気持ちが通じた患者さんの存在が励みになっていますね。

噛むことの大切さを伝え、これからも皆の健康を支える

今後の展望について教えてください。

辻耕造院長 つじ歯科医院5

「ワンデートリートメント」といわれるように一日で終える診療を取り入れるなど、より患者さんにとって負担の少ない診療を提供していきたいと思っています。例えば、カメラで撮影した口腔内画像をもとに、院内で詰め物を作製するといったシステムの導入を検討しています。時間短縮はもちろん、型採りが不要で石膏などの材料も必要ありませんからエコですし、患者さんにピッタリと合った詰め物が追求できます。ほかにも、4年ほど前に3Dの歯科用CTを導入しました。これにより、インプラント治療などオペが可能になり、歯槽骨の骨の状態や小さな虫歯や根の病気も発見できるようになりました。私の恩師たちは現在86歳で現役だったり、90歳を過ぎても講演会をしている元気な人ばかり。私もまだまだ守りに入らず、時代のニーズを捉えながら、師を超えられるようにまい進していきたいと思っています。

ところで、週末はどのように過ごされていますか?

趣味は多いほうなんですよ。長年アイスホッケーをしていて、京都府歯科医師会のホッケーチームなどにも所属しています。ほかにスキーやカメラ、バイクでのツーリングや旅行も好きですね。じっと、のんびり過ごしたりするタイプではないので、休みの日はどこかに出かけていることが多いですね。ふらっと温泉に行ったり、神戸や大阪までショッピングに出かけたりしています。自分のモットーは「何事も楽しむこと」なんです。仕事もそう。今まで嫌になったことはなくて、毎日楽しみながら仕事を続けられています。

最後に、読者の方へメッセージをお願いします。

辻耕造院長 つじ歯科医院6

まずは、よく噛むことをお勧めしたいです。「鶴は千年、亀は万年」という言葉を聞いたことがあるでしょう。あれは「よく噛むほど長生きしますよ」という例えだともいわれているんです。実際に、よく噛むほど歯はきれいになると考えられていて、使わない場所にはホコリがたまりやすいけれど、よく使う場所にはホコリがたまりにくいのと同じなんです。歯の表面がこすれることで、歯垢は取れてくれるんですね。また、噛んで唾液を出すことでも、口の中の清掃ができます。近年はすでに浸透した80歳で20本以上の歯を残す「8020運動」だけでなく、1口で30回以上噛むことを目標とした「噛ミング30」も提唱されています。定期的なメンテナンスやキシリトール入りのガムなどをうまく利用して、いつまでも健康な歯を維持できるよう努めていただきたいですね。また、お口に関するご相談やお悩みがあれば、いつでも気軽にお越しください。

自由診療費用の目安

自由診療とは

インプラント治療/44万円~、ホワイトニング/4万4000円、審美面に配慮した診療/11万円~

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